日本の天然記念物アホウドリの寿命や大きさ・名前の由来について
アホウドリは国の特別天然記念物であり絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。
今回はそんなアホウドリについてみていきましょう。
なかなか特徴的な鳥ですので、ぜひ特徴を覚えて行って下さいね。
なぜアホウドリなの?と気になる名前の由来についても紹介していきます。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
アホウドリの名前の由来
アホウドリは名前の通りアホウ(アホ)な鳥だということで知られています。
鳥はなかなか捕獲できませんよね?
人間が近づくとすぐに飛んで逃げてしまいます。
しかしアホウドリはすぐに捕獲することができるのだそう。
海の上で過ごす海鳥のため、陸地での動きは得意ではないそうです。
すぐに捕まるアホということから名付けられたのでしょう。
すぐ捕獲されることで19世紀~20世紀には捕獲され羽毛を羽根布団などに使用していたそうです。
その結果数が減少し特別天然記念物となったのです。
漢字表記・英語名・学名
漢字表記は信天翁・阿房鳥・阿呆鳥で英語名をAlbatross、学名はPhoebastria albatrusです。
ミズナギドリ目アホウドリ科アホウドリ属に分類されています。
アホウドリの別名
いくらアホだからってアホウドリって少しかわいそうですよね、そのためアホウドリをオキノタユウという名前にしようかという動きがあるそうです。
東邦大学名誉教授の長谷川博氏などがこの改名しようと動いており、そのため別名はオキノタユウとなります。
オキノタユウで本を出版していたりもするそうです。
しかし知名度の高い鳥ですし、そう簡単に名前は変えることができませんよね。
ちなみに長崎県ではオキノタユウと古くから呼ばれていたそうです。
アホウドリの種類
北半球、南半球、赤道付近にそれぞれ分布し、全部で13種類ものアホウドリがいると言われています。
アホウドリの特徴
アホウドリが特徴を持つ鳥であるのか知っていますか?
なかなか特徴的な特徴を持つ鳥となっています。
では特徴をみていきましょう。
アホウドリの大きさ・重さ
アホウドリはとても大きな鳥で、全長は80㎝~100㎝、翼を広げた時の大きさは190㎝~220㎝となっています。
大きなアホウドリは体重も重く、3Kg~5Kgと生まれたばかりの人間の赤ちゃんと同じくらいで海鳥としては最大の鳥となっています。
アホウドリの見た目の特徴や重さ
全体的に白っぽい色をしており、頭と長い首の後ろ辺りはオレンジ色、大きなくちばしはピンク色、翼の部分は黒っぽくなっています。
こちらは大人のアホウドリの特徴です。
ヒナはまるで綿のようなふわふわとした羽を持ち、大人のアホウドリのように白い面積はまだ少ないです。
成長とともの白い面積が増えてくるのだといわれています。
アホウドリはその大きさもですが見た目も特徴的な鳥です。
そのため遠くからでもアホウドリだと確認することができるでしょう。
飛び方にも特徴があり、細く長いまるでグラインダーに似た翼で長時間羽ばたかずに飛ぶことができます。
アホウドリの飛翔能力はトップクラスと言われ、中には24時間一度も着地せず飛び続けるアホウドリもいるんだとか。
アホウドリのオスメスの違い
アホウドリはオスメスで違いはとくに見当たりません。
どちらも見た目はほぼ同じとなっています。
アホウドリの寿命
寿命の短い鳥が多いですがアホウドリはとても長生きする鳥です。
平均寿命はなんと30年で、中には50年と長生きするアホウドリもいるのだそう。
アホウドリはゆっくりと成長していきます。
10歳になってようやく大人のアホウドリのように白い面積が増えてきます。
人間のようにゆっくりと成長していくため寿命が長いのでしょう。
アホウドリの生態
アホウドリはどのように暮らしているのでしょうか。
アホウドリの生態についてみていきましょう。
特徴的なアホウドリは生態も特徴的です。
子供は少なく産んで長生きする
1回の産卵で卵は1つしか産みません。
少産少死と呼ばれ、アホウドリが長生きするのはこのためだと言われています。
アホウドリはパートナーを決めたらパートナーが死ぬまでずっとつがいで寄り添います。
そのためパートナー選びはとても重要なようです。
クラッタリングをする
嘴を開け閉めすることで鳴らし、求愛行動を行っていきます。
この求愛行動のことはクラッタリングと呼ばれ、繁殖期になると地上で見られるようになります。
>>クラッタリングをする鳥「オオミズナギドリ」についてはこちら♪
魚類、甲殻類、軟体動物、動物の死骸を食べる
海鳥のため海に住む魚や甲殻類、タコやイカなどの軟体動物を食べています。
時には動物の死骸を食べることもあるのだそう。
最大1mまで潜ることができ、海にもぐって餌を取りにいきます。
繁殖期
海上で主に生活しているアホウドリですが、繁殖期になると地上にやってきます。
冬になると繁殖期に入るのですが、集団を形成し首を伸ばして嘴を鳴らしてパートナーを探し求愛しています。
アホウドリの生息地・分布
北太平洋に主に分布しています。
夏季はベーリング海やアラスカ周辺に生息しています。
冬になると繁殖の時期を迎え日本近海へとやってきます。
鳥島、尖閣諸島北小島、南小島、小笠原諸島などの敵が来ない安全な島で繁殖を行っています。
そのためアホウドリは日本に生息してはいますが、私たちが普段見る機会は少ないです。
全てのアホウドリが繁殖するわけではなく、繁殖しないアホウドリはアメリカの西海岸沖やカルフォルニア湾沖、北西ハワイ諸島近海に渡ることもあるのだそう。
アホウドリの鳴き声
アホウドリの鳴き声は「ギー ギー」といった鳴き声です。
「アホ― アホ―」と鳴くわけではないんですね。
ちなみに「アホ― アホ―」と鳴くのはカラスです。
鳴き声の種類と意味
「ヴィーアアアー」といった大きな声を出します。
こちらはさえずりです。
さえずりは主に繁殖期に聴くことができる鳴き声なのだそうです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は特別天然記念物アホウドリについてまとめていきました。
☑とても大きな鳥で海鳥としては世界最大級である
☑飛翔能力はトップクラス
☑とても長生きな鳥で50歳まで生きる個体も多い
☑少産少死で卵は1回の産卵で1つしか産まない
☑クラッタリングという求愛行動を行いパートナーを見つけ死ぬまで一緒
☑海に潜って魚や甲殻類・タコやイカなどを食べる
☑鳴き声は「アホ―」ではない
これらのことが分かりました。
限られた場所でしか見ることができないアホウドリ。
多くのバードウオッチャーたちが繁殖期になるとアホウドリの姿を求めに島へ行くのだそうです。
あなたもぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。