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カササギの特徴や鳴き声、生態についての詳しいまとめ。

カササギという鳥をご存知でしょうか?

あまり見かけたことがない方も多いのではないでしょうか?

漢字では「鵲」と書くこの鳥、実は人間の歴史や文化においてしばしば登場してくる鳥なのだそうです。

カササギと人間との関連性を軸にして、どんな鳥なのかをご紹介していきましょう。


カササギの名前の由来

カササギ 名前 由来

カササギとは漢字で『』と書きますが、カササギの名前には国によって様々な意味が込められているようです。

中国には『鵲喜(じゃっき)』(良いことが起こる前兆)という語があり、カササギの鳴き声は吉事の前兆とされているようです。

夫婦和合のシンボルともされ、結婚式ではカササギをモチーフにしたプレゼントを贈るという話もあるのだとか。

朝鮮半島でも『瑞兆(ずいちょう)』(良い事が起こる前兆)とされ、王宮跡などに生息しており、『カチ』と呼ばれ国鳥に近い地位を与えられているそうです。

英語の読み方や発音は!?

カササギは、英語ではmagpie(マグパイ)とよばれるようですが、これには『おしゃべり好き』の意味があるのだとか。

『泥棒かささぎ』というオペラがありますが、これは銀の食器や銀貨を盗むカササギが題材になっているということで、光るものを集める習性を持つ『泥棒』の暗喩として用いられたりするそうです。

カササギはカラス科に属しますが、実際には光るものには警戒して近づかないという説もあるということです。

ちなみに学名はpica picaということで、これもなんだか面白いですよね。

カササギの生態

カササギ 生態

カササギはスズメ目カラス科カササギ属で、あまり長距離を飛ぶことなく決まった場所で年中暮らすようです。

そのため、日本でも見かける地域は局地的ということになるでしょう。

主に佐賀県の平野部に多く生息しているといわれるカササギの生態についてご紹介します。

餌は雑食性でイナゴ等も食べてくれる

カササギの餌は、穀物,果実,昆虫,カエル,魚類など様々で、いわゆる雑食性の鳥であるといえそうです。

害虫であるイナゴを好んで食べることから、農家の人からは益鳥と考えられているのですね。

ただし、農作物を食べてしまう例も朝鮮半島などでは見つかったという話もあるそうです。

群れを作らず少数で暮らす

カササギはカラスの仲間ですが群れたりせず、家族単位で暮らすようです。

また、つがいになると、一生同じ相手と過ごすといわれます。

冬の間に巣を作り、4~6月にかけてが孵化から巣立ちの準備期間となるようです。

巣立ちした若鳥は12月頃までは集団でいることが多いのですが、その後はつがいとなって個別の縄張りを持つようになるということです。

繁殖期

つがいとなったカササギはそれぞれで巣を作って4月初旬頃から産卵が始まるそうです。

ここから6月くらいまでが雛の誕生から成長の時期ということになりますが、孵化する時期により雛の成長にも差が生まれ、長く生きられないものも出てくるのだそうです。

5~8個の卵が生まれ、そのうち巣立ちができるのは1~4羽ともいわれます。

巣作り~子育て~巣立ち

■巣作り
カササギにとっては、冬が巣作りの時期といえそうです。

10月ごろから巣を作る場所を探し、3月中旬ごろまでには完成させるケースが多く、木の枝や竹などかたくて真っ直ぐなものを集めて1メートルほどの大きな巣を作るということですが、時には針金やハンガーなどを巣作りの材料にしているとの報告もあるようです。

巣の形状は、屋根のあるものが多いようで、天敵であるカラスなどからの襲撃を防ぐためと考えられています。

本来は樹高8m以上の高い木に巣を作るのですが、電柱を選んでしまうこともしばしばで、全体の7割程度が電柱に営巣するともいわれます。

電柱に巣があると漏電の恐れもあるため撤去する必要があるのですが、その場合には文化財保護法に基づく許可が必要なのだそうです。

産卵までに撤去すれば法に違反しないということですので、早めの対応が必要になりそうですね。

■産卵・子育て
巣が完成した4月頃に5~8個程度の卵を産み、雌が抱卵して17~18日で孵化するといわれます。

雛は20~25日程度で飛べるようになって巣外で生活するようになるそうです。

■巣立ち
雛たちが完全に巣立ちするのは、自力で飛べるようになってからさらに1ヶ月程度後になるということです。

巣立ちすると巣は放棄され再利用はされないのだとか。

若鳥たちは12月頃まで集団で過ごし、その後つがいとなって分散していくのだそうです。

カササギの寿命

カササギ 寿命

資料によると、カササギの最高寿命は25年とされて、サギやトビなどと同じくらいのようです。

カササギの生息地

カササギ 生息地

カササギは、ユーラシア大陸,アフリカ北部,北米西部など世界の広範囲に分布しているようですが、日本では主に佐賀県や福岡県の有明海を取り囲む平野部を中心に、9県で生息が確認されたということです。

一説によると、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に「カチカチ(勝ち勝ち)」と鳴くことから縁起が良い鳥として持ち帰られたといわれたり、他にも九州の大名が持ち込んだという説などもありますが、いずれも明確な証拠がないようです。

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日本で広く存在している理由

日本においては特に佐賀県に多く存在が認められていますが、他にも北海道,長野県,福岡県,長崎県,熊本県などでも繁殖が確認されているということです。

カササギは、人里を好み、山野には生息しないので、移動範囲が少なく同じ村に住み続けていると考えられているそうです。

ではなぜカササギの分布が北から南まで分布しているのでしょうか?

