カイツブリの種類やヒナの特徴・鳴き声について
カイツブリという野鳥がいます。水中を上手に泳ぐことができるカイツブリは、カモと間違われることがありますが全く別の野鳥です。
ではカイツブリとは一体どういった野鳥なのかどうか、今回はカイツブリについて紹介していきます。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
カイツブリの名前
カイツブリという野鳥がいます。
カイツブリはなぜカイツブリという名前の野鳥なのでしょうか?
まずは名前の由来などについてみていきましょう。
漢字表記・英語名・学名
漢字表記では鳰・鸊鷉、英語名はLittle Grebe、学名はTachybaptus ruficollisです。
カイツブリはカイツブリ目カイツブリ科カイツブリ属に分類されている鳥です。
名前の由来・漢字の由来
カイツブリという名前はカイツブリの習性から来ています。
カイツブリは水を掻いて潜ります。
そのことからカイツブリと言われるようになりました。
漢字では鳰と書きます。
鳰は水に入る鳥という意味がある和製漢字です。
カイツブリは習性から名前と漢字表記が着ているんですね。
カイツブリの特徴
カイツブリはどういった特徴を持つ鳥なのでしょうか?カイツブリの特徴を見ていきましょう。
カイツブリの大きさ・体重
大きさは26㎝~29㎝くらいです。
翼を広げた時の大きさは40cm~45㎝となっています。
体重は130g~236gです。だいたいハトくらいの大きさですね。
カイツブリの見た目の特徴や色・模様
見た目の特徴ですがカイツブリはカモと姿かたちがよく似ています。
しかしカモと関係はないようです。
カイツブリはオスとメスとで同じ色をしており全体的に丸っこいです。
水鳥で足を使って泳ぐカイツブリの足指にはひれ状の弁がついています。
カイツブリの夏羽と冬羽の違い
夏と冬で羽の色が異なります。夏羽は首が赤茶色、冬羽は首が黄茶色となっています。
マフラーを巻いているような姿がとてもおしゃれですね。
カイツブリの種類
カイツブリは10種類の種類がいるのですが、日本で見ることができるのは5種類です。
日本で見ることができるカイツブリはまずカイツブリ、
ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリ、アカエリカイツブリ、ミミカイツブリの5種類です。
カイツブリの寿命
カイツブリの寿命は約20年となっています。
小型の鳥としては長生きですよね。
カイツブリの生態
カイツブリはどのような生態を持つ鳥なのでしょうか。
カイツブリの特徴をみていきましょう。
食性は動物食
貝類や甲殻類、魚や昆虫類を捕まえて食べている動物食です。
水に潜って狩りを行ってます。
しかしごくたまに木の実を食べることもあるようです。
そのため100%動物食といったわけではないようです。
縄張り意識が強い
縄張り意識が強い鳥です。
自分の縄張りに入ってきたものを見つけるとオスが「キリッキリッ」と鋭い声を出して威嚇を始めます。
水面を走り突進していくんだとか。
オスが威嚇することがほとんどですが、メスや子供も威嚇を行い縄張り争いに参加することもあるそうです。
カイツブリの縄張り争いは水上で行われるのですが、水しぶきが上がるくらい激しいです。
潜水が上手
水を掻いて潜ることからカイツブリと名付けられたことからも分かるようにカイツブリは潜水が上手です。
2mほど潜って餌を探しています。
1回の潜水で15秒ほど潜水することができ、秒速2mで泳ぐことができるのだそう。
水鳥であるカイツブリは陸を歩くこと、空を飛ぶことはとても苦手です。
「あんなにはやく泳げるのに!?」と思わず思ってしまうくらいのろまのスピードでしか歩くことができません。
単独行動
冬になると群れを作りますが基本的には単独行動を行います。
カイツブリの繁殖期
繁殖期は2月~10月です。
卵は1度に4~6個産み卵はオスとメスとが協力して一緒に卵を温めていきます。
カイツブリは一夫多妻制です。
夫婦で協力して卵を20日ほど温め、ヒナが誕生します。
カイツブリのヒナの特徴
水鳥であるカイツブリは生まれてすぐの段階で一人でも泳ぐことができるようになります。
巣立ちが早いことで知られており生後2ヶ月を過ぎると独立していきます。
結構なスパルタ教育でヒナを追いかけまわして独り立ちさせます。
巣立ちが早いカイツブリは生後1年を過ぎるとパートナーを見つけて産卵をします。
そして夫婦仲良く協力して卵を温めていくのです。
カイツブリのヒナが泳いでいる姿を観察すると、親鳥の背中の上に乗り休んでいる姿を見ることができます。
甘えているように見える姿がとてもかわいらしいです。
カイツブリの巣
カイツブリはどのような巣をどこに作るのでしょうか?
