「コウノトリ」の生態や特徴、日本で絶滅した理由とは?
コウノトリという鳥を見たことはありますか?
「コウノトリ」と聞くと、ドラマを思い浮かぶ人も居るかもしれませんが、ドラマは「コウノトリ」ではなく「コウノドリ」となっています。
どうして「コウノトリ」ではなく「コウノドリ」なんだろうという疑問を持っている人もいますが、ただたんに濁点を入れたかっただけのようです。違和感があるだけで、「どうしてコウノトリじゃないんだろう」、「どんな内容なんだろう」と見た人に強く記憶を残すためだそうです
話がずれてしまいましたが、コウノトリは鳥綱コウノトリ目コウノトリ科コウノトリ属に分類されます。
日本でも見ることができるのでしょうか?
コウノトリの生態や特徴などについてご紹介します!
この記事でどんなことが知りたいですか!?
コウノトリの名前の由来
「コウノトリが赤ちゃんを運んでくる」という話があり、これはドイツの話が元になったと言われ、世界的にも浸透しています。
幸せを運んでくる鳥という意味があります。
漢字表記・英語・学名・韓国語
・漢字表記:鸛
・英語: Oriental white stork[3
・学名: Ciconia boyciana Swinhoe, 1873
・韓国語: 황새 (ファンセ)
>>コウノトリから名前がつけられた「ハシビロコウ」の生態や鳴き声、生息地についてはこちら♪
コウノトリの特徴
幸せを運んでくれるというコウノトリは、どのような特徴を持っているのでしょうか?!
大きさや模様、色などについてご紹介します!
コウノトリ大きさ
全長約110~115cm、翼の長さは約58~67cm、翼を広げた大きさは約195cm、重さは約5kgと言われています。
コウノトリ見た目の特徴や模様、色
顔から胴体にかけて白く、お尻と羽の先は黒く飛んでいる時は白黒はっきりと目立ちとてもキレイな姿に見えます。
眼の周りは赤く、くちばしは黒色で長く太めです。
足は細長く暗赤色をしています。
外見は鶴と似ているようですが、全く別の鳥です。
コウノトリのオスメスの違い
メスに比べてオスのほうがやや大きいですが、個体差があるので見た目では判断できないようです。
飼育下では、秋から冬にかけて親から子供を離し血液のDNA検査を行っているようです。
コウノトリの寿命
コウノトリの数が少ないことや野生の個体が絶滅してしまったことからはっきりとした寿命は分かっていませんが、飼育されているコウノトリは34年生きたという記録もあるようです。
飼育下であれば、30年以上いきられる可能性があるようです、
コウノトリの生態
コウノトリは好き嫌いが激しいため、少しでも性格が合わなかったりすると繁殖行動を起こさず、攻撃を与えてしまうこともあるようです。
そのため、夫婦になるコウノトリは少なく、一旦夫婦になれば一生一緒にいると言われています。
食性は肉食性
魚類、両生類、爬虫類、鳥類や鳥類の卵、小型哺乳類、昆虫類、甲殻類、貝類、亡くなった動物などを食べています。
警戒心が強い
中には、人懐っこいコウノトリも居るようですが、ほとんどが人間は勿論、同じ種類のコウノトリに対しても警戒するそうです。
留鳥であり旅鳥である
コウノトリは、留鳥でもあり旅鳥でもあります。
留鳥と旅鳥は何が違うの?と思う人も居るかもしれませんが、1年中同じ地域に生息し繁殖を行う鳥が留鳥、移動する際に日本を通過したり、休憩などのために訪れたりする鳥の事を旅鳥と言います。
春秋には場所を移動する際に日本に来ることもありますが、季節によって移動する鳥ではありません。
遠くへ移動する時は、ずっと羽ばたいているのではなく上昇気流にのって飛ぶこともあるようです。
>>留鳥、旅鳥として日本で見られる「セイタカシギ」の特徴や鳴き声についてはこちら♪
巣作り、子育て共に夫婦でやる
コウノトリは、オスとメスが一緒に巣を造り子育てを行うので仲の良い夫婦ですね!