もともと日本にはカササギは存在せず、大陸から人の手を介して移入した鳥だといわれているのだそうです。

実際に、飛鳥時代に中国大陸からカササギが持ち込まれたという記録があり、17世紀にはカササギを朝鮮半島から佐賀県に移入したという説が一般的とされているようです。

カササギの翼は長距離飛行に向いていないため、大陸から自力で渡ってくるという可能性は高いとはいえませんが、貨物船などに乗って渡ってくることもあるでしょう。

カササギのDNAを調べたところ、九州のカササギのDNAは中国のものに近く、北海道のカササギのDNAはロシアに生息するカササギのDNAと一致したというデータが得られたのも興味深いですね。

これらの経緯については、まだまだ謎の部分が多いのが現状ということでしょう。

なお、九州でも佐賀県を越えて他県へも移動していることの理由としては、佐賀平野周辺で開発が進んで長距離を飛べないカササギにとって障害だった山が減る一方、巣となる電柱が増えたことなどが挙げられているようです。

カササギの特徴

カササギ 特徴

スズメ目カラス科カササギ属の留鳥とされます。

その見た目や鳴き声などから、中国ではめでたい動物とされていて、カササギをモチーフにしたグッズも人気なのだそうです。

どのような特徴を持っているのか、ここでご紹介します。

大きさや重さ

くちばしの先からしっぽの先まで45cm、重さが180gというのが平均的なサイズということです。

カラスと比較すると、カササギのほうがひとまわり小さいようです。

見た目の特徴や色

見た目で一番の特徴は、羽から胸にかけての白と黒のツートンカラーでしょう。

お腹と翼の一部が白く、肩の部分は青みがかった上品な黒色になっており、まるでパンダのような特徴的な姿が愛らしい印象ですね。

黒い部分は光によって光沢が青や緑など様々な色調に見える事がありますし、体の割に尾が長く優雅な飛び姿にも魅せられるでしょう。

カササギの鳴き声

特徴的な鳴き声は、古くから縁起のいいものとしてとらえられてきました。

鳴き声の種類

カササギの鳴き声は独特なのだそうです。

「カチカチカチ」という乾いた音に聞こえるというのが一般的ですが、鳴き声は騒がしく「カシャカシャ」と聞こえてしまう人にとっては耳障りに感じられるかもしれませんね。

鳴き声の意味

佐賀県では、「カチカチカチ」と聞こえる鳴き方から、カササギを「勝ちガラス」と呼んで縁起が良い鳥としているようです。

カササギの天敵

カササギにとっての一番の天敵は、同じ仲間に属するカラスなのだそうです。

巣の卵や雛を狙ったり食べ物を奪っていくため、カササギにとっては厄介な存在といえますね。

また、巣立ちして日の浅い雛鳥にとっては、猫やヘビ,イタチ,フクロウなどに襲われることがあるようです。

カササギの能力がすごい!

カササギ 能力

カササギは脳の割合が大きく、非常に賢い鳥の一つとされているそうです。

鏡に映った自分を自分自身と認識できる能力を試す、いわゆるミラーテストをクリアできるほどの高い知能を持っていることが確認されています。

そういう面では同じ仲間であるカラスと同様、人間の様子を観察してそれぞれを識別するという能力も備わっているとされており、自分に危害を加えそうな雰囲気や見た目を察知して警戒したりするという情報もあります。

カササギは佐賀県で天然記念物になっている

カササギ 天然記念物

カササギは、大正時代に生息地を定めた国の天然記念物に指定され、さらに昭和40年には
県民からの一般公募により県鳥にも定められるということで、地域性豊かな鳥であることがわかりますね。

400年前の朝鮮出兵の際に朝鮮半島から初めて日本に持ち込まれたという説もあり、全国一の生息地であることなど、カササギにとっても最もなじみのある地域だといえそうです。

また、江戸時代には、佐賀県でも希少動物であったカササギを繁殖させるため、狩猟を禁止するなどして大切に保護をしてきたという歴史もあり、その思いが現在に受け継がれているのですね。

佐賀県では県をあげてカササギの保護活動を行っており、毎年30~40羽の雛を保護して巣立ちまで育てたり、カササギと人間が共存できる環境づくりに取り組むといった活動が知られているようです。

カササギは七夕の鳥!?

カササギ 七夕

1年に1度、7月7日の七夕の夜に織姫と彦星が会えるという物語がありますが、これにカササギが登場しているのをご存知でしょうか?

七夕の夜、雨が降って彦星に会うことができず悲しんでいる織姫のもとにどこからともなく鳥が現れて、翼を広げて2人に会わせてあげたという話なのですが、この鳥こそがカササギなのだということです。

内容には諸説あるようですが、中国ではカササギが七夕の夜に2人の架け橋をつくる鳥として人気があるそうで、この伝説がきっかけで日本でもカササギという鳥が知られるようになったという話もあるようです。

まとめ

カササギ まとめ

カササギという鳥は、日本各地で生息は確認されていますが、佐賀県を中心にした九州北部や北海道など局地的にしか存在しない鳥だということがわかりました。

それでは、今回のポイントをまとめてみましょう。

 

●カササギは雑食性で家族単位で暮らす鳥である。

●黒と白おツートンカラーでカラスよりもやや小さめ。

●佐賀県では天然記念物として、保護活動も活発に行われている。

●日本には大陸から移入されたという説が強く、中国や朝鮮では非常に縁起のいい存在である。

●見た目も黒白のツートンカラーがかわいらしく、日本でも『カチカチ』という鳴き声を『勝つ』のイメージとしてとらえられている。

●家族単位で生活し、一生同じつがいの相手と過ごすという一面もある。

●七夕伝説の織姫と彦星の橋渡しの役割をする話や、百人一首に登場するなど、人間との関係性が深い。

どこでも簡単に見かけることができないというのがますます神秘的で魅力を感じる要因なのかもしれません。

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