サイチョウの種類や鳴き声・生態について
サイチョウはくちばしの上の大きなこぶのような突起が特徴の鳥類です。
主に熱帯雨林に住むため、日本では動物園でしか見ることはできません。
現在では個体数が減り、絶滅の危機に瀕していると言われています。
今回の記事では、そんな珍しい鳥サイチョウの種類や鳴き声、生態について説明したいと思います。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
サイチョウの名前の由来
サイチョウの名前は、クチバシの上にある大きなふくらみを、動物のサイの角に見立てて付けられたと言われ、「ツノサイチョウ」と呼ばれることもあるそうです。
サイチョウの漢字表記・英語名・学名
サイチョウの漢字表記は「犀鳥」、英語名はRhinoceros Hombill、学名はBuceros rhinoceros Linnaeusと表記します。
英語名、学名にあるrhinocerosは動物のサイを意味しているそうです。
サイチョウの特徴
サイチョウはサイチョウ目サイチョウ科サイチョウ属に属する鳥類です。
サイチョウ属に属する唯一の種だとされています。クチバシの上にある大きな突起が特徴です。
サイチョウ科の種をまとめてサイチョウと呼ぶこともあるそうです。
また、かつてサイチョウはブッポウソウ目に含まれていましたが、疎遠であることがわかり分割されたそうです。
サイチョウの大きさ
サイチョウの大きさは、オスが全長110~160㎝程、メスは90㎝程とオスよりもやや小さめですが、鳥類の中では大型だと言われています。
サイチョウの見た目の特徴や色・模様
サイチョウはオスメス同色で、主に全体が黒色の体色、腹部が白色、尾も白色で中央に太い黒帯があります。
くちばしは大きく、黄白色と赤色、下向きに湾曲した大きなクチバシ、上クチバシの基部の上に尖った大きな突起があり、内部の構造は海綿状で軽いと言われています。
雛のうちにはこの大きな突起はないそうです。
同じようにクチバシの大きいオオハシと間違われることが多いそうですが、オオハシにはくちばしの上の突起がないことで見分けることができるそうです。
ちなみに足指にも違いがあり、オオハシは前2本後ろ2本、サイチョウは前3本後ろ1本と言う違いがあるそうです。
サイチョウのオスメスの違い
サイチョウの体色はオスメス同色ですが、体の大きさがオスの方が大き目だと言うことと、虹彩の色がオスは赤色、メスは白色で目の周囲に赤いアイリングと言う違いで見分けることができるそうです。
サイチョウの種類
サイチョウ科には他に13属59種があるとされています。
南アジアに生息するアカハシサイチョウや最大の種であるオオサイチョウ、フィリピンに生息するアカエリサイチョウ、アフリカに生息するナキサイチョウ類、アフリカとインドに生息するコサイチョウ類、地上生活をするジサイチョウ類などがいるそうです。
サイチョウの寿命
サイチョウの寿命は、約30年程と鳥類の中では比較的長寿だと言われています。
サイチョウの生態
サイチョウは単独かつがいで行動し、主に木の上で生活するとされています。
地上に降りることはほとんどなく、樹から樹への移動も枝伝いに行うか、跳躍、または飛行して行うそうです。
また、飛行する際には、非常に大きな羽音を立てると言われています。
これは、翼の上面にある雨覆い羽に隙間があるため、羽ばたくたびに空気が抜けて大きな音がするとされています。
単独かつがいで生活する
サイチョウは主に単独もしくはつがいで行動すると言われています。
ただし、食料が安定して得られる場所に、複数の個体が一時的に群れを形成することもあるそうです。
食性は雑食性
サイチョウの食性は雑食性で、主にイチジク、ランブータン、ライチ、ココヤシ、ビロウなどの木の実や果実を食べますが、昆虫類、トカゲなどの爬虫類、ネズミなどの小型哺乳類、小型鳥類やその卵なども食べるそうです。
繁殖期
サイチョウの繁殖期は1月下旬~5月下旬ころ、高木の樹洞に営巣するとされています。
メスは巣内に閉じこもり産卵し、1巣卵数は1個、抱卵が始まるとクチバシを突き出せるくらいの隙間を除いて、入り口のほとんどを土や木くず、糞などを唾液で固めて塞ぐそうです。
1か月ほどの抱卵期間から雛が半ば成長するまで2~4か月にわたり中に閉じこもると言われています。
その間オスはメスにエサを運ぶそうです。
雛が成長してくると、メスは換羽を済ませ外に出てきますが、その後再び入り口を塞ぎ、外からオスメスともに雛を育てるとされています。
これは、産卵、育雛の際のメスと雛の安全のための習性だと考えられているそうです。
この樹の洞は、危険がない限り毎年同じ場所に営巣すると言われています。
サイチョウの生息地・分布
サイチョウはインドネシア(ジャワ島、スマトラ島、ボルネオ島)、タイ王国南部、ブルネイ、マレーシアに分布し、かつてはシンガポールにも生息していたそうですが、現在は絶滅したと言われています。主に森林、熱帯林の樹上で生活し、地上に降りることはほとんどないと言われています。
サイチョウの鳴き声
鳴き声の種類・意味
サイチョウは「カッカッカカカカカ」などと鳴き、鳴き声は非常に大きく、ラッパのような声だと言われています。
まとめ
☑サイチョウの名は、くちばしの上にある大きな突起をサイの角に見立てて付けられた
☑全長110~160㎝と大型、黒色の体色に黄白色と赤色の大きなクチバシ、クチバシの上の大きな突起が特徴
☑オスメス同色のため、体の大きさと虹彩の色で識別する
☑サイチョウ科は13属59種、サイチョウ属はサイチョウ1種のみ
☑主に単独かつがいで行動、まれに安全な餌場で群れを作ることもある
☑主に樹の上で生活、雑食性で木の実や果実を好むが、動物質の物も食べる
☑繁殖期にメスが入り口をふさいだ巣の中にこもり抱卵、育雛する、オスはメスにエサを運ぶ
☑主に熱帯雨林に生息、鳴き声は非常に大きくラッパのような声で鳴く
サイチョウは日本では生息していない為、あまり馴染みのない鳥です。
大型で羽音も鳴き声も非常に大きいと言われています。
繁殖期には巣に閉じこもって、雛を育てる変わった習性があるそうです。
日本の動物園でも見ることができるそうですので、機会があったら観察してみてはいかがでしょうか?