巣は、大木の樹木や建築物鉄塔などの高い所に枝などを集めて作ります。
1度に3~5個の卵を産み、1か月ほどで孵化し、オスとメスの親鳥が一緒に子育てを行い60日前後で巣立っていきます。
コウノトリの繁殖期
日本で繁殖を行う場合は、3月下旬~4月上旬と言われています。
巣作り
2月頃からマツやシラカバなどの高い場所を見つけて、枝や枯れ木、羽毛などを集めて巣を造り始めます。
産卵~子育て
コウノトリは、1度に2~5個の卵を産みます。
親コウノトリのオスとメスが交互に卵を温め続けて、4月下旬~5月下旬に孵化します。
卵やヒナはカラスなどの天敵に襲われやすいそうです。
巣立ち
巣の中で2か月ほど育ち、6月下旬~7月下旬にかけて巣だって行きます。
コウノトリの生息地や分布
コウノトリは、日本各地に留鳥として住んでいると言われており、水田や水路でエサを採るコウノトリは昔は、苗をふみ荒らす害鳥と呼ばれることもあったそうです。
日本では、里山に囲まれた水田や河川のある里山に生息し、全土の河川、池沼、湿原などに生息しています。
大韓民国、中華人民共和国、中華民国、朝鮮民主主義共和国、日本、ロシア南東部に分布されます。
日本の生息数は!?絶滅したって本当!?
狩猟解禁、すみかとなる樹木の伐採、餌を捕っていた水田や水場の工事、戦後に増えた農薬の汚染などによってコウノトリの生活が破壊されどんどん数が減っていったそうです。
各地の施設でコウノトリを保護しようと心みましたが、農薬汚染などによって繁殖力が低下した個体が多いようです。
コウノトリの繁殖は、20年以上も挫折してきましたが、海外からの個体の導入も行われて繁殖を行っているようです。
1980年代末には、人工繁殖に成功し現在日本にいるコウノトリ、飼育されているものを含めれば200羽いるそうです。
一度は絶滅に陥ってしまいましたが、もう一度野生へ戻そうという試みがあるそうです。
2005年には、人工飼育されたコウノトリが放鳥され、2007年にヒナが巣立ちを迎えたという記録もあるそうです。
日本とヨーロッパのコウノトリの種類の違い
ヨーロッパにいるコウノトリは、ニホンコウノトリの近縁種である「シュバシコウ」という別の鳥で、日本にいるコウノトリは、コウノトリ目コウノトリ科ニホンコウノトリ属に分類される鳥類の一種です。
コウノトリの鳴き声
成鳥は鳴かないで「クラッタリング」をする
コウノトリは、発声器官が発達していないので鳴くことができないそうです。
ヒナの時は、一時的に鳴くことはあるようです。
クラッタリングをする意味
鳴くことのできないコウノトリは、コミュニケーションをとるためにくちばしを上下に「カタカタ…」と音を出します。
威嚇の時もクラッタリングを行い、愛情表現などの時もこのクラッタリングを行うことによって、コミュニケーションを同じ役割を果たしています。
コウノトリが赤ちゃんを運ぶと言われる理由
コウノトリが赤ちゃんを運んでくるという話は日本発祥ではなく、古くから伝わるドイツ、ヨーロッパの逸話が元になっているそうです。
昔、子供に恵まれない夫婦が暮らしており、ある日その夫婦が住む家の煙突に「シュバシコウ」という鳥が巣を造り、卵を産み、子育てを終えたシュバシコウを見送った直後に夫婦に子供が授かったというお話があります。
この話が日本に伝わる際に、「シュバシコウ」が「コウノトリ」に置き換わったそうです。
「コウノトリ」と「シュバシコウ」は、見た目のそっくりのコウノトリ目コウノトリ科の鳥で、日本にこの話を伝える際に分かりやすいよう馴染のあるコウノトリに置き換えたのではないかと言われています。
まとめ
今回は、絶滅危機にあったコウノトリについてご紹介しました!「コウノトリが赤ちゃんを運んでくる」という話は聞いたことある人もいるようですが、コウノトリを実際に見た人は少ないようです。
では、もう一度今回の記事についてご紹介します!
☑ブラックスワンとも呼ばれている
☑全長約110~115cmと大きい
☑見た目ではオスとメスの区別がつかない
☑野生のコウノトリの寿命は分かっていませんが、飼育下にいるコウノトリは30年以上生きたという記録がある
☑警戒心が強いため人間は勿論、同じ種類のコウノトリにも攻撃することがある
☑巣を造り、子育てから巣立つまで夫婦で行う
☑一度は絶滅危機にありましたが人工繁殖によって、数が増えてきている
☑コウノトリは発声器官が発達していないため鳴くことはない
☑シュバシコウがコウノトリと変わり「コウノトリが赤ちゃんを運んでくる」と言われるようになった
日本にも生息していますが、住む場所がなくなったことから絶滅危機に追い込まれました。
海外から個体を導入し人工繁殖が成功したことによって数が増えてきているようです。
もっと数が増えて日本でも沢山みられるようになればいいですね!