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オオハムってどんな鳥!?生態や特徴・鳴き声について

皆様はオオハムという鳥の名前を知っていますか?

オオハムは、渡り鳥として日本に飛来する鳥ですので、スズメやカラスのように日本に生息しているわけではありません。

そのため名前はご存知でも、実際に姿を見られる機会が少ないので身近に感じられない方も多いのではないでしょうか。

今回は、オオハムの生態や特徴、鳴き声についてご紹介します。


オオハムの名前の由来

オオハム 名前 由来

オオハムの名前の由来は、「水中に潜伏して魚を食べる」という意味の「魚食む(うおはむ)」からつけられていると一般的に言われています。

オオハムはアビ科の鳥類に分類されていますが、この「アビ」という鳥も同じく「食み(はみ)」という言葉からそう名付けられたとされているそうなのです。

オオハムの漢字表記・英語名・学名

オオハムの学名は「Gavia arctica」です。

漢字表記は、名前の由来の「食」という字は使われておらず「大波武」だそうです。

潜水し魚を狙う姿から「大波で遊ぶ武人」という意味があると考えられているようです。

英語名は「Black-throated Diver(黒い喉のダイバー)」とされており、漢字表記も英語名も、水に潜る姿がイメージされていることがわかりますね。

オオハムの特徴

オオハム 特徴

オオハムはダイバーと名付けられるだけあり、泳ぎがとても上手な鳥で、「準絶滅危惧種」に指定されています。

足が後ろの方についているため、歩くことは苦手で、滅多に地上にあがってくることはありません。

昔は瀬戸内海でアビやオオハム、シロエリオオハムが主体となり漁を行っていたという過去があります。

しかし現在は飛来するオオハムの減少に伴い、漁は行われていないようです。

オオハムの大きさ

オオハムの大きさは、同じアビ科の鳥類でいうとアビよりも大きく、ハシグロアビよりも小さい、全長は約72cmの大型の海鳥です。

翼を開いたときは倍近い120cm前後になりますよ。

鳥類の中では、大型の鳥類とされるマガンとほぼ同じ大きさになりますので、その大きさがおわかり頂けると思います。

>>同じく海鳥の「ウミスズメ」の特徴は生態についてはこちら♪

ウミスズメの特徴や生態・鳴き声について

オオハムの見た目の特徴や色・模様

オオハムの見た目の特徴としては、「頭が丸型でなく平ら」であり、「真っ直ぐ尖った黒く長いくちばし」です。

また、「首は太め」で身体は「美しい流線型」、「ルビーのような赤い目」をしています。

オスとメスの違いはありません。

夏のオオハムは、頸の前部が緑かかった光沢のある黒色をしており、首輪と称される細い線が現れることが特徴です。

頭部はツルンと滑らかな光沢のあるグレーで、頸の横部や背の部分は黒と白の綺麗な縞が並びます。

冬のオオハムは、頸の前部からお腹にかけて真っ白に変化し、頭部から背中にかけて黒色に近いグレーの羽毛に覆われます。

脇の後ろ側に白色が入るのが特徴です。

オオハムの寿命

オオハム 寿命

オオハムの寿命としては、残念ながら詳しい記述がありませんでした。

基本的に野生の鳥は調べること自体が大変なため、不明なことが多いそうです。

しかし、同じ科であるアビは最高で28年生きたという記述があるため、オオハムも同じく2030年程生きるのではないでしょうか。

鳥類はメスよりもオスの方が長生きの傾向にあるとされています。

オオハムの生態

オオハム 生態

オオハムは基本的に海の上で生活をしています。

潜ることが得意であるため、警戒している時には身体を深く沈めるそうです。

普段はほとんど陸に上がらないオオハムですが、繁殖期には陸に上がってくる姿が見られます。

歩くことが苦手なため、陸では身体を前につき這うようにして歩きます。

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主に魚類を食べる

オオハムは、主に魚類を食べます。

魚を捕るときは海の中に潜りますが、その潜水時間や距離はまさにダイバー!

