海水を飲む!?アオバトの生態や鳴き声・生息地について
公園でよく見かけるポピュラーなハトの他にも、ハトの仲間は沢山います。
そんなハトのなかまのひとつである、「アオバト」についてご案内いたします。
アオバトの名前の由来や、特徴、生態や生活の実態について紹介したいと思います。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
アオバトの名前の由来
まずは名前について見ていきましょう。
アオバトは、ハト目ハト科アオバト属に分類される鳥類です。
アオバトは、かつては「ヤマバト」と呼ばれていたようですが、英語名の「green-pigeon」という名前にもあるように、青い羽根の特徴をとって「アオバト」と呼ばれるようになったといわれています。
漢字表記・英語名・学名
アオバトは、漢字で書くときは「青鳩」ではなく「緑鳩」とかきます。
これは英語名に由来していると考えられます。
学名はTreron sieboldii、 英語名はWhite-bellied green-pigeonと表記します。
>>ハト科の仲間の「キジバト」の生態や寿命についてはこちら♪
アオバトの特徴
ここからは、アオバトの特徴についてご案内いたします。
大きさや特徴、模様等について調べました。
アオバトの大きさ
まず、アオバトの大きさは全長33cmです。
公園で見かけるポピュラーなハトとほぼ同じ大きさですので、イメージしやすいでしょう。
アオバトの見た目の特徴や模様・色
アオバトの外見の特徴ですが、グリーンバードという英語名の通り、体は全体的にオリーブ色をしています。
鮮やかな色をしています。
アオバトのオスメスの違い
アオバトのオスとメスを見分けるには、体の色を見ます。
オスは頭から胸にかけては黄色く、お腹はクリーム色をしています。
肩から羽が暗い赤色をしています。
一方、メスはそれらの箇所もオリーブ色で、全体的にオリーブ色をしています。
オスのほうがカラフルです。
アオバトの寿命
アオバトの寿命は、野生で2~3年と言われています。
最高で8年生きたという記録があるようですが、野生では波にさらわれたり、他の野鳥に襲われる等して、寿命をまっとうできない個体も多いため、最高寿命は保護下である可能性が高いです。
また、野鳥はひとつの個体を継続して観察するのが難しく、野生での寿命を正確に測るのは難しいと言われています。
アオバトの生態
ここからは、アオバトの生態についてご案内いたします。
アオバトには、海水を飲んだり、ピジョンミルクを吐き出したりと、面白い生態がみられます。
海水を飲み水にする
アオバトは、森林に生息していますが、夏から秋にかけては海岸に出てくることがあります。
それは海水を飲んで塩分やミネラル補給をするためと言われています。
神奈川県大磯町の海岸などでは、アオバトが毎日のように群れで遠路はるばる飛来してきて、海水を飲む行動が頻繁に見られますので、バードウォッチングの注目スポットとなっています。
「ピジョンミルク」を雛に与える
アオバトの子育てで特徴的なのが、雛に「ピジョンミルク」を与えることです。
ピジョンミルクとは、日本語では素嚢乳(そのうにゅう)といい、ハトの嚢の内壁から分泌される液体で、雛を育てる際に吐き戻して子どもに与える液体です。
ピジョンミルクという名前になったのは、主にハトのグループにみられる行為だからです。
>>フラミンゴミルクとゆうミルクで雛を育てる「フラミンゴ」についてはこちら♪
「尾漬け」を行う
アオバトは、水を飲むために海岸に現れることがありますが、その際に尾羽から下半身にかけての身体を意図的に海水に浸す行為がみられます。
これは「尾浸け」といい、行動を行う姿が多数目撃されていますが、なぜそうするのかは明らかになっていないと言われています。
海水を飲んだり、尾漬けを行う際には、高波に呑まれたりハヤブサに襲われて命を落としたりするアオバトもいると言われています。
餌は主に果実や植物を食べる
アオバトの食性は植物食で、主に果実や種子等を採取し、好んで食べます。
繁殖期
繁殖期は6~7月ごろで、高い樹に、木の枝や枯れ葉等を編んで束ねた、皿型の巣を作ります。
アオバトの生息地・分布
アオバトの生息地は、中国、台湾、日本、本州、四国、九州などです。
日本の本州では留鳥で、その場で繁殖などをします。
北海道では6月初旬に道内に飛んできて、秋になると本州へと渡っていくので、夏鳥です。
南西諸島や台湾、中国では夏に飛来し、冬には飛び去ってしまうため、冬鳥という分類です。
広葉樹林や針広混交林を好んで住み、個体によって単独で行動したり、数羽~10羽の蒸れを作って行動したりします。
アオバトの鳴き声
アオバトは、「オーアーオー」「ウーウワァーオー」等と聞こえるような、独特の鳴き声をしています。
笛の音に聞こえるような声をしています。
こちらの動画で、アオバトの鳴き声を聴くことができます。
周りの音と混ざらない独特な声が聞こえましたか?
鳴き声を頼りに探せば、アオバトにすぐ出会えるかもしれませんね。
鳴き声の種類と意味
鳥の鳴き声や鳴き方にはいろいろな種類があり、それぞれに意味があります。
個体にもよりますが、大きく分けて主に「地鳴き」と「さえずり」のふたつがあります。
地鳴きと呼ばれる鳴き方は、仲間同士の合図や意思疎通に使うための鳴き方で、さえずりは縄張りの確認や、繁殖の際の求愛のために使われる鳴き方だと言われています。
アオバトって飼育できるの!?
基本的には、野生の鳥を飼育することは、鳥獣保護法により禁止されています。
公園などにいるハトも例外ではなく、もちろんアオバトも禁止されています。
もし、野生のアオバトが自宅の庭などでケガをしていて、保護してしまった場合は、すぐに住んでいる地域の役所に連絡し、鳥獣保護担当の方に指示をあおぎましょう。
また、ケガをした鳥はしばらく休めば自力で飛び立つことが出来る場合もあるため、部屋の中に招き入れるよりも、お庭の安全なところで保護し、指示を待つとよいでしょう。
まとめ
今回はアオバトについて生態や特徴を調べました。調べたことをまとめてみましょう。
☑アオバトは全体的に身体がオリーブ色をしていることから、green pigeonと名付けられた。
☑大きさは公園などにいるハトとほぼ同じで、メスよりもオスのほうがカラフルな色彩をしている。
☑アオバトはミネラル摂取のために海水を飲むのが特徴的で、その際には尾羽を海水につける行動がみられる。
☑雛を育てる際には、ピジョンミルクと呼ばれる、主にハトが分泌する液体を吐き戻して飲ませる。
☑アオバトの鳴き声は特徴的で、「オーアーオー」などと聞こえる笛のような鳴き声をしている。
☑野生の鳥を飼育することは鳥獣保護法で禁止されているので、保護した場合は役所へすみやかに連絡するとよい。
いかがですか?ピジョンミルクや尾漬けなど、特徴的な行動が面白いですよね。
アオバトは日本でよく見ることのできる野鳥ですので、鳴き声が聞こえて来たらぜひ探してみてくださいね。