赤い目「ヒクイナ」の生態や特徴・鳴き声とは?
ヒクイナは実は昔から日本の文学にも登場している鳥だということをご存知でしょうか?
そんなヒクイナについて知らない人もたくさんいると思います。
そこで、今回はヒクイナの生態や鳴き声、特徴についてご紹介したいと思います。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
ヒクイナの名前の由来
もともと、昔から水鶏(くひな)と呼ばれて水を叩くような鳴き声から「水鶏たたく」といわれていたようです。
ヒクイナは緋のように赤いくひなというところからヒクイナと呼ばれるようになったといわれているんです。
紫式部は源氏物語の中で「くひなのうちたたきるは、誰が門さしてとあはれにおぼゆ。」などと書いていたり、松尾芭蕉も「此宿は水鶏も知らぬ扉かな」などとこちらも詩の中に水鶏が登場していますよね。
ヒクイナは日本の文学にも出てくるほど古くから馴染の深い鳥のようなんです。
ヒクイナの漢字表記・英語名・学名
ヒクイナを漢字で表記すると緋水鶏、緋秧 英語名はRuddy crake、Ruddy-breasted crake 学名はPorzanaFusca というようです。
漢字で書くとヒクイナの緋のような赤い色目がわかりますよね。
ヒクイナの特徴
ヒクイナは丸い羽と太く長くしっかりとした足と長い指を持っていて湿地帯や沼地や泥地などを歩くのに歩きやすい体型をしているといわれています。
浅い水辺だと簡単に歩きまわることができるようです。
ヒクイナは昔に比べるとずいぶん数が減ってきて絶滅の危機をも心配されていたようです。
それは、高度経済成長のころどんどん工場などが建ちヒクイナのいるはずの湿地帯などが無くなってきたことによるものだと考えられていました。
最近は、緑化計画なども進み以前よりも緑や池湿地帯なども復活したことで、少しずつヒクイナの繁殖にも成功しているようですが、まだまだ昔のようには戻っていないようですね。
ヒクイナの大きさ
ヒクイナの大きさは、全長が18cmから24cmくらいだといわれており、羽を広げると40cm近くなる個体もいるといわれています。
歩いているときはそんなに感じないけれど、羽を広げたときのヒクイナはけっこう大きくなるんですよね。
ヒクイナの見た目の特徴や色・模様
見た目の色は、名前についているように全体的に赤褐色で、特に顔から喉、胸のあたり、足は赤っぽく、背中などは灰色が混じった緑色、また、お腹や尾っぽには黒っぽい緑身の褐色に白い横しま模様があるといわれています。
ヒクイナは、赤に色んな色の模様が入っているようですが、パッと見た目は、やっぱり「赤っぽい鳥」に見えるんですよね。
>>赤褐色な鳥「サンコウチョウ」の生態や鳴き声、巣の特徴についてはこちら♪
ヒクイナの幼鳥の特徴
これがヒクイナの幼鳥です。
ヒクイナの幼鳥は成長に比べると赤みがほとんどなく、茶色ベースの体をしているため、本当にヒクイナ?とおもってしまいますね。
でも、成長と同じく足の指はビックリするほど長いようですから、間違いなくヒクイナの幼鳥ですよね。
ヒクイナの寿命
ヒクイナは野鳥のため、正確な寿命というのはわからないのが現状だといわれています。
一番狙われやすいヒナの頃はあっという間に天敵に襲われてしまうこともあるようです。
また、越冬をするヒクイナは上手く冬を越せなかったり、途中で病気や怪我にあってしまうことも多々あることがわかっているんです。
平均的な寿命は1年から2年くらいといわれていますが、何事もなかった場合は5年以上だともいわれているようですね。
ヒクイナの生態
続いては、ヒクイナの生態や食性、繁殖期についても触れておきたいと思います。
警戒心が強い
ヒクイナはとても警戒心が強い野鳥だといわれており、歩くときも天敵などに見つからないように人のように両足を交互に動かして首をスーッと前に伸ばし、体を低くして歩くといわれています。
なんだか、忍者のようですね。
そして、危険を瞬時に捉える能力にも長けているといわれ何かあると素早く体を草むらなどに隠すことができるともいわれているんです。
地面を歩いていると、ヒクイナの天敵といわれているイタチやヘビなどが突然現れたりするため用心深くなっているのかもしれませんね。
食性は雑食
ヒクイナの食性は肉食だといわれており、虫からカエル、果物や花の種まで食べる雑食性だといわれているんです。
地面を歩きながら、土や草などにいる虫やカエルを物色するんですよね。
また、飛んでいても獲物を見つけると素早くゲットするみたいですよ。
ヒクイナの繁殖期
ヒクイナは、日本では5月から8月くらいが繁殖期だと言われています。
繁殖期になると、巣を作る場所の物色をはじめます。
巣を作るのに適した場所は水辺周辺の草やイネ、低い木の上などに、お皿状の浅い巣を作るようです。
巣作りの材料は、ヨシやススキの枯葉などを集めます。
ヒクイナのメスが一度に卵を産む数は4個から9個位で抱卵はオスとメスが代わる代わる行うといわれており、3週間くらいで孵化させ、ヒクイナのヒナは20日足らずで巣立ちを迎え、親鳥のもとを巣立っていくといわれています。
ヒクイナの生息地・分布
ヒクイナははは中国、台湾、日本などで生息しており、冬になると温かいところを目指して、インドシナ半島や日本や中国でも南の方へ越冬をし春を待つようですね。
日本でのヒクイナは北海道から九州などの河原や沼地。
湿原、田んぼなど湿った所で通年生息しているといわれています。
でも、都市開発が進み、湿地帯や河川などヒクイナが暮らせる場所がどんどん無くなっていったことにより絶滅危惧種になっているともいわれ、ヒクイナの繁殖などに力を入れている団体もあるといわれています。
ヒクイナの鳴き声
夏の夕方などに聞くと涼しく風情がある鳴き声ですよね。
鳴き声の種類・意味
ヒクイナの鳴き声には面白い生態があり、夕方になると「こんこんこん」や「キョンキョンキョン」「クォンクォンコッコッコッコッ」などと忙しなく鳴くといわれています。
ヒクイナは夕方から夜にかけて鳴くことから夜間の訪問者を意識して鳴いているともいわれ、訪問者が戸を叩く音から「戸を叩く水鶏」と昔からいわれていたようです。
ヒクイナは昔からいろんな謂れある鳥なんですね。
特に、オスは繁殖期になるととてもよく鳴きメスを誘うためアピール作戦が始まるようですね。
どんな鳥も、繁殖期はいつも以上に鳴くといわれていますからね。
ヒクイナの鳴き声は繁殖期になるとかなりの声で鳴くため周りの人は「そろそろ繁殖期だな。」と思うようですね。
まとめ
ヒクイナの生態や特徴・鳴き声についてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
ヒクイナは独特の鳴き声で日本古来の野鳥として親しまれてきたようですね。
日本の古い文学書の中には随所にヒクイナが登場していたりしているのですから、風情のある鳥だということなのでしょうね。
でも、やはり個体数が減少気味だということも現在でも問題視されているみたいですね。
それでは、今回の記事のおさらいはこちらです。
☑ヒクイナの名前の由来は見た目の色から
☑ヒクイナは古くから日本で親しまれていた
☑ヒクイナは警戒心が強いが、何でも食べる鳥
☑ちょっと変わったヒクイナの鳴き声
☑ヒクイナの鳴き声の意味が文学的!
と、こんな内容でお届け致しました。
「クォンクォン」と戸を叩くような声が聞こえたらヒクイナが鳴いているのかもしれませんよ。