ユリカモメの鳴き声や生態、夏羽冬羽について
皆さんはユリカモメという鳥をご存じでしょうか?
カモメだから海に飛んでる鳥でしょ?
くらいで、他のカモメとの区別がつかない方も多いのではないかと思います。
ここではユリカモメの鳴き声や生態、夏羽冬羽についてご紹介します。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
ユリカモメの名前の由来
ユリカモメの名前の由来としては、「入り江のカモメ」、「イリエカモメ」が転じて「ユリカモメ」となった、という説が有力なようです。
また、京の後ろの谷間を飛んできて、平安京の加茂川にやってくる、ということから、「後」を意味する古語「ユリ」を使ったという説もあるようです。
ユリカモメの別名
ユリカモメには「都鳥(みやこどり)」という別名があるそうです。
伊勢物語の「名にしおはば いざこととはむ 都鳥 わが思ふ人は ありやなしと」という句に出てくる「都鳥」は、ユリカモメを指すと推測されているそうです。
漢字表記・英語名・学名
ユリカモメの漢字表記は「百合鴎」となります。
「百合」は当て字のようですが、水面に浮かんでいる姿が白い百合のようにきれいなことからきているかもしれませんね。
英語名は「Black-headed gull」と言います。
「頭の黒いカモメ」という意味ですが、これはユリカモメの冬羽が、まるで黒い頭巾をかぶっているような感じになることから付けられているようです。
学名は「Larus ridibundus」となります。
「笑っているカモメ」という意味があるそうです。
>>カモメ科の「ユリカモメ」の鳴き声や特徴についてはこちら♪
ユリカモメの特徴
ユリカモメはカモメの中では小さい鳥で、赤いくちばしと足が特徴的です。
足には水かきが付いています。
カモメの種類は多いようですが、日本で見られる小柄なカモメは、だいたいユリカモメになるそうです。
ユリカモメの大きさ
ユリカモメの全長は40cmほどで、小型のカモメになります。
翼を広げた大きさは、93cmほどになります。
体重は250~400gほどになるようです。
ユリカモメの見た目の特徴や模様・色
ユリカモメは赤いくちばしと足が特徴的なカモメです。
くちばしは細長く、足も細いのが特徴です。
夏羽は頭の部分が真っ黒になります。
ユリカモメが飛んでいる姿を見ると真っ白に見えますが、背中部分は灰色をしています。
ユリカモメのオスメスの違い
ユリカモメはオスメス同じ色をしているようです。
大きさ的にはメスの方が少し小さいようです。
ヨーロッパでは全頭長と下嘴下角における嘴高の2つの計測値を利用した雌雄の判別関数が確立されているそうですが、日本の個体では的中率が低くなってしまうそうです。
どちらにせよ、見た目でオスメスを見分けるのは難しいようです。
ユリカモメの夏羽と冬羽の違い
ユリカモメは夏羽と冬羽で印象がかなり変わります。
日本にいるときは夏羽になり、全身白っぽく、耳の横に黒い斑模様があります。
冬羽は日本ではあまり見ることはないのですが、頭が真っ黒になり、まるで黒い頭巾をかぶっているような感じになります。
ユリカモメの寿命
カモメ類は長寿と言われているようで、ユリカモメも小型のカモメですが寿命は長く、20年以上あると言われているようです。
ユリカモメよりも少し大きいカラスが、10年前後と言われているようなので、それを考えるととても長寿な鳥ですね。
ユリカモメの生態
ユリカモメは越冬のために日本へと渡来する冬鳥です。
繁殖期である夏はほとんどが北に移動してしまうので、日本で夏羽を見ることは少ないようです。
日本では海岸や内陸の湖沼や河川に比較的大きな群れを作って生活をします。
昼間は餌場に行き、夜になると昼間とは違う海上や多くな湖などで過ごしているようです。
早い成鳥スピード
一般的に大型のカモメは成鳥となるまでに5年ほどかかると言われているようです。
ですが、ユリカモメは小型のカモメですが、春に生まれた年の秋には巣立ち、次の春には成鳥として繁殖可能な状態にまで成長するそうです。
大規模な群で生活する
ユリカモメは比較的大規模な群で生活をします。海上やブイ、手すりなどに大群となってとまっているのを目にすることも多いかと思います。
このとき、不思議なことにとまっているユリカモメがだいたい同じ方向を向いていることが多いようです。
これは、風の向きによるものだそうで、風上に頭を向けてとまるようです。
頭を風下に向けると、羽毛がめくれて風の抵抗を受けやすくなり、バランスが取りにくくなってしまうそうです。
食性は雑食
ユリカモメの食性は雑食になります。
基本的には魚や甲殻類を食べますが、環境によっては昆虫や植物の種子なども食べるようです。
水中に潜って魚を捕えることもあるようです。
なんでも食べる食性がカラスに似ているため、海のカラスと呼ばれることもあるようです。
ユリカモメの生息地・分布
ユリカモメはユーラシア大陸北部やイギリス、アイスランドなどで繁殖を行い、冬は南下してヨーロッパ、アフリカ、インド、東南アジアへ渡りを行い、越冬します。
日本では冬鳥として北海道から南西諸島まで広く渡来します。
海岸や内陸の水域などに生息し、大きな河川では河口から10km以上もさかのぼり、カモメ類では最も内陸まで入るカモメです。
ユリカモメの鳴き声
ユリカモメの鳴き声は「ギィー」や「ギューイ」と聞こえる高く濁った声で鳴きます。
これは地鳴きになるようで、仲間とのコミュニケーションを取る時などに使う鳴き声になります。
あまりきれいな声とは言えませんが、幼鳥の時期は「ミィー」とかわいらしい声で鳴くようです。
ちなみに幼鳥は冬羽に似ていて、上部に淡褐色斑があり、尾には先端近くに黒帯があるようです。
餌に集団で集まるユリカモメ
ユリカモメは餌を与えてしまうと、数キロ先からでも大群で飛んできて餌を食べ始めることもあるようです。
人がカモメに食べ物を奪われるという被害も少なくないようなので、群れを作っているカモメには極力餌などを与えないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ここではユリカモメの鳴き声や生態、夏羽冬羽についてご紹介しました。
ここでご紹介したことは、
☑ユリカモメの名前の由来は「入り江カモメ」
☑英語名は「Black-headed gull」
☑ユリカモメはカモメの中では小さい鳥で、赤いくちばしと足が特徴的
☑ユリカモメの全長は40cmほどで、翼を広げた大きさは、93cmほど
☑ユリカモメはオスメス同じ色
☑夏羽は全身白っぽく、耳の横に黒い斑模様が、冬羽は頭が真っ黒に
☑ユリカモメの寿命は20年
☑ユリカモメは冬鳥で、大規模な群で生活する
☑食性は雑食で、海のカラスと呼ばれることも
☑北海道から南西諸島まで広く渡来する
☑ユリカモメの鳴き声は「ギィー」や「ギューイ」、幼鳥は「ミィー」
☑餌に集団で集まるので餌付けは行わない方がいい
です。冬になると海などで見かけることの多くなるユリカモメ。
広い範囲で見ることができるので、機会があったら観察してみてくださいね。
>>カモメ科の鳥「アジサシ」の種類や鳴き声、幼鳥の特徴についてはこちら♪