深さ60mまで潜った記録もあると言われています。

魚類の他にも昆虫や甲殻類、カエルなどの両生類も食べる動物食とされています。

小刻みな翼動で飛ぶ

オオハムは陸上からは走れないため飛ぶことができませんが、水上に出ると水を蹴り、助走をつけて小刻みな翼動で飛びます。

身体が浮き上がると頭をやや下げ気味に、足を垂らして直線的に飛びますが、驚くはそのスピード!

警戒心の強さや変則的な飛び方もあり、写真に撮るには相当に難しい被写体であるようです。

繁殖期

オオハムの産卵は一度に2つ卵を産むことが通常とされています。

卵を生むと水辺に作った巣にて、オスとメスが協力して28日間卵を暖め孵化させます。

オオハムのヒナは、3ヵ月前後で巣立っていくそうですよ。

オオハムの生息地・分布

オオハム 生息地

オオハムは北太平洋、北大西洋、ユーラシア大陸北部の北極圏に近くの広範囲に生息しています。

冬になると越冬のために南下し、日本では九州の沿岸に飛来することが確認されています。

オオハムの鳴き声


オオハムの鳴き声は「グォーン」「アォーン」など、狼の遠吠えに似た声を出します。

鳥の鳴き声とは思えないような声で鳴くため、平家の滅亡を嘆いている声のようだと評されました。

少し物悲しく幻想的ともとれる鳴き声は、ぜひ一度聞いていただきたいものです。

鳴き声の種類・意味    

調べてみましたが、詳しい鳴き声の意味や種類というのは、残念ながら多く記述がありませんでした。

唯一「キョホホホホ」という鳴き声を出すことがあり、この声は繁殖期の時に出す声だそうですよ。

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オオハムとシロエリオオハムの違い

オオハム シロエリオオハム 違い

オオハムとシロエリオオハムの姿は酷似しており、遠目からでは区別することが難しいようです。

細かい違いでは、「オオハムの方がシロエリオオハムよりも大きい」「水に浮かんだときにオオハムには脇腹後方に白い部分が見られることがある」「オオハムはシロエリオオハムよりも嘴が細く尖り、長い」「夏毛のオオハムの首輪部分は緑色の光沢、シロエリオオハムの首輪部分は紫色の光沢がある」とのことです。

素人目には、近くで見てみても違いがわかりづらいかもしれませんね!

まとめ 

オオハム まとめ

いかがでしたでしょうか。

ここではオオハムの生態や特徴、鳴き声についてご紹介しました。

今回ご紹介したことは

・オオハムの名前の由来は「魚食む(うおはむ)

・オオハムの学名は「Gavia arctica」、漢字表記は「大波武」英語表記は「Black-throated Diver

・泳ぎが上手だが歩くことは苦手で這うように歩く

・全長は約72cmの大型の海鳥である

・オオハムは「頭が丸型でなく平ら」「真っ直ぐ尖った黒く長いくちばし」、夏は白と黒の縞模様、冬は頸の前部からお腹にかけて真っ白に変化することが特徴

・オスメスで変わらぬ見た目

・オオハムの推定寿命は2030年、オスの方が長生きする傾向にある

・魚を捕食することが多い。潜水時間・距離が長く、60m近く潜ることがある

・小刻みな翼動で飛ぶ

・卵はオスメス交代であたため、約28日で孵化する

・北極圏近くの広範囲に住み、冬になると南下する

・鳴き声は狼に似ており「グォーン」や「アォーン」

・オオハムとシロエリオオハムの見た目の差はほとんどなく、素人では見分けが難しい

以上のことがわかりました。

名前は聞いてもなかなか出会うことのできないオオハム!

出会えた際は特徴的な鳴き声を聞くことが出来るといいですね!

>>同じアビ科の「アビ」についての特徴はこちら♪

アビってどんな鳥!?生態や特徴・鳴き声について

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