タチヨタカってどんな鳥!?生態や鳴き声について
タチヨタカは中南米のごく限られた地域に生息する、極端に大きな目とがま口のように開く大きな口が特徴の鳥類です。
変わった特徴の顔と独特の生態が日本でも話題になり、注目を集めているようです。
日本では動物園などでも飼育が難しいと言うことで、本物を見るためには中南米の生息地に行くしかないようです。
今回の記事では、そんな個性的な鳥、タチヨタカの生態や鳴き声について説明したいと思います。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
タチヨタカの名前の由来
タチヨタカは、木の枝に垂直に立って留まる姿から、その名がつけられたと言われています。
タチヨタカの英語名・学名
タチヨタカの漢字表記は「立夜鷹」または「立怪鴟」、英語名はPotto(プトゥー)、学名はNyctibiusと表記します。
海外では、カートゥーンと言うアニメのキャラクターに似ていることから、「カートゥーンバード」と呼ばれ、親しまれているそうです。
タチヨタカの特徴
タチヨタカは、ヨタカ目タチヨタカ科タチヨタカ属に属する鳥類で、属する唯一の種です。
極度に大きな目と大きく開く口が特徴で、性質は猛禽類の中では比較的臆病だと言われています。
現在確認されているだけで、7種の仲間が現存するそうです。
タチヨタカの大きさ
タチヨタカの大きさは全長約21㎝~58㎝程で、大きい個体はハシブトガラスと同じくらいの大きさか、やや小さめくらいだと言われています。
タチヨタカの見た目の特徴や色・模様
タチヨタカはオスメス同色の体色で、全体が褐色の中に、黒褐色、灰褐色、赤褐色などの細かい複雑な斑が散在し、眼は大きく、虹彩は黄色、クチバシは幅があって平たく短め、脚も短めです。
体の大きさに対して頭部が大きく、脚が短いため、3頭身のような体形に見えるそうです。
大きな口は顔の半分を占め、眼はかなり大きく出張っているのが特徴です。
タチヨタカの寿命
野生のタチヨタカの寿命は、詳しくはわかっていませんが、タカやワシなどの同じ猛禽類は30年以上生きると言われていますので、タチヨタカも鳥類の中では比較的長寿ではないかとされています。
タチヨタカの生態
タチヨタカは主に単独で行動し、繁殖期にはつがいを形成し縄張りを持って分散すると言われています。
多くの個体は定住性で、日中はほどんど動かず、夜間の活動時も、あまり動き回ることはなく気に入った枝や切り株の上で生活しているそうです。
夜行性
タチヨタカは夜行性で、日中は木の枝に直立して留まり休息して、夕暮れから活動し始めるとされています。
かなり強い夜行性のため日中に動くことはほとんどなく、独特の止まり方と木や枯れ葉と保護色の体色を利用して木に擬態しているため、見つけるのは難しいと言われています。
この擬態は、大型の猛禽類などの外敵から身を守るためと、餌となる獲物をおびき寄せるためとされています。
また、眠っている時でも眼は半分開いており、危険が迫ってもすぐに察知できるそうです。
夜間も完全に真っ暗な場所を好み、音もなくひらひらと飛び回ることが多いそうです。
単独で生活する
タチヨタカは基本的に単独で行動し、つがいや家族群以外の群れを作ることはないとされています。
また、気に入った場所からあまり動かずに生活すると言われています。
昆虫を食べる
タチヨタカの食性は主に昆虫食で、空中採食をすると言われています。
大きな口を開けて飛びながら飛翔性のガやゴミムシ、ゲンゴロウ、カワトビケラ、カメムシ、カブトムシ、コガネムシなどの昆虫、甲虫類を捕食するそうです。
全く羽音をたてずに、翼をひらひらとはばたかせ、踊るように身軽に動き回るとされています。
また、木に垂直に立ち、木に似た体色を利用して木に擬態し、爬虫類やモズ、ヒタキなどの小型の鳥類を待ち受けて捕食することもあるそうですが、口を大きく開けて丸呑みにし、他の猛禽類のように脚を使うことはないそうです。
また、地上に降りて採食することは、ほとんどないと言われています。
繁殖期
タチヨタカは基本的に一夫一妻で繁殖し、つがいの関係は生涯続くと言われています。
木の枝の分かれ目や先端、切り株などに直接産卵すると言われ、卵を保護するための枯れ葉などの巣材は使用しないそうです。
オスメスともに抱卵しますが、日中は主にオスが抱卵、夜間はオスメス交替で抱卵するとされています。
約1か月ほどで孵化し、雛は半晩成性で孵化直後は全体がクリーム色の幼綿羽で覆われているそうです。
オスメスともに育雛、抱雛し、約2か月ほどで巣立つとされています。
陸鳥の育児期間としてはかなり長いそうです。
タチヨタカの生息地・分布
タチヨタカは、主にメキシコ南部からパラグアイにかけての西インド諸島を含む中南米の、湿気の多い森林や草原に生息していると言われています。
特に、アマゾン盆地で多くみられているそうです。
また、かつてはヨーロッパにも生息しており、フランスやドイツでその化石が発見された事例があるとされています。
タチヨタカの鳴き声
鳴き声の種類・意味
タチヨタカは、鳥の声とは思えないような独特の深くしわがれたような悲しげな声で鳴くと言われています。
また、夜更けに「ゲェゲェゲェゲェ」とカエルのような声で鳴き合う事もあるそうです。
まとめ
☑タチヨタカの名は、木に垂直に立つことが多いことから付けられた
☑タチヨタカ属唯一の種で、7種の仲間がいる
☑全長21~58㎝程、ハシブトカラスと同等か少し小さめ
☑全体が褐色の地味な体色、眼が大きく、口が顔の半分ほど開く
☑主に単独行動で定住性、一夫一妻で繁殖、オスメスともに育雛し期間が長い
☑主に昆虫食、まれに爬虫類や小型の鳥類も食べる
☑中南米の狭い範囲に生息、湿気のある場所を好む
☑夜間の活動時に、独特のしわがれたような声で鳴く
タチヨタカは、他種では見られない独特の外見と生態を持った個性的な鳥類です。
かなり強い夜行性で、日中は全く動かず、真っ暗な中を動き回るのを好むそうです。
動物園などでも飼育されていないので、現在日本で見ることは残念ながらできません。
珍しい生態のためテレビなどで取り上げられる機会が多いですから、それを待つしかないようですね。