カイツブリの巣について詳しくみていきましょう。
巣の材料
カイツブリの巣は水生植物である葉や茎を使用して作られています。
アシの枯れた葉、クロモ、コウホネ、ヒシといった水草を好んで巣を作ります。
巣の場所
巣を作る場所は水草の上などです。
そのため水に浮いているような巣となります。
巣が流されないようにヒシのような水草でしっかり組み込んでいます。
巣の高さ・大きさ
巣の大きさは直径50cm、水上部は3~5cmとなっています。
しかし水面下はその倍の深さがあります。
深さを深くすることで巣を安定させているんですね。
カイツブリの生息地・分布
留鳥であるカイツブリは日本各地で見ることができます。
留鳥ではありますが冬の寒い地域(北海道や東北)に生息しているカイツブリは暖かい南の方へ移動してくるんだとか。
湖や池でよく姿を確認することができます。
沼や川、湿原にも生息しています。
流れが早い場所には生息しません。
巣が流されてしまう恐れがあるからでしょう。
琵琶湖にカイツブリは生息しており、滋賀県の県鳥に指定されています。
ユーラシア、アフリカ、オセアニアの温帯地域など広範囲に分布しています。
カイツブリの鳴き声
「ピリピリピリピリピリ」といった大きく高い鳴き声で鳴きます。
また「ピッピッ」と短く鳴くこともあります。
鳴き声の種類・意味
高く大きな声で鳴くのはさえずりです。
さえずりは主に繁殖期に聞くことができる鳴き声です。
短くのは地鳴りです。
地鳴りはコミニケーションを取るために鳴くことが多いです。
警戒している時に鳴く鳴き声も地鳴きです。
カイツブリの天敵
カイツブリの天敵はイタチです。
水面に浮かぶような巣の中に卵を産むカイツブリ。
その卵をイタチは狙っているのです。
産卵期にイタチが狙っていることが多いためカイツブリは気が抜けません。
夫婦で卵を温めるのはこのためでしょう。
敵がいつくるか分からないといった状態で一匹で卵を温めるのは大変ですよね。
カイツブリとカモの違い
姿は似ていますが生態はまったく異なります。
どちらも水鳥ですがカモはカイツブリのように水中を泳ぐことはできません。
まとめ
今回はカイツブリについてみていきました。
☑水を掻いて潜るということでカイツブリという名前が付けられた
☑全体的に丸っこく夏と冬で羽の色が異なる
☑10種類いるが日本で見ることができるのは5種類のみ
☑水中で狩りを行い昆虫や魚などを食べる動物食
☑縄張り意識が強く水上バトルが行われている
☑潜水が上手だが歩くのはのろま
☑夫婦で卵を温める
☑巣は水草の上などに作る浮巣である
☑日本のあちこちで見ることができる
☑鳴き声は高くさえずりは大きい声で鳴く
☑天敵のイタチが卵を狙っているので気が抜けない
☑カモと姿は似ているが生態は異なる
このようなことが分かりました。
カイツブリはさまざまな場所で見ることができるので水辺のある場所で探してみて下さい。
人懐こい鳥なので観察しやすいですよ。