ギンザンマシコの特徴や生態・鳴き声について
ギンザンマシコという、人間の女の子みたいな名前の鳥が居ることを皆さんはご存知でしょうか?
名前からして、スズメやウグイスと言ったよく知られている鳥ではなくあまり馴染みが無さそうですね。
変わった名前のギンザンマシコの特徴や生態などについて詳しく調べてみました。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
ギンザンマシコの名前の由来
ギンザンマシコというとても変わった名前ですが、一体どのような意味がありどのような由来でつけられたのでしょうか。
苗字がギンザンさんで名前がマシコさんという、人間にも居そうな名前をしていますよね。
この名前の由来についてはあまり詳しくわかっておらずいくつか説があるようですが、体の色や漢字表記名がポイントのようです。
どのような漢字表記なのでしょうか?
漢字表記・英名・学名
ギンザンマシコの漢字表記は、”銀山猿子”です。
鳥なのに何故猿の子なんて付けられてのでしょうか?
アトリという冬になると確認される事が多い小鳥の仲間たちやギンザンマシコは、これらはどれもオスだと身体が真っ赤なんだそうです。
その真っ赤な身体から、猿の顔やお尻が赤いという意味で猿の子と名前が付くようです。
ギンザンマシコ以外にも、ベニマシコやオオマシコと言った鳥も居るのですが同様に猿子(マシコ)と付けられています。
銀山については、翼の白線から付けられた”ギンスジマシコ”が訛ったという説や、後志の仁木町にある銀山に由来するなどいくつか説が存在するようです。
いずれにせよ、江戸時代中期にはすでにこのギンザンマシコという名前が付いていたようです。
ギンザンマシコの英名は“Pine Grosbeak”Pineは松、Grosbeakは大きなくちばしを持った小鳥の総称という意味です。
松が好きな鳥ということでしょうか?
学名は“Pinicola enucleater”です。
ギンザンマシコの特徴
ギンザンマシコのオスが赤い事からその名前が付いたようですが、実際にどの位の大きさでどのような容姿をした鳥なのでしょうか?
ギンザンマシコの特徴についてまとめてみました。
大きさ
ギンザンマシコの大きさは全長20センチと、小鳥というには少し大きい方かもしれません。
平均体重は50gほどあるようです。
見た目の特徴や模様・色
名前の由来にもあったように、ギンザンマシコのオスは全身が赤い羽毛で覆われています。
またオスは、頭、背中、胸にうろこ状の班があります。
ギンザンマシコのメスは、黄褐色の羽毛で覆われています。
どちらも腹部の羽毛は灰色で、翼と尾羽の羽毛は黒褐色です。
くちばしは短く太く丸みがあり、色は灰黒色をしています。
黒くてとても細い足をしています。
>>真っ赤な野鳥「アカショウビン」の鳴き声や生息地、生態についてはこちら♪
ギンザンマシコのオスメスの違い
ギンザンマシコのオスとメスの大きな違いは、その身体の色にあります。
全体的に赤い羽毛で覆われたオスに対して、メスの色は黄褐色をしています。
また、オスのみ頭、背中、胸にうろこ状の班があります。
それ以外の部分はほぼ同じような色をしているのですが、全体的に覆われている羽毛の色が全く違うために、違う種類の鳥かと勘違いしてしまう程です。
ギンザンマシコの寿命
ギンザンマシコの平均寿命はあまり明確にされていません。
しかしながら、野生の小鳥の平均寿命がスズメでも1年3か月と言われていますので、大きさや種類から恐らく同じ位と考えられます。
多くの小鳥は、春に生まれてほとんど次の年の春まで生き延びることが難しいようです。
野生で生きていくのはとても大変ですね。
1年生きられると、大体1年の自然の流れを学習して、平均寿命よりもはるかに長く生きられることもあるみたいです。
ギンザンマシコの生態
野生のギンザンマシコの生態について詳しくまとめてみたいと思います。
ギンザンマシコはどのようなものを食べて生活をし、どのようなどういった特徴があるのか。
またギンザンマシコの巣作りから巣立ちまで調べてみました。
昆虫類・木の葉・果実を主食とする
ギンザンマシコの食性は雑食です。
