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マミチャジナイの鳴き声や生態・幼鳥の特徴について

マミチャジナイという面白い響きの名前の野鳥は、日本では渡りの途中に立ち寄る旅鳥として見られる鳥で、暖かい沖縄では少数が越冬をすることもある鳥だと言われています。

この記事では、マミチャジナイの鳴き声や生態・幼鳥の特徴について、まとめています。


マミチャジナイの名前の由来

マミチャジナイ 名前 由来

マミチャジナイは、漢字では『眉茶』と書き、マミチャジナイの外見に由来しています。

「マミ」=「眉」

「チャ」=「茶色(褐色)の体色」

「シナイ(ジナイ)」=は、「せき」と読みますが、「ツグミ」の古語で「しない」と読むそうです。

もとは「マミジロ・チャジナイ(眉が白い・茶色のツグミ)」だったのが、「ジロ(白)」が抜けて、マミチャジナイとなった。

もしくは、「眉に特徴のあるツグミ」ということから名前が付いたと言われています。

 ちなみに、「マミジロ」という名前のスズメ目ヒタキ科トラツグミ属の鳥もいます。

マミチャジナイは、スズメ目ヒタキ科ツグミ属です。(日本鳥類目録改訂第7版より)

>>スズメ目ヒタキ科の鳥「ムギマキ」についてはこちら♪

ムギマキの鳴き声や生態・特徴について

マミチャジナイの標準和名・学名

[標準和名] マミチャジナイ(眉茶)

[学名] obscurus (英名) (Eyebrowed Thrush

マミチャジナイの特徴

マミチャジナイ 特徴

マミチャジナイ眉の特徴、大きさや模様、オスとメスの違いなどについて。

マミチャジナイの大きさ

全長21~22センチほど。

人家付近でもよく見ることの出来るスズメは15センチ、ツバメは17センチほどです。

マミチャジナイの見た目の特徴や色・模様

マミチャジナイは、オス、メスともに白い眉班(眉の様に見える線状の模様)が目の上にあり、目の下、嘴(くちばし)の基部から頬にかけても白い帯状の模様があります。

嘴は上と下の先部分は黒、下は橙色です。

オスとメスでは体の上面や喉の下などに違いがありますが、下面の胸から脇(体側面)は橙色、または赤褐色で、腹部は白色です。

マミチャジナイのオスメスの違い

【オス】 頭部は青みがかった灰褐色、体の上面、翼、尾はオリーブがかった褐色。

【メス】 頭部は灰食味の少ない灰褐色、喉は白っぽく、灰色か黒褐色の縦班があります。

マミチャジナイの特徴である白い眉班は、オスは明瞭ですが、メスの場合、はっきりしていない個体もいたりします

幼鳥の場合も明瞭ではありません。

また、メスはオスよりも全体的に体色が淡いのですが、一番の違いは喉の部分でしょうか。

オスも嘴付近に白色がありますが、メスは喉の下の方まで白い部分が伸びています。

マミチャジナイの寿命

マミチャジナイ 寿命

野鳥の寿命の調査は難しいので詳しくは分かっていませんが、野性下で卵から無事に孵化することができても、そこから1年を生き延びるのは非常に難しいため、小さな野鳥の平均寿命は1~2年と言われています。

ただ、一番厳しい最初の一年を生き延びた鳥は、数は少ないものの10年生きることもあるようです。

また、体の大きな種の鳥は、小さな種よりも寿命が長い傾向にあります。

鳥類標識調査というものを行っている研究所の鳥の長寿記録には、アホウドリが34年4ヶ月、オオタカが18年8ヶ月、ハシブトガラスが19年4ヶ月、ウグイスが9年、スズメが8年1ヶ月、マミチャジナイと同じくらいのサイズのモズが8年1ヶ月、とあります。

マミチャジナイの生態

マミチャジナイ 生態

日本では主に旅鳥として見られる野鳥・マミチャジナイの生態について。

食性は雑食

食性は雑食で、春は昆虫類や節足類などを、秋は木の実や果実などを食べています。

昆虫などを食べる時は、地面をあちこち歩き回って探していたり、嘴で地面をほじくってミミズなどを捕獲している様子が観察されています。

旅鳥

マミチャジナイは季節や環境などに応じて長い距離を移動(旅、渡り)する渡り鳥で、日本では地域によって、春秋に日本を通過する旅鳥、または越冬をする冬鳥と言われます。(主に、北海道では旅鳥、沖縄では冬鳥、北海道と沖縄以外では旅鳥、または冬鳥)

