クイナの鳴き声や特徴、生態について
クイナとは野鳥の一種で、湿地帯を好んで住処にする、とても警戒心が強い野鳥だと言われています。
また夜行性だとも言われており、人の目に触れることがとても少ないようです。
その為、クイナの生態は未だ良くわかっていない事が多く、クイナの仲間であるヤンバルクイナも、その夜行性や警戒心の高さから見つけることが非常に難しく、1980年代にようやく見つけられ、新種として発表されたようです。
そんな、ひっそりと生息している、滅多に見かけることが出来ないクイナという鳥について調べてみました。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
クイナの名前の由来
クイナという名前の由来は、鳴き声が「クヒクヒ」と聞こえることから、クヒクヒと鳴く鳥で、クヒナ、そこから訛ってクイナになったとする説や、虫やカエルなどの小動物を食べることから、食(クヒ)に由来してクイナになったとする説などがあるようです。
日本の古典文学に出てくる「くひな」という鳥がいるようですが、これは「ヒクイナ」と呼ばれる鳥を指しているとされ、クイナとは別の鳥のようです。
クイナの漢字表記・英語名・学名
漢字では「水鶏」や「秧鶏」などと表記されるようです。
水辺の周りや、水田、湿原などの湿地帯を好んで生息している様子から、その名前が付いたと言われています。
英語名は「Water Rail」で同じく水辺や湿地帯に生息している様から名づけられたようです。
学名は「Rallus aquaticus」のようです。
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クイナの特徴
クイナはずんぐりとした体形と、長い嘴、太い足が特徴的な鳥だと言われています。
大きさ
クイナは全長30センチ前後で、他の野鳥に比べて少し大きめの鳥だと言えるでしょう。
翼を広げると最大で40センチ前後になるようです。
体重は200グラム程度とされています。
日本の都市部で見かけるハシブトガラスとほぼ同じサイズだと言えるでしょう。
見た目の特徴や模様、色
オスとメスで同じ色だとされ、背中側が茶色で黒い斑紋が入っているようです。
顔から胸にかけては灰色、腹の部分は白黒の縞模様になっているようです。
嘴は長く赤っぽい色をして、足は赤褐色のようです。
繁殖期になると嘴は赤くなるようです。
全体的にずんぐりとした体形で、足も太く、長い嘴が特徴だと言われています。
その体系からか飛行能力にはあまり優れておらず、危険を察知すると飛び立って逃げることよりも、身を低くして草むらなどの茂みに走って身を隠すことが多いと言われています。
クイナの寿命
クイナの寿命は殆ど分かっていないとされています。
沖縄で飼育下にて15年以上生存した記録が残っているとされています。
野生の環境ではほかの野鳥と同じく1~2年と言われていますが、もっと長生きするという説もあるようです。
クイナの生態
クイナは鳥の中ではとても珍しいと言われる夜行性で、とても警戒心が強いとされています。
その為、人前には中々姿を現さないため、生態についても、未だ謎めいた部分が多いとされています。
食性は雑食
湿地帯に住む昆虫、カエルやネズミなどの小動物、エビなどの甲殻類を好んで食べると言われています。
その他、植物の新芽や、やわらかい根っこなども餌とすることがあるようです。
飛んでいる虫や高い場所にある新芽、木の実などを狙うことは無く、地上にいる虫や、落ちている木の実、根っこなどを好んで食べることから、飛行が得意ではないと言えるでしょう。
警戒心が強い鳥
警戒心がとても強く、陽の当たる場所には出てこないとされています。
湿地帯を好み、葦原などに隠れる為、近年、望遠設備の整ったカメラなどで、ようやくその姿をとらえることが増えてきたと言われています。
そうした生態から、研究がほとんど進んでおらず、もしかしたら、未だ発見されていない新種もいるのではないか、と言われているほどです。
危険を察知すると、飛んで逃げるのではなく、走って草むらに逃げ込むようです。
自身の巣が近くにあったとしても飛んで逃げることは稀のようです。
そうした生態から、人間の目に触れることは殆ど無く、見つけたとしても、鳥だと認識されることは少なくイタチやネコなどと間違えられることが多いようです。
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ほとんどが夜行性
クイナの仲間は、ほとんどが夜行性だと言われています。
二十世紀動物学会の大発見といわれた、沖縄で見つかった新種「ヤンバルクイナ」も警戒心の強さと、夜行性という生態から、長年見つからなかったと考えられます。
沖縄では湿地帯に長い葦が生えており、身を隠すにはとても適していると言えます。
また、沖縄の湿地帯はハブなどの毒蛇の生息地でもあり、人間が近づきにくい場所であるとされており、現在でも調査は思うように進んでいないようです。
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繁殖期
繁殖期は5月から9月の間と言われています。
巣は地上の草むらなどに作り、1度の産卵で4~5個の卵を産むとされています。
クイナの生息地・分布
クイナはユーラシア大陸の広い範囲で生息し、越冬のために中東やアフリカ大陸の北部にわたることもあるようです。
日本では北海道や東北地方で繁殖し、越冬のために九州まで南下することがあるとされています。
昨今では、世界的に平野部での湿地帯の減少が相次ぎ、それに伴って湿地の生き物の減少などがあり、クイナの生息域は、減少傾向にあると言われています。
クイナの鳴き声
ちょっと物悲しげではありますが、明瞭な鳴き声です。
鳴き声の種類と意味
繁殖期など主にオスがメスを口説くためのさえずりは「ギュッギュッ」や「ギューギュー」と短く鳴くことが多いようです。
ほかの仲間や警戒するときの地鳴きは、さえずりよりも高い声で「ギュー、ギュー」と鳴くようです。
夜行性であり、夜に聞こえる地鳴きは、現地の人から少し不気味に思われていたこともあるようです。
まとめ
中々目にすることができないクイナという野鳥について調べてみました。
今回の記事をまとめると、
☑クイナという名前の由来は、鳴き声が「クヒクヒ」と聞こえるから
☑大きさは30センチ前後でカラスと同じくらいのサイズ
☑オスとメスで見た目は変わらない、ずんぐりとした体形
☑体形のせいか、飛ぶことより、走ることのほうが多い
☑雑食性で小動物や木の実、根っこなどを食べる
☑ほとんどが夜行性
☑とても警戒心が強い
ということがわかりました。
元々警戒心が強く、夜行性でもあるため、あまり見かけなかったクイナですが、住処となる平地の湿原地帯が少なくなっていることから、個体数も減っており、ますます見かけることが難しいと言われています。
もし、どこかでクイナを見かけたり、その鳴き声を耳にすることが出来たら、とても幸運だと言えるでしょう。
川沿いの草むらなどに足を運んだ際には、耳をすましてクイナの鳴き声を探してみてください。