トラフズクの鳴き声や生態・特徴について
翼を持ちながらも夜を中心に活動するのが猛禽類です。
今回ご紹介するのは、そんな猛禽類の仲間であるトラフズク。
フクロウの仲間です。
この記事ではトラフズクについて、名前の由来や表記の仕方、特徴や生態についてご案内いたしますので是非参考にしてくださいね。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
トラフズクの名前の由来
トラフズクは、フクロウ目フクロウ科トラフズク属に分類される鳥です。
トラフズク属の模式となっている種類の鳥類と言われています。
名前の由来は身体全体のトラのような模様と言われています。
漢字表記したときにその理由を分かると思いますので、ご覧ください。
トラフズクの漢字表記・英語名・学名
トラフズクの漢字表記は「虎斑木菟」です。
虎の模様をしたズク、という意味ですね。
英語名はLong-eared Owlと表記し、学名はAsio otusです。
トラフズクの特徴
ここからは、トラフズクの特徴について見ていきましょう。
トラフズクの大きさ、見た目の特徴や模様、オスとメスの違いについてごらんください。
トラフズクの大きさ
まず、トラフズクの大きさは全長38cmです。
お面のような顔が特徴的で、ペットとして人気のメンフクロウが全長35~45センチです。
大きさは同じくらいか、トラフズクがやや小さめと考えるとイメージし易いでしょう。
トラフズクの見た目の特徴や色・模様
トラフズクは、頭から背中の面にはえている羽毛は灰がかった褐色をしており、濃い褐色の縦縞模様が入っているのが特徴です。
おなかを覆う羽毛は黄がかった褐色をしており、こちらも黒っぽい褐色の縦縞が入っています。
全体的に虎柄のように見えることから、「トラフズク」という名前がついたと考えられています。
虹彩はオレンジ色をしており、眼の色は明るく見えます。
羽角と呼ばれる、外耳状の羽毛は発達します。
羽角は、高く羽を立てることによって、後方からの音を聴きとり易くする役割があると考えられています。
人が聞こえにくい声を拾おうとするとき、耳に手をかざすのと似ていると考えるとよいでしょう。
トラフズクのオスメスの違い
トラフズクのオスとメスを見分けるのは難しいと言えるでしょう。
トラフズクはオスメス同色をしており、模様にもほとんど違いがありません。
トラフズクだけでなく、フクロウは全般的にオスメスを見分けるのが難しいと言われています。
見分ける必要がある際は、専門家に見てもらうことがおすすめだと言われています。
トラフズクの寿命
フクロウの寿命は、小型の個体で10~15年、中型・大型の個体で20年ほどだと言われています。
トラフズクは中型・大型に分類されると考えられるため、20年生きると考えておきましょう。
中には30年生きるフクロウもいると言われているため、飼う時は長い時間をかけて、最後まで責任をもってかわいがる覚悟が必要です。
日本ではトラフズクなどのフクロウの仲間を飼うことは認められているので、環境さえ整っていれば飼うことは可能ですが、飼う前に一度、法律やワシントン条約などを調べておく必要があるでしょう。
トラフズクの生態
ここからは、トラフズクの生態についてみていきましょう。
いつ活動しているのか、何を食べて生活しているのか、どんな特徴のある行動をするのかを、順番にご紹介します。
夜行性
トラフズクは夜行性で、昼間は樹上で休みます。
トラフズクは針葉樹林や広葉樹林に生息しています。
夜になると彼らが活動を始めるため、山のほうから鳴き声が聞こえることもあるようです。
夜行性の動物を見つけることは難しいですが、トラフズクの鳴き声をたどれば観察できることもあるでしょう。
>>夜行性の「タマシギ」の鳴き声や生態、特徴についてはこちら♪
聴覚が優れている
トラフズクは羽角が発達しており、音を聴きとる能力に優れています。
立てた羽角がまわりの音を集める役割を果たしているのです。
食性は動物食
トラフズクの食性は主に動物食で、昆虫類や小型の哺乳類を食べます。
小型の鳥類も、トラフズクにとっては獲物となります。
単独かペアで生活する
トラフズクは単独で行動するか、もしくはペアで生活します。
しかし、冬になると小規模な群れを形成し、集団で眠ることもあります。
枝に似せたポーズをする
トラフズクは、枝に擬態する習性があります。
木で休んでいる時に敵に襲われたりすると大変です。
ですからトラフズクは身体を補足伸ばして、枝のふりをします。
羽角もぴんとのばし、翼も下へのばして細くまっすぐになるため、木の間で目立たなくなります。
繁殖期
トラフズクは卵で繁殖します。
他の鳥の古巣や、リスがつくった地面のくぼみを利用し、一度の子育てで4〜5個の卵を産みます。
卵を抱くのはメスのみで、抱卵期間は25日から30日です。
メスが卵を抱いている間、オスは巣の周囲で見張りを行ったり、メスや雛のために食べものを運んだりします。
雛は、生後1年程で性成熟し、自身も繁殖活動ができるようになります。
トラフズクの生息地・分布
トラフズクの生息地は、日本の他、エジプト、カナダ、台湾、メキシコ、モロッコ、ユーラシア大陸、アメリカ合衆国です。
主に生息地では周年見かけられますが、冬季には獲物を求めて渡りを行うこともあります。
日本では周年生息する留鳥で、寒冷地に住んでいるトラフズクは冬になると南下するため、冬に訪れる地では「冬鳥」という扱いになります。
トラフズクの鳴き声
鳴き声は低音で、「ウーウー」といっているように聞こえます。
こちらの動画で、トラフズクの鳴き声を聴くことができます。
鳴き声の種類や意味
鳥には、仲間同士の合図や確認に使われる地鳴きや、求愛行動やなわばり確認などに使われるさえずり等がありますが、フクロウは、小鳥がさえずるのと似たような泣き方はしません。
雛が餌を欲しがるときは、激しく大きな声で鳴くこともあり、これを「餌鳴き」と言います。
まとめ
今回はトラフズクについて、調べたことをまとめました。
内容を簡単に振り返ってみましょう。
☑トラフズクの名前の由来は、虎のような羽の模様からきていると考えられている。
☑トラフズクの見た目の特徴は、全体的に褐色をしており、縞のような模様が入っていること。
☑羽角が発達しているのが特徴的で、これは後方からの音を聴きとり易くするためだと考えられている。
☑夜行性で食性は動物食。主に昆虫や小型の哺乳類を捕獲して食べます。
☑枝に擬態して敵から身を隠すのも特徴的です。
☑トラフズクの子どもはメスが抱卵して1か月ほどで孵化し、1年で性成熟する。
いかがでしたか?
枝のフリをして敵から身を隠すというところがユニークでしたね。
夜活動する彼らを見つけるのは難しいですが、じっくり鳴き声に耳を傾ければ出会えるかもしれません。