トキの生息地や生態・野生絶滅の理由について
トキ色といわれるほど美しい朱い羽を持つトキ。
そんなトキはかつては日本中で観られたのに今では日本のトキは姿を消してしまったといわれています。
今回はそんな、トキの生息地や生態、野生絶滅の理由についてご紹介したいと思います。
今回の記事の内容はこんな感じです。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
トキの名前の由来
トキの名前の由来は、奈良時代にツキやツクといわれていたことがわかっています。
ツキとは桃花鳥と書いたそうで、ときが羽ばたいたときに見える美しいピンクがかった赤色のことを意味するといわれているのでしょう。
トキの漢字表記・英語名・学名
トキは漢字で「朱鷺」と書きます。
トキの英語での表記はJapanese Crested ibisといって、意味は日本の冠羽のあるトキという意味があるようです。
そして、学名は Nipponia nipponといわれています。
まさに、トキは日本の鳥だということが強調されているのがよくわかりますよね。
トキの特徴
日本の鳥として広く認識されているトキ。
美しいピンク色はトキ色とも名付けられるほど代表的な色のようです。
トキの大きさ・体重
トキは、体長が76cmくらいで翼を広げたら130cmにもなるといわれ、体重は1500gから2000g前後だといわれています。
トキの見た目の特徴や色・模様
トキの体の色は白いですが顔や頭、足などは朱色で、春から夏になるつい翼の下の方が濃い目のピンク色になることから、日本ではこのようなピンク色のことをトキ色というほど、美しい色のようです。
トキのオスメスの違い
トキのオスはメスよりも少し大きめで、体重はオスがおよそ2000g前後、メスは1600g前後だといわれています。
性格的には、オスは攻撃的なで食欲が旺盛なのに対して、メスは消極的で警戒心も強く、食べるのも少ないようですね。
トキの寿命
野生のトキの寿命はあまりはっきりとは分かっていません。
けれど、トキの絶滅を防ぐために色々研究をなされた結果観測するとおよそ、10年から15年の寿命が考えられるようです。
トキの生態
繁殖期以外は、群をなして行動するといわれているトキ。
あんなに優美で大きなトキが群をなして飛ぶ姿はとても雄大でしょうね。
そんな、美しいトキの生態についてご紹介します。
羽色が変化する
トキは繁殖期になると見た目がガラリと変わってしまうようです。
頸部の色が黒くなりそれが剥がれて上半身に色がうつり黒っぽい灰色になってしまいます。
水浴びをするともっと黒くなるようです。
警戒心が強い
トキはオスよりもメスの方が警戒心の強い性格をしているといわれていますが、どちらも警戒心は強い鳥だといわれています。
保護されているトキでも、人間には近づいてこないためエサも食べないこともあるようです。
かつては、人懐っこい鳥だったトキですが、美しい羽を取るためや、食べるために乱獲された経緯を遺伝子的に覚えているのか人間には特に警戒しているのかもしれませんね。
留鳥
トキは留鳥といわれています。
かつては、日本の色んなところに一年中生息していたようですが、近年になると日本ではなく中国の中央の地域に生息しているのと、日本では保護のもと佐渡に生息しているといわれています。
トキは留鳥でもありますが、地域によっては寒いところから温かいところへ移動し、越冬する個体も多くいたといわれています。
嘴の感覚が発達している
トキの嘴はペリカンなどと似ていて、大きく感覚が発達しているといわれており、器用にくちばしでエサなどを取ることができるといわれています。
普通は取りにくいとされる泥の中や湿地帯、田んぼの中にくちばしを入れてカエルや昆虫類、ドジョウやカニなどを捕獲することができるといわれているんです。
繁殖期
トキは繁殖期になると体の色が黒く変化し、オスメスがつがいで縄張りをつくりはじめ、繁殖準備にかかるといわれています。
