カルガモとマガモの識別方法のまとめ。
冬の時期、公園などを散歩していると、カモの群れを見かける事がありますよね。
一年中日本で生活している種もあれば、越冬のため日本に渡来してくる渡り鳥のカモもいます。
そんなカモの中でも有名な、カルガモとマガモの違いを紹介していきます。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
カルガモとマガモの雛の特徴の違い
カルガモの雛には、目の部分の黒い線の下には何もありませんが、マガモの場合は、目の部分の黒い線の下に、黒い斑点があります。
この他に、マガモの雛の嘴は黒いだけで、これが、カルガモの雛になると、黒い嘴に黄色が入ってきます。
このように、一見同じように見えるカルガモとマガモの雛ですが、どこが違うのか知っていれば、見分けることができますよね。
目の上を通る過眼線の長さの違い
それでは、過眼線の違いに着目して、比べて見ましょう。
過眼線とは、嘴の基部から目の前後を通る線で、鳥の顔の模様です。
前の違いのところで、目の部分の黒い線と表現していますが、この黒い線が過眼線なのです。
カルガモの場合、この過眼線が目の前では長いですが、目の後ろに行くと、少し短く、目の後ろで別れているような模様になっています。
一方、マガモの過眼線は、目の前後、特に後ろに長く伸びています。
この過眼線の違いだけでも、カルガモとマガモの雛は、区別することができます。
カルガモとマガモの雌の違い
カルガモとマガモの雌で、大きく違う場所は嘴です。
この嘴の違いは後述するとして、この他の違いを見てみましょう。
見分ける特徴は、先に出てきた過眼線です。この過眼線が、マガモよりカルガモのほうがはっきり見えます。
カルガモのほうが、少し顔が白っぽいため、もの過眼線がはっきり見えます。
それでは、最大の違いである嘴について、違いを説明します。
嘴の違い
カルガモも、マガモも嘴は、黒と黄色やオレンジの2色で彩られています。
しかし、この配色が異なります。
カルガモは、黒い嘴に、先端だけが黄色もしくはオレンジの色をしています。一
一方、マガモになると、この黄色の部分が、先端だけでなく、嘴の基部にまで繋がっています。
どちらかというと、黒い部分のほうが少ない位です。
このように、カルガモとマガモの雌は、嘴を見ると、どちらの種なのか、すぐに判断できます。
カルガモとマガモの雄の違い
カルガモとマガモの雌の違いは説明しましたが、雄はどのように違いがあるのでしょう。
マガモの雄というと、イメージするのは、やはり鮮やかな頭部ではないでしょうか。
カルガモには無い特徴です。
この他にも、尾羽にも違いがあるのです。
では、カルガモとマガモの雄の違いを詳しく説明していきます。
頭部の違い
まずは、一番目立つ頭部の違いです。
繁殖期のマガモの頭部は、生殖羽として、金属光沢を帯びた緑色をしています。
光の当たり方により、青味を帯びて見えることもあります。
とても派手な頭部をしています。
一方、カルガモの場合は、通年通して、同じ色の地味な色の頭部をしています。
しかも、雌のカルガモと同じなので、雄と雌の区別がつきにくいです。
尾羽の違い
頭部の違いの他に、尾羽にも違いがあります。
マガモの尾羽は黒色で、先端がカールしています。
とても可愛く見える特徴を持っています。
一方、カルガモのほうは、マガモのように特徴的な尾羽はしておらず、尾羽の付け根あたりの羽も、茶色の無地一色です。
カルガモの雌になると、この尾羽の付け根にある羽に、白い縁があり、うろこ状に見えますが、雄にはそのような模様はありません。
生殖羽に換羽し羽色が変わる
生殖羽という言葉を知っていますか?
鳥は、繁殖期を迎える前に、相手にアピールするため、羽の色が変わる事が良くあります。
カモに関しては、換羽して、美しい羽毛に変わります。
実は、マガモの雄の頭部の特徴でも紹介した、あの色は、生殖羽の色なのです。
生殖羽のため、繁殖期が終わると、雌に似たような羽色になってしまいます。
このように、雌と同じような羽色となった雄のマガモを、エクリプスと呼びます。
この状態ですと、雄と雌の区別がとてもつき難くなります。
一方、カルガモはといいますと、生殖羽に換羽しても、さほど変化がありません。
カルガモは、一年を通して、同じ羽色の鳥なのです。
カルガモとマガモの味の違い
カルガモとマガモは近縁種です。
このため、味の違いというと、ほとんどないそうです。
しかしながら、その生態の違いが、味にも影響を与えているそうです。
どのような生態の違いがあるのかというと、まずマガモは渡り鳥です。
夏の間は涼しい地域で過ごし、冬になると越冬のために日本へ渡来します。
しかし、カルガモは留鳥で、一年中日本で生活しています。
この違いが味に影響するそうです。
どのように違うのか、まずマガモは、短い期間しかない、暖かい時期に生育する栄養豊富な植物を食べて成長します。
植物由来のため、臭みが無く、その栄養を蓄えて、脂がのった状態で、日本に渡来してきます。
これに比べ、カルガモは一年中日本にいるため、暑い夏に、ミミズや昆虫も捕食します。
この、動物を食べる事で、少しながら臭みが出てしまうそうです。
また、カルガモは、栄養を蓄える必要がないため、脂ののりもマガモに比べ、少ないようです。
カルガモとマガモの雑種がいる!?
これまで、カルガモとマガモの違いを説明してきましたが、実は、この2種類の特徴を持つ雑種が存在するのです。
その雑種は「マルガモ」と呼ばれ、カルガモとマガモの特徴をそれぞれ持っています。
なぜそのような雑種が生まれたかといいますと、マガモの雄は、強制的に繁殖行為を行う事があります。
異種のカモであっても、そこは変わらないようで、その結果、雑種が生まれることがあるそうです。
頭部がマガモ独特の金属光沢を帯びた緑色をしており、身体はカルガモの地味な茶色の模様というカモが存在します。
まとめ
カルガモとマガモの違いを詳しく紹介してきました。
では、この記事のまとめをしてみましょう。
カルガモは目の後ろの過眼線が短いですが、マガモは長くなっています。
□カルガモとマガモの雌の区別は、嘴で見分ける。
体色がとても似ているので、嘴が先端のみ黄色のものがカルガモで、基部まで黄色のものがマガモです。
□カルガモとマガモの雄の区別は、生殖羽で見分ける。
カルガモの雄は、一年を通して茶色の体色をしていますが、マガモの雄は、生殖羽により、頭部が金属光沢を持つ緑色に換羽します。
□カルガモとマガモの雑種「マルガモ」が存在する。
カルガモとマガモ、両方の特徴を持つ雑種のマルガモが存在します。
公園などで、カモを見かけた時、カルガモかマガモか見分けが付くだけで、少し見方が変わって、楽しく、より可愛く感じられるのではないでしょうか。