そのため、昆虫類、木の葉、果実(ナナカマド、ハイマツ、ハンノキ、トドマツ等)を食べて生活しているようです。
結構なんでも食べられるようですが、英名に出てきた”松”の実もやはり好んで食べるんですね。
地上でも樹上でも採食をする
雑食のギンザンマシコですが、採食は地上でも樹上でもどちらでもするようです。
確かに好物の昆虫や木の実、果実は地上でも樹上でもどちらでも採ることができますからね。
人を恐れない
意外にも、ギンザンマシコは人が近づいてもあまり恐れることなくあまり逃げないようです。
人間が近づいて観察しようとしたり、写真を撮ろうとしたりしてもその場から逃げることなく好物の実を食べ続けるという体験をした人が結構いるようです。
人間の事をあまり知らないのでしょうか。
じっと観察していたい私たち人間にとっては、とても有り難い情報ですね。
冬季に群れを作る
ギンザンマシコは高山帯や針葉樹林に生息しています。
冬季には山を下りて、針葉樹林帯かその下部の森林で生活していて、小規模の群れを形成しています。
そして都市内で街路樹の木の実などを食べたりしているそうです。
冬になると都市部でも見られるチャンスが訪れるのですね。
巣作り~抱卵~巣立ち
ギンザンマシコの巣作りは、ハイマツ等の樹上に枯葉を組み合わせて皿状の巣を作ります。
日本では5~6月頃に1度3~5個の卵を産みます。
メスだけが抱卵し、抱卵期間は13~14日と言われています。
その後巣立っていきますが、雛は孵化してから約14日で巣立ちとなるのです。
孵化してから約2週間で巣立ちを迎えるなんて、あっという間ですね。
ギンザンマシコの生息地・分布
ギンザンマシコは北半球(ユーラシア大陸、北アメリカ大陸)北部の針葉樹の森林地帯に生息しています。
日本では北海道の高山(大雪山系など)や利尻岳のハイマツ帯に生息、繁殖していて、冬鳥として北海道各地に渡来します。
本州ではあまり観測されていませんが、まれに冬季見ることができるようです。
名前の通り、銀世界の山の寒い所にいる猿のようなイメージでしょうか。
かなり寒いところで生息しているようですね。
ギンザンマシコの鳴き声
ギンザンマシコがどのように鳴くのか、実際に鳴き声を聞いてみましょう。
鳴き声には2パターンあるので、両方の鳴き方とそれぞれの意味を調べてみました。
囀りの意味
ギンザンマシコのさえずりの動画です。
真っ赤な色をしたオスが美しいさえずりを奏でています。
赤くて少し厳ついように見えますが、とても繊細な声を出すんですね。
ギンザンマシコのさえずりは、オスがメスに対して求愛するときに使うそうです。
また、縄張りを守るような時にもこのさえずりを使います。
とても柔らかな声ですが、繁殖期にならないとあまり聞くことができないようですね。
地鳴きの意味
ギンザンマシコの地鳴きの動画です。
後半部分のメスが鳴いている様子がギンザンマシコの地鳴きになります。
これは季節、性別、年齢などに関係なくコミュニケーションとして出す鳴き声です。
また、警戒を表す鳴き声でもあります。
こちらの声もとても柔らかい声をしていますね。
短いくちばしを動かしながら綺麗な声を響かせていて癒されますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか!?
についてご紹介しました。
最後に、今回のおさらいをしてみましょう。
☑ギンザンマシコの大きさは20センチ体重は50グラム
☑日本では5~6月頃に1度3~5個の卵を産む
☑昆虫類、木の葉、果実を食べて生活している
☑日本では冬鳥として北海道各地に渡来する
☑さえずりは柔らかな鳴き声で繁殖期にならないとなかなか聞けない
猿の子と漢字で表現されてしまうほどの赤い羽毛に覆われたギンザンマシコのオスですが、それに対してメスはずいぶんと色が違って同じ種類の鳥なのにとても不思議ですね。
人をあまり恐れず都市部にも現れるようなので、是非見てみたいものですがかなり北の方ではないと難しそうです。
特にギンザンマシコの鳴き声はとても柔らかく、ずっと聞いていたい程癒されるので、北海道の高山系に行くことがあったら是非探してみてくださいね。
猿に負けない真っ赤なオスのギンザンマシコを、是非見つけてみましょう。