渡り鳥は、別名で候鳥(こうちょう)とも言い、以下に分類することができますが、それらは鳥によって分類されるものではなく、その鳥が見られる地域によって分類されます。

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【旅鳥】

鳥が渡りを行う明確な理由は分かっていませんが、寒帯や冷帯地方の鳥は越冬のために、熱帯地方の鳥は雨期や乾期などは餌が少なくなるため渡りをすると考えられています。

その渡り、旅の途中に一時、羽を休めるために日本に立ち寄る鳥を「旅鳥」と言います。

【冬鳥】

日本よりも寒い土地で繁殖している鳥が秋頃に日本にやってきて冬を過ごし、翌年の春に、またもとの繁殖地に帰っていく渡り鳥です。

【夏鳥】

日本よりも暖かい国の鳥が春にやってきて春夏を日本で過ごし、夏の終わり頃から秋にかけてまたもといた土地に帰っていく渡り鳥です。

【迷鳥】

渡りを行っている途中に仲間とはぐれた1、2羽の渡り鳥が偶然に日本へやってきた鳥のことを言います。

>>旅鳥として日本で見られる鳥「クサシギ」についてはこちら♪

クサシギの鳴き声や生態・特徴について

繁殖期

マミチャジナイの主な繁殖地はロシアの極東北部、アムール川流域、東シベリアなどで、繁殖形態は卵生です。

日本でも地域によっては越冬するマミチャジナイですが繁殖期の詳細な行動などは不明です。

マミチャジナイの生息地・分布

マミチャジナイ 生息地

夏季に中国北東部やロシア極東北部、アムール川流域、東シベリアなどで繁殖し、冬季にインド東北部、東南アジア、チャイナ南部、台湾、日本(主に西日本)などに渡って越冬します。

日本での分布は、北海道、本州、四国、九州、沖縄となっており、越冬するのは主に暖かい西日本とみられています。

平地から山地、森林、林のある公園などに生息しています。

マミチャジナイの鳴き声

こちらでマミチャジナイが鳴いている様子を動画で見ることができます。

こちらの鳥の鳴き声図鑑でも、マミチャジナイの鳴き声(囀り、地鳴き)を聞くことができます。

http://www.bird-research.jp/1_shiryo/nakigoe.html

鳥の鳴き声は大きく分けて「囀り(さえずり)」と「地鳴き(じなき)」になり、マミチャジナイの囀りは、『キョロロ』『チリチリチリィー』。地鳴きは『ツィー』『キョッ』『クワックワッ』などと鳴きます。

囀りは繁殖期などにオスがメスを呼ぶためだったり縄張りを主張するために鳴いていると思われる鳴き声です。

周期的で独特、複雑なメロディーを奏でるように木の上など目立つところで鳴くことが多く、地鳴きは仲間同士の連絡手段のために鳴いているのではないかと考えられており、囀り以外の鳴き声を言います。

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マミチャジナイとアカハラの違い

マミチャジナイ アカハラ

マミチャジナイによく似た野鳥に「アカハラ」がいます。アカハラは全長24センチと、マミチャジナイよりも一回り大きな鳥ですが、パッと見では判断が難しいと言われています。

マミチャジナイとアカハラの大きな違いは、『目の上の鮮明な白い眉班と、目の下にある嘴の基部から頬にかけてある白い模様がある方がマミチャジナイ。』ですが、アカハラにも若干、眉線のある個体がいたり、マミチャジナイにもメスや幼鳥など眉班の薄い個体もいるので眉班だけでの判断は難しいです。

しかし、アカハラには目の周りにアイリングと呼ばれる黄色、金色の輪がありますので、判断は白い眉班とアイリングの有無が確実のようです。いずれにしても肉眼だけでの判断は難しそうです。

>>「アカハラ」の生態や特徴、生息地についてはこちら♪

アカハラの生態や特徴、生息地について

まとめ

マミチャジナイ まとめ

以下、マミチャジナイの鳴き声や生態・幼鳥の特徴についてのポイントです。

☑名前は「眉に特徴のある茶色いツグミ」である外見に由来している。

☑21~22センチほどの、スズメ目ヒタキ科ツグミ属。

☑渡りをする野鳥で、日本では地域によって「旅鳥」「冬鳥」と呼ばれる。

☑白く鮮明な眉班が特徴で主な体色はオリーブがかった褐色で胸と脇は橙色。

☑メスはオスよりも体色が淡く、喉の白色部分がオスよりも多い。

☑よく似た鳥に「アカハラ」がいる。判断は眉班とアイリング。

鮮明な白い眉班がキリリとした印象を与えるマミチャジナイは、日本では旅鳥、または冬鳥と呼ばれますが、日本で越冬する数は少ないと言われているので、観察されることも少ない野鳥のようです。

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