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オナガの詳しい特徴、生息地や生態のまとめ。

都市部でも見かけることのある野鳥のオナガ。尾羽がとても長く、色もとてもきれいですよね。

オナガを見たことがない、という方も多くいるのではないでしょうか。

特に西日本に住んでいる方は見たことがない人が多いようです。

そんなオナガの詳しい特徴や生息地について、生態についてご紹介したいと思います。


オナガの名前の由来

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オナガは漢字で書くと「尾長」と書きます。

この漢字が表している通り、オナガの名前は尾羽が長いことがその由来になっています。

くちばしから尾羽の付け根までの長さと尾羽の長さが同じくらいか、尾羽の方が長いくらいです。

尾羽が長いからオナガ、とても分かりやすいネーミングですよね。

オナガの生態

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オナガは長い尾羽ときれいな羽色からは想像できませんが、なんとカラス科の鳥になります。

カラスの仲間なのでとても学習能力が高く、警戒心も強い鳥だそうです。

その他にもカラスと似たような生態を持っているようです。

群れを作る

オナガは17~35羽ほどで群れを作って暮らし、巣も集団で作ります

35羽以上に群れが増えると、群れが分かれていくそうです。

群れの結束が強いことでも有名なようで、よくまとまって給餌行動をしているようです。

また、外敵を追い払うときも仲間同士きょゆ緑して撃退するようです。

餌は雑食

カラスは雑食で有名ですが、オナガも餌は雑食になります。

昆虫や木のみ、果実などを主食にしており、一部は貯蔵する習性もあるそうです。

ただ、カラスとは違い、生ごみなどのゴミを漁ることはないようです。

オナガの寿命

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野生下でのオナガの寿命は平均で2~3年、長くても5年と言われているようです。

オナガはカッコウの托卵相手にとして目を付けられていたようで、一時はオナガの酢の80%が托卵されてしまうありさまになっていたそうです。

しかしオナガは10年ほどでカッコウの托卵に対策を取るようになったそうです。

オナガの寿命は長くて5年ですが、群全体が学習することで対策することを覚えたようです。

また、飼育下のオナガでは14年生きたものもいるようです。

オナガの生息地

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オナガはユーラシア大陸の東西両端に分かれて分布しているようです。

一方はロシア東部、中国東部、日本などの東アジアで、もう一方はイベリア半島の一部になります。

日本での生息地は分布を狭めていると言われており、現在は本州の福井県以東、神奈川県以北に生息しているだけになっているようです。

どうして西日本から消えたの!?

1970年代まではオナガは本州全土と九州の一部で確認された、ということになっているようですが、1980年代以降、西日本では繁殖が確認されていないそうです。

西日本のオナガが姿を消した理由は、九州のオナガがカササギとの競争に敗れたという説から西日本もこれに当たるのでは?と思われたようですが、西日本のカササギの数はそれほど多いわけではないようです。

また、そもそも関東地方を中心に生息し、飛び石的に九州に生息しており、もともと西日本には生息していなかった、という説もあるようです。

今のところ西日本からオナガが消えた理由は分かっていないようです。

オナガの特徴

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オナガは名前の通り尾羽が長いのが特徴の一つになります。

体の大きさと同じか、それ以上の長さの尾羽が付いており、この長い尾羽を引きずるようにフワフワと飛ぶのもオナガの特徴です。

それ以外の特徴を細かくご紹介します。

オナガの大きさ、重さ

オナガの大きさは全長が4~39cmと数字だけ見ると大きいような感じがしますが、このうち尾羽の長さが20~23cmになるので、頭と体の大きさはムクドリよりも少し大きいくらいになります。

重さは70g前後になるようで、ムクドリやヒヨドリよりもやや軽量、ということになるようです。

また、同じカラス科のハシボソガラスと比べると1/6程度、ハシブトガラスと比べると1/10程度の重さしかないようです。

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オナガの見た目の特徴や模様

オナガの頭部は黒色に見えますが、実は濃紺をしているようです。

喉元から後頭部と背の境界部分が白、胸とお腹は淡い灰色ですが、お腹の毛をかき分けると黒灰色の層も確認できるようです。

背中は濃い灰色で、翼と尾羽は灰青色と素敵な色をしています。

尾羽は先端が白くなっており、イベリア半島に生息する亜種はこの白斑がないようです。

オナガのオスメスの特徴の違い

オナガは雌雄同色の鳥なので、見た目によるオスとメスの違いはなく、雌雄を判別することは難しいようです。

ただ、求愛行動に違いがあるようで、オナガのメスは繁殖期になると翼を広げた状態で木に止まり、鳴きながらオスが来るのを待つようです。

一方のオスは餌を加えてメスのところに飛んでいき、求愛給餌と呼ばれる行動をとるそうです。

羽を広げて甘えたようなポーズをとっているオナガがいたら、メスの可能性が高いようです。

オナガの巣作り~巣立ちまで

オナガは4月頃になると樹上に枯れ枝などを使って皿状の巣を作ります

巣作りはオスメス共同で行うようです。

一度の産卵で6~9個の卵を産み、抱卵期間は17~20日で、抱卵はメスが行います。

子育ては親鳥以外にもヘルパーと呼ばれる他のオナガと協力して行うことが多いようです。

また、他のペアと近い場所に巣を作るようで、外敵が来たときなどは何組かのペアが協力して外敵を追い払い、ヒナたちを守るようです。

巣作りの場所としては「ツミ」と呼ばれる小型のタカの巣の周辺に巣作りをすることが多いようで、カラスに対して優位に立てるツミの周辺に巣を作ることで、ヒナへの脅威を減らそうとしているようです。

ヒナは孵化してから18日程で巣立ちをするようですが、巣立ってから3週間ほどは集団保育を行い、たえず10羽前後の雛を5羽前後の成鳥が給餌などを行っているようです。

オナガの鳴き声

オナガはそのスマートな見た目からは想像できないくらいの大音量で鳴くことが多いようです。

普通のオナガの鳴き声は「グェーイグェイグェイグェイ」とそこまで大きな声では鳴かないようです。

オナガの鳴き声の種類

オナガの鳴き声にはいくつか種類があります。

オナガの通常の鳴き声の「グェーイグェイグェイグェイ」以外にも、大きな鳴き声で「ギィー、ギィー」や「ギューイ、ギューイ」など、スマートな見た目とは正反対の騒がしい鳴き声を出します。

この鳴き声はとても目立つので、オナガは騒がしい鳥だとイメージが付いてしまったようです。

これ以外にも「ピューイ、ピューイ」や「ピュイピュイ」、「ピピピ、ピュルピュル」などとかわいらしい鳴き声で鳴くこともあるようです。

オナガの鳴き声の意味

オナガの鳴き声で一般的な「グェーイグェイグェイグェイ」ですが、これは警戒しているときに出す鳴き声のようです。

オナガは警戒心の強い鳥なので、警戒しているときが多いようですね。

大きな声で「ギィー、ギィー」や「ギューイ、ギューイ」などと鳴いているときは、威嚇しているときです。

カラスなどの天敵が近づくとこのように鳴くようです。

また、餌を食べているときなどは、オナガ同士で「ピュイピュイ」と鳴き合い、コミュニケーションを取っているように聞こえます。

繁殖期になