キアシシギの鳴き声や生態・幼鳥の特徴について
キアシシギは、春と秋に日本にやってくるシギの仲間の渡り鳥です。
渡りの季節になると、最も普通に観察することができるシギだと言われています。その名の通り黄色い脚をしていて、他のシギ類とは違い背に模様がないので、簡単に見分けることができるそうです。
今回の記事では、そんなキアシシギの鳴き声や生態、幼鳥の特徴について説明したいと思います。
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キアシシギの名前の由来
キアシシギの名前は、脚が黄色いことから名付けられたと言われています。
キアシシギの漢字表記・英語名・学名
キアシシギの漢字表記は「黄足鴫」または「黄脚鴫」、英語名はGrey-tailed Tattler、学名はTringa brevipesと表記します。
キアシシギの特徴
キアシシギはチドリ目シギ科キアシシギ属に属すシギの仲間の渡り鳥です。
体の割に短くて黄色い脚が特徴的だと言われています。
近縁種として、メリケンキアシシギ、オオキアシシギ、コキアシシギがいるそうです。
特にメリケンキアシシギは、キアシシギとよく似た外見をしているとされています。
キアシシギの大きさ
キアシシギの大きさは全長23~27㎝程、翼開帳時は55~65㎝程、ムクドリくらいの大きさだと言われています。
>>同じくらいの大きさの「ムクドリ」の生態についてはこちら♪
キアシシギの見た目の特徴や色・模様
キアシシギはオスメス同色で、体の上面は灰褐色で顔に白色の眉斑、眼先に黒帯、胸と脇面に黒褐色の波形の横縞、脚は黄色、跗蹠後面にはしご状のうろこ模様、黒くてまっすぐなクチバシ、クチバシの基部は黄色または黄灰色、飛翔時には翼、背、腰、尾に模様は出ず灰色、翼下面も灰黒色をしているそうです。
シギ類の中でも体の大きさの割に脚が短めだと言われています。翼が長く、飛翔スピードも速いので、群れを成して飛ぶ姿はとても華麗だとされています。
キアシシギの幼鳥の特徴
キアシシギの幼鳥は、成鳥の冬羽によく似ていますが、肩羽や翼の各羽の羽縁が白く、細い黒のサブターミナルバンドがあるのが特徴だそうです。
キアシシギの夏羽と冬羽の違い
キアシシギの成鳥の冬羽は、頭部から上面は夏羽とあまり変わりませんが、下面の横縞がなくなり、胸は灰色になるとされています。
キアシシギの寿命
野生のキアシシギの平均寿命は詳しくはわかっていませんが、15年以上生きた個体もあるようです。
また、野生の鳥で一年生き延びた個体は、経験や学習を積んで10年以上生きることが多いと言われています。
キアシシギ生態
キアシシギは、通常非繁殖期は群れで行動することが多いと言われています。
また、繁殖期の行動についてはわからないことが多いようです。
非繁殖期は群れで行動する事が多い
キアシシギは非繁殖期は群れで行動することが多く、大きい群れは100羽を超すこともあると言われています。
また、他のシギ類と混群を作ることもあるそうです。
採食時以外は高い所で休んでいることが多く、テトラポットの上、杭の上、防波堤の上などでよく見かけられているようです。
カニや昆虫類を食べる
キアシシギは、岸辺や浅く水につかる泥地や砂礫地で水の中に入って歩き、表面や水中から甲虫や双翅類などの昆虫やカニなどの甲殻類、貝類、ゴカイなどを長いくちばしで探って捕食することが多い動物食性と言われています。
まれに水際から離れてところで採食することもあるようです。じっと立ち止まって餌を探すのではなく、常に活発に動き回ってアクティブに採餌するそうです。
フライトディスプレイを行う
キアシシギは繁殖期に、アオアシシギとよく似た空中でさえずるフライトディスプレイを行うと言われています。
渡りを行う
キアシシギはユーラシア大陸の高緯度地方の東半分のごく限られた地域、アナディール地方、バイカル湖の北方、カムチャッカ半島の山地などに点在して繁殖分布し、オーストラリア、インドネシア、フィリピン、マレー諸島、スラウェシ島、ニューギニア島などに渡って越冬すると言われています。
日本では旅鳥として北海道から沖縄まで全国各地に渡来し、春は4月~5月、秋は他のシギ類やチドリ類よりも早く7月~10月頃まで普通に観察することができるそうです。
また、九州や南西諸島では少数の個体が越冬するとされています。
繁殖地では、石の多い森林ツンドラや山地の河原、樹木も疎らな草原などに生息し、越冬地や渡り期には海岸の砂浜、波打ち際や干潟、サンゴ礁、マングローブ林の水際、河川の砂泥地や砂礫地に現れることが多いと言われています。
春の渡り期には、内陸の河原で見られることもあるそうです。また、水田や水のある休耕田などにもよく現れるそうです。
繁殖期
20世紀の初めまで、キアシシギの巣は未発見だったそうで、キアシシギの繁殖期や繁殖については、詳しいことはわかっていないそうですが、7月頃に巣が見られ、8月頃に雛が見られた事例があるそうです。
巣は地上の川辺の石の間で見られ、1巣卵数は4個、育雛はオスメスともに行う事例、メスのみの事例、オスのみの事例があると言われています。また、木の上の他種のツグミの古巣を使用した事例もあるそうです。
キアシシギの鳴き声
鳴き声の種類・意味
キアシシギはとてもよく鳴く鳥だと言われています。
地上では「ピューイピューイ」、飛翔時には「ピュイーピュイー」と濁りのないよく通る声で鳴くそうです。
また、単体でいる時よりも群れでいる時の方が良く鳴くと言われています。渡り時には、夜間に飛びながら鳴くとされています。
まとめ
☑黄色い脚をしていることからキアシシギと名付けられた
☑全長25㎝程、脚の黄色と他のシギに比べて短い脚が特徴
☑日本では春と秋に見られる渡り鳥、繁殖期以外は群れで行動する
☑キアシシギの繁殖について詳しいことは不明
☑よく通る「ピューイピューイ」と言う鳴き声が印象的
日本ではよく観察することのできるキアシシギは、シギ類の中でも特徴のないのが特徴と言われているようです。
ただ、キアシシギは聞き取りやすい綺麗な声で鳴くそうですから、一度聞いてみたいですよね。
また、キアシシギだけでなくシギ類は年々個体数が減ってきているそうで、日本に渡来する数も減っていると言われています。