親子で引っ越し!?かわいいカルガモの生態や特徴・餌などのまとめ
毎年の風物詩のように流れるカルガモの引越しのニュース。
みんなで並んで歩いている姿がとてもかわいいですよね。
今回は愛くるしい姿が人気のカルガモの生態や特徴等についてみていきましょう。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
カルガモの名前の由来
存在が軽いカモという意味があります。
存在が軽いとはどういうことかというと、カモは捕獲することが認められていました。
たくさん居たので捕獲対象になりやすかったため軽いカモでカルガモという名前になったのです。
カルガモの漢字表記・英語名・学名
漢字表記は軽鴨、英語名はDuck、学名はAnas zonorhynchaとなっています。
鳥網カモ目カモ科マガモ属に分類されています。
カルガモの特徴
カルガモは私たちの身近に居る鳥の1つです。
カルガモがどういった特徴を持つ鳥なのかみていきましょう。
大きさ
カルガモは約60㎝くらいで、翼を大きく広げた場合は85㎝~90㎝くらいです。
見た目の特徴や色・模様
全体的に焦げ茶色で、顔から胸元くらいまでは白くなっています。
胸のあたりには焦げ茶色のまだら模様があります。
頭の上、過眼線が黒くなっています。
嘴は全体的に黒色で先が黄色~オレンジ色となっています。
足はオレンジ色です。
カルガモのオスメスの判別方法
カルガモはオスとメスとで大きさが異なります。
オスは63㎝ほど、メスは53㎝くらいです。色味はほぼ一緒ですが、オスの方がメスに比べやや黒味が強いです。
カルガモのオスメスの見分けがあまりつかない理由
カルガモと同じカモ科に分類される鳥は、オスとメスとで色が違います。
しかしカルガモはオスもメスも色が一緒。
違うのは大きさのみです。
実はカモの仲間は他の種類のカモも生息しているところで生息しています。
そのためなんとかして自分をアピールしないと他の種類のカモと交配してしまう可能性があるのです。
別の種類同士で交配したカモは人間でいうところのハーフのようにお互いのそれぞれの特徴を持って生まれてきます。
しかしカモは繁殖期に他の種類のカモが近くに居るということがありません。
他のカモは渡り鳥なのですが、カルガモは渡りを行いません。
そのため色を区別しなくても他の種類のカモにメスを取られる心配がないのです。
そのためカルガモはメスもオスも色が同じなんだとか。
他にもオスメスとで色の区別がつかない鳥がいますが、このような理由からだと考えられます。
カルガモの寿命
カルガモの寿命は5年~10年となっています。
他のカモ科の鳥の寿命も同じくらいのようです。
カルガモの生態
カルガモはどのように暮らしているのでしょうか?
カルガモの生態についてみていきましょう。
カルガモの食性は雑食性
水に住む昆虫、水草、草の実や葉、昆虫を餌としている雑食性です。
時にはオイカワと呼ばれる小魚を食べることもあるんだとか。
田んぼに暮らすカルガモは、タニシ、また稲を食べてしまうこともあるそうです。
稲を食べられるのは困ります。
そのため一部では害鳥と言われています。
昼間は水面などで休んでいることが多く、主に夜に餌を探しているそうです。
刷り込み現象
カルガモは刷り込み現象という現象をもつ鳥です。
刷り込み現象とは、生まれて初めてみた動くものを自分の親だと思う現象のことをいいます。
一部の鳥だけに見られる現象で、親の行動を見ながら成長いきます。
刷り込み現象の発見者
オーストラリアの医師・動物行動学者のコンラート・ローレンツによって、この刷り込み現象は発見されました。
なんとハイイロガンの卵を人工的に孵化させようとした時に、卵が人地コンラート・ローレンツの目の前で誕生。
孵ったヒナに親だと勘違いされてしまったことから発見されたのだそうです。
なんだかほのぼのとするエピソードですよね。
親子で引っ越しをする
カルガモといえば親子で引越しです。
親の後ろをついていく小カルガモの姿のきちんと並んで歩いている姿はとても癒されます。
警察が総動員してカルガモの引越しをみんなで見守るというほのぼのとしたニュースを見たことがある人も居るのではないでしょうか。
ちなみに、このカルガモの引越しをネーミングにした引越し業者があります。
引っ越しをする理由
カルガモの餌は主に水草です。
同じ場所に生息していると水草はなくなってしまいます。
そのため餌のたくさんある場所へと引っ越すのです。
また同じ場所にずっといると敵に狙われやすくなってしまうという理由もあります。
カルガモの繁殖期
4月~7月に繁殖期を迎えます。
カルガモはどのように巣作りを行いヒナを育てていくのでしょうか。
巣作り
水辺に住むカルガモは水辺の草むらや竹やぶなどの人目につかないところに巣を作ります。
集団でコロニーと呼ばれる人間でいうところの集落を作ることもあります。
産卵
1度に10~12個とたくさんの卵を産みます。
卵を温めるのはメスの仕事です。
卵はだいたい26日前後で孵化します。
その間オスはオス同士で群れて暮らしていきます。
子育て~巣立ち
カルガモは生まれてすぐに自分で餌をとることができるように教育させます。
実はカルガモは生まれてすぐに立ち歩くことができるのです。
そのためすぐに餌を自分で取ることができるようになるのだそう。
子育ては基本的にメスのみで行います。
カルガモのオスは子育てに関してはノータッチのようです。
カルガモの生息地・分布
流れの弱い川辺、海辺、田んぼなどに生息しています。
日本では全国各地に生息しており、本州よりも南では溜鳥なので一年中見ることができます。
北海道では夏鳥です。
寒さに弱いのでしょう。
日本以外でも生息しており、アジアの温帯から熱帯に分布しています。
カルガモの鳴き声
「グワッ グワッ」とまるでアヒルのような鳴き声で鳴きます。
カルガモの成長の鳴き声・意味
「グワッ グワッ」と鳴くのは地鳴きです。
ヒナを呼ぶ時にこの声で鳴きます。
「グエーグエッグェ」と大きな声で鳴くのはさえずりで主に繁殖期に聴かれるようです。
カルガモの雛の鳴き声・意味
ヒナはかわいらしく「ピヨピヨ」と鳴きます。
お母さんについていく時に「ピヨ ピヨ」と鳴いている姿がたまりません。
>>見た目が特徴的なカモの仲間「ミコアイサ」のオスメスの違いや幼鳥の特徴についてはこちら♪
カルガモの天敵
カラスやアオダイショウが天敵です。
犬や猫にやられてしまうこともあるんだとか。
しかし実はカルガモのヒナにとって最も天敵となるのはお母さんなんです。
繁殖地が高密度になったり餌が足りないとカルガモのお母さんは子供を攻撃してしまいます。
カルガモをペットとして飼育ってできるの!?
カルガモは狩猟鳥獣に定められているので、ペットとして飼育することができます。
野鳥は飼育ができないと思い込んでいる方もいるかもしれません。
しかし実はカルガモ以外にスズメやキジ、ムクドリも飼育が可能な鳥なのです。
カルガモって販売されている!?値段は!?
3月~4月の繁殖時期になるとペットショップで販売されています。
しかしペットショップにより異なり、扱っていないところの方が多いようです。
値段は高くないそうで、1,000円~3,000円くらいなのだそう。
カルガモを飼いたい方は近くのペットショップに聞いてみるといいですね。
ペットショップにないからといって野生のカルガモを捕獲するなんてことはやめましょう。
カルガモを飼育する場合
ケージを作り寝床を作ってあげて下さい。
ケージはプラスチックの箱、段ボールでも代用することができます。
大きいケージを用意してあげましょう。
窮屈だとかわいそうです。
ケージには新聞紙を敷き詰めてあげて下さい。
飼育に必要な物
ヒナの場合は体を温めてあげる必要があるので赤外線ランプを用意しましょう。
夜は冷えるので赤外線ランプを付けて温めてあげて下さい。
カルガモは水鳥なのでプールを用意してあげて下さい。
衣装ケースに水を入れたものでもokです。
カルガモや雛に必要な餌
ペットショップにハトやヒヨドリの餌があるのでそれらを購入してあげる。
キャベツ、白菜、小松菜などを小さくちぎってあげてもいいでしょう。
食事の回数は1日1~2回にしましょう。
カルガモの雛を保護した場合はどうしたらいい!?
怪我をしているカルガモを保護した場合、まずは動物病院へ連れていきましょう。
ヒナの場合は、保護する前に親鳥が近くにいないかを確認して下さい。
もし近くに親鳥がいるのであれば保護しないようにして下さい。
まとめ
いかがでしたか?
今回はカルガモについてみていきました。
☑全体的に焦げ茶で胸のあたりは焦げ茶のまだらになっている
☑オスとメスは区別がつきにくい
☑水草や昆虫、タニシ、時には稲や小魚を食べている
☑生まれて初めて見た動くものを母親だと思う刷り込み現象をもつ
☑親子で引越しをするのは餌を確保し敵から身を守るため
☑生まれてすぐから餌を自分で取ってこさせるスパルタ教育を行う
☑アヒルのような鳴き声
☑ペットとして飼育することができる
☑飼いたい場合は3月~4月にペットショップを探してみる
☑水浴びが必要でケージの他にプールを用意しなければならない
このようなことが分かりました。
ペットとして飼うことができるカルガモ。
注意して下さい。
一度人に飼われたカルガモは自分で餌をとることができないので野生ではすぐに死んでしまいます。
飼育が面倒だから、引っ越すからそのような理由で川に捨てることは絶対にしないで下さい。
>>カモの仲間「ホシハジロ」の特徴や鳴き声、オスメス判別方法についてはこちら♪