繁殖時期は、4月の初めごろで3個から4個程度の卵を産み、オスとメスが交替でおよそ1ヶ月近く抱卵し孵化させるようです。
そして、50日くらいでヒナが巣だっていくといわれているんです。
トキの生息地・分布
昔は、東アジア全域に生息していたといわれているトキですが、現在では、ほとんどが、中国で生息しているといわれています。
日本や韓国、台湾でも中国のトキが僅かに生息をし以前のようにたくさんのトキが見られるよう試みがされているようです。
日本古来のトキもかつては、北海道や本州、伊豆、佐渡島、隠岐諸島、四国や九州など日本各地で観測されたといわれています。
トキの鳴き声
大勢で鳴かれるとかなりうるさいといわれているトキの鳴き声はこちらです。
一羽くらいならカラスと間違えそうな鳴き声ですよね。
鳴き声の種類・意味
トキの鳴き声の種類は地鳴きというオスメス関係なく、コミュニケーションをとったり、天敵などのしらせたりする、いわばお喋りを意味する鳴き方をするといわれています。
鳴き声は、「グァーグァー」「タァータァー」「カッカッカッ」などとカラスのような鳴き方をするのが特徴なんです。
でも、集団でかなりの大きな声で鳴くため、周りの人にとってはたまったものではないようです。
トキの天敵
トキの天敵は、カラスなんです。
カラスより大きいのにどうして?と思うかもしれませんが、トキが卵を産んだとき、カラスが持っていってしまうことがトキの絶滅の原因のひとつともいわれるほど、深刻な問題だといわれていたのです。
トキの保護のために、カラスを追っ払うかどうか議論がされていたそうですが、自然のなかでおこることに人間が関与してしまうのはどうなのか?という反対意見もでたりして解決にはならなかったようですね。
>>「ハシボソガラス:の特徴や生態、鳴き声についてはこちら♪
日本産のトキが絶滅した理由
トキは明治時代頃までは日本全国に生息しいたようですが、狩猟過多によりその数が急激に減ってくるようになったといわれています。
また、トキが生息するのに適しているといわれている森林や沼や池などの湿地帯が土地開発などにより減少してしまったこと、トキ自身の繁殖能力の低下などにより減少をしてしまい、60年ほど前にはほとんど絶滅したといわれています。
また、この現状を改善すべく、昭和40年頃に、カズとフクというトキが保護され飼育されたのですが、カズが亡くなり解剖されると大量の有機水銀が体内から出てきたといわれています。
このことで、トキの減少理由が大量の農薬が原因だと考えられるようになったようです。
その後も、5羽のトキが捕獲され飼育しましたがやはり長くは生存することはできず、日本産のトキが絶滅してしまったようです。
現在存在しているトキは中国産のトキだといわれているんです。
日本と中国のトキって違うの!?
日本のトキと中国のトキは、見た目やDNAレベルで見てもほとんど変わりはないようですね。
日本で最後だといわれているキンと名付けられたトキが中国のトキの子孫だともいわれており、そんな面でも日本のトキと中国のトキには違いがないようですね。
日本では、トキは特別天然記念物や野生絶滅危惧種に指定されており、中国では、中国国家一級重点保護野生動物という、中国における野生動物保護法で定められた絶滅危惧種に認定されているようです。
まとめ
トキの生息地や生態・絶滅の理由についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
絶滅危惧種のトキですが、中国のトキが日本へやってきて再び生息しようとしているんですね。
美しいトキの姿がまた日本でも観測できる日がいつかはやってくるのかもしれませんね。
それでは、今回の記事のおさらいです。
☑トキの名前な美しいトキ色からつけられた
☑トキは英語名でも日本の鳥だということがわかる
☑トキは嘴が発達している!
☑トキは現在は中国のトキがほとんど
☑トキの鳴き声はカラスみたい
☑トキが絶滅した理由
☑中国のトキと日本のトキは一緒
などでお届けしました。