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エゾムシクイの生態や特徴・鳴き声について

エゾムシクイはスズメ目ムシクイ科ムシクイ属の鳥です。

エゾムシクイは一見するとスズメに似ていますが、鳴き声に特徴がありスズメとは異なる特徴を持つ鳥です。

そんなエゾムシクイの生態や特徴・鳴き声についてまとめてみました。


エゾムシクイの名前の由来

エゾクイムシ 名前 由来

エゾムシクイの名前の由来について、漢字表記と学名についてまとめています。

漢字表記・学名

「エゾムシクイ」は、漢字表記で「蝦夷虫食」と書きます。

蝦夷(えぞ)というのは日本の昔の地名のことで、関東、北陸以北のことを指します。

古来、大和朝廷が蝦夷に住む人々のことをそう呼んだことがルーツになっています。

また、虫食(むしくい)という名前がつく鳥は約40種います。

例えば、センダイムシクイ、メボソムシクイ、イイジマムシクイ、キマユムシクイなどがいます。

虫食というその名の通り、昆虫を食べるのが特徴です。

学名はPhylloscopus borealoidesといいます。

Phylloscopusはムシクイのことです。

英語名ではSakhalin leaf warblerといいます。

Sakhalinはサハリン、樺太(からふと)のことです。

leafは、葉の意味です。

warblerとは、さえずる鳥という意味です。

エゾムシクイの特徴

エゾムシクイ 特徴

エゾムシクイの特徴を、大きさや見た目の特徴、オスメスの違いなどから解説していきます。

大きさ

エゾムシクイの大きさは12cmで、スズメより小さい鳥です。

見た目の特徴や模様・色

背中は茶色っぽい色で、腹はやや灰褐色をおびた白色です。

頭頂部は暗めの灰褐色をしており、くちばしは上が黒褐色、下がピンク色をしています。

眉班とよばれる、眉のような白いライン状の羽があります。

過眼線という、くちばしから眼をつなぎ、通り過ぎていく線状の羽があり、それは暗い褐色をしています。

足はピンク色をしています。

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オスメスの違い

オスもメスも同じ色をしています。

オスメスの判別は困難です。

エゾムシクイの寿命

エゾムシクイ 寿命

エゾムシクイの寿命はよくわかっていません。

エゾムシクイの生態

エゾムシクイ 生態

エゾムシクイは、つがいでいるか、単独で行動します。

普段は藪(やぶ)の中にいるので見つけづらいエゾムシクイの生態とは、どのようなものなのでしょうか?

昆虫やクモを主食とする

二足飛びで藪の枝から枝へと飛び移ります。

木の葉の裏にいる昆虫やクモを、探し出しては捕食します。

繁殖期に縄張りを作る

繁殖期には、洞窟の壁面などに縄張りを作ります。

巣作り~抱卵~巣立ち

巣は球の形をしていて、6~7月に卵を産みます。

卵の数は1度に4~6個産みます。

メスだけが抱卵し、その日数は14日ほどです。

卵から雛がかえって、15日ほどすると巣立つでしょう。

また、ツツドリという鳥が、センダイムシクイに托卵します。

そのため、センダイムシクイはツツドリの雛にかいがいしく餌を運び、育てます。

ツツドリはセンダイムシクイの卵そっくりな白っぽい卵を産みますが、ウグイスに托卵するときはチョコレート色の卵を産むのだそう。

ちなみに、ツツドリがセンダイムシクイに托卵したことを見破ってしまうこともあるそうです。

エゾムシクイの生息地・分布

エゾムシクイ 生息地

「蝦夷」(エゾ)という名前がついている通り、生息地は日本でいうと北の方です。

本州中部山岳地以北で繁殖し、紀伊半島の山が南限ですが、四国や九州でも繁殖の可能性はあります。

越冬するのはユーラシア大陸の東南部だといわれています。

日本では夏鳥であり、繁殖のために渡来します。

4月下旬~9月下旬に見ることができます。

エゾムシクイの鳴き声

ピッツーチーピッツーチー」と繰り返す声と、「ピッ」という声の両方を聞くことができます。

聞いていて清々しく、朝に聞きたくなるような声です。

澄んだ声は美しく良く通り、声はするのですが、姿は藪(やぶ)の中に隠れてしまって見えないということがあります。

こちらの動画では、その姿を確認することができます。

鳴き声の種類と意味

エゾムシクイの地鳴きは、「ピッ」と鋭い、金属的な声です。

地鳴きは、コミュニケーションや警戒時に発する、普段の声です。

さえずりは「ピッツーチー、ピッツーチー」と高い声で繰り返します。

さえずりは、繁殖期に発する、特別な声です。

普段は藪(やぶ)の中にいますが、藪から低木に出てきてさえずります。

また、聞きなしは「鶴千代君(つるちよぎみー)」「焼酎一杯ぐぃ~!」です。

聞きなしとは、鳴き声を覚えやすいように言葉をあてはめたものです。

ユニークで思わず覚えてしまう聞きなしですが、そうは聞こえないという声もあります。

エゾムシクイには似たような鳥が複数いるのですが、鳴き声を覚えておくと判別できます。

センダイムシクイ、メボソムシクイ、オオムシクイは特にそっくりで、遠目には同じ鳥に見えます。

まとめ

エゾムシクイ まとめ

エゾムシクイは、藪の中に隠れているので普段目にすることはないかもしれません。

日本の北の方で森林浴をしたり、ハイキングをした時に目にすることができるといいですね。

さて、ここで本記事のおさらいです。

□エゾムシクイは「蝦夷虫食」と書き、蝦夷は日本の北方の昔の地名、虫食は昆虫を食べることが由来
□学名はPhylloscopus borealoides。Phylloscopusはムシクイのこと
□エゾムシクイの大きさは12cm
□オスメス同色。背中は茶色っぽい色、腹はやや灰褐色をおびた白色
□頭頂部は暗めの灰褐色、くちばしは上が黒褐色、下がピンク色
□眉のような白いライン状の羽があり、足はピンク色
□昆虫やクモを採食
□繁殖期には縄張りを作る
□巣は球形。6~7月に産卵。卵の数は4~6個。メスだけが抱卵、日数は14日。孵化して15日で巣立つ
□本州中部山岳地以北で繁殖。紀伊半島の山が南限
□夏鳥。4月下旬~9月下旬に見られる
□地鳴きは「ピッ」さえずりは「ピッツーチー、ピッツーチー」
□聞きなしは「鶴千代君(つるちよぎみー)」「焼酎一杯ぐぃ~!」

いかがでしたでしょうか?

エゾムシクイの清々しい鳴き声を聞けるといいですね。

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