クロウタドリの鳴き声や特徴・オスメスの違いについて
主にヨーロッパ全土に生息しているクロウタドリは、ナイチンゲールやロビンなどと同様に、とても美しい鳴き声の鳥だとして広く親しまれているようです。
ヨーロッパ、特にイギリスではどこにでもいる、ごく普通の鳥で、小説や歌にも頻繁に登場したり、その鳴き声は春を感じさせる鳥だと言われ、スウェーデンでは国鳥とされているようです。
そんな鳴き声が美しいクロウタドリについて調べてみました。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
クロウタドリの名前の由来
クロウタドリの名前の由来は詳しくは分かりませんが、体色が黒くて歌声が美しい事からクロウタドリになったのではないかと言われています。
漢字表記・英語名・学名
クロウタドリの漢字表記は「黒歌鳥」、英名は「Blackbird」、学名は「Turdus merula」とされています。
漢字名で「歌鳥」と示されている通り、鳴き声がとても綺麗で、鳴き声のバリエーションが多数ある鳥のようです。
イギリスではポピュラーな鳥のようですが、日本で見かけることは稀だとされています。
英語での注意点
英語でこの鳥のことを Blackbird と呼んでいますが、アメリカ英語で Blackbird といえばムクドリモドキのことを指すようです。
また、一部有名な小説などで、Blackbirdをクロツグミと訳していることもあるようですが、クロツグミは日本のツグミの一種でまったく異なる鳥のようです。
ヨーロッパでBlackbirdと言えば、クロウタドリのことのようです。
このように誤訳しやすいため、英語表記の場合は注意が必要でしょう。
クロウタドリの特徴
クロウタドリは全身が黒色の、少し大きめの鳥のようです。
クロウタドリの大きさ
体長は約28センチとされています。
クロウタドリはツグミの仲間ですが、ツグミの中では比較的大きい部類だと言えるでしょう。
>>クロウタドリの仲間の「ツグミ」の特徴や生態、鳴き声についてはこちら♪
クロウタドリの見た目の特徴や色
クロウタドリのオスは、その名前が示す通り、全身真っ黒で、目の周りとくちばしが黄色であることが特徴のようです。
メスは、オスと比べると全体的に淡く、黒と言うよりも茶色っぽい色に近いようです。
くちばしもそれほど黄色が目立たないようです。
他の野鳥と比べて、少しふっくらしたような印象を受ける体形をしているようです。
クロウタドリのオスメスの違い
オスとメスでは、メスのほうが茶色っぽい体の色をしているようです。
その他、繁殖期において、エサをヒナに運ぶのはオスとメス、両方で行うようですが、巣作りはメスが主に行うようです。
メスが巣作りをしている間、オスは巣の周辺を警戒している、と言われています。
クロウタドリの寿命
クロウタドリの寿命は他の野鳥と同じように野生では2年前後と言われ、オスのほうがメスよりもやや長生きだとされています。
飼育下では10年以上、生存したという記録がヨーロッパにあるようです。
クロウタドリの生態について
クロウタドリは他の鳥と少し違い、飛ぶよりも地面を走ることが得意だとされています。
地面を駆け回るスピードが速い
クロウタドリは、他の野鳥とは異なり、地面をかなりのスピードで走り回ることができるようです。
飛ぶよりも走るほうが得意だと言われています。
エサとなるミミズなどを見付けると、地上を走ってエサを採り、エサを加えたまま走って巣に持ち帰るようです。
鳴き声のバリエーションが多い
クロウタドリは、その名前に「歌」の文字が入っていることからもわかる通り、鳴き声がとても美しいと言われています。
「ヨーロッパの三鳴鳥」と言えば、ナイチンゲール、ロビン、そしてクロウタドリであると言われるほど、美しい鳴き声だと言われています。
クロウタドリの鳴き声のバリエーションがとても豊富だと言われています。
鳴き声は澄んでおり、音程の高低幅が非常に広く、奏でるメロディも多数あると言われ、同じ場所で10分近く鳴き続けることもあるようです。
また、固体や場所によってその鳴き声のバリエーションが変わるとも言われ、イギリスとドイツでは歌声やメロディの種類が変わると言われています。
声量も同じ種類のツグミと比べて、遥かに大きいとされています。
>>歌うように囀りを行う「マミジロ」の生態や特徴、鳴き声についてはこちら♪
昆虫やミミズ等の無脊椎動物を食べる
クロウタドリは昆虫やミミズ、木の実などを好んで食べると言われています。
地上をかなりのスピードでピョンピョンはねながら、落ち葉などをクチバシで上手に避けて、地上に出てきたミミズや昆虫を探し出して食べているようです。
木の実が多い時期には、樹上で木の実を食べることもあるようです。
特にサクランボやイチゴなどの熟した果実が好物で、農作物を荒らすこともあるようです。
スウェーデンでは国鳥になっている
北欧のスウェーデンでクロウタドリは、日本のウグイスのように、春を告げる鳥として親しまれており、国鳥にもなっているようです。
イギリスでは年中その歌声を聞けるため、春を告げる鳥というよりも、ごく身近に居る聞きなれた歌声の鳥、という認識のほうが強いようです。
クロウタドリの生息地・日本での分布
日本では、クロウタドリの繁殖地はなく、旅鳥または、まれな冬鳥として、北海道から沖縄県まで観測された記録があり、特に西表島や与那国島での暖かい土地での観測記録が多いようです。
ヨーロッパが主な生息地・繁殖地だと言われ、越冬のために南下することがあるとされており中国地方などでよく見かけられるそうです。
日本まで下ってくることは稀だと言われています。
クロウタドリの鳴き声
鳴き声の種類や意味
野鳥は繁殖期にオスがメスを誘うさえずりと、普段のコミュニケーションを行う地鳴きがあるようですが、クロウタドリのさえずりと地鳴きの区別は、その鳴き声のバリエーションの多さから、素人では難しいと言われています。
また、驚いたり、警戒している時などは甲高い鳴き声を出すこともあるようです。
まとめ
ヨーロッパ、とくにイギリスではポピュラーなクロウタドリについて調べてみました。
今回の記事をまとめると、
☑漢字表記で「黒歌鳥」と表されるほど、鳴き声が綺麗である
☑ヨーロッパ中心に生息し、日本に飛来することは稀
☑飛ぶことより、地面を走ることのほうが得意
☑歌声が綺麗で、ヨーロッパの三鳴鳥と言われているほど
☑スウェーデンの黒鳥でもある
☑昆虫やミミズなどをエサにしている
ということがわかりました。
日本では珍しいクロウタドリですが、イギリスでは、どこでも見ることができるごく普通の野鳥という認識で、その歌声も一年中聞こえるため、なじみの深い身近な鳥という認識のようです。
一方で、夜明け前からさえずることや、庭園を荒らしたり、イチゴなどの作物を荒らすこともあり、一部の地域では害鳥としての側面を持っているようです。
日本では、暖かい地方で見かけることがあると言われていますので、もし見かけた際にはその美しい歌声に耳をすませてみては如何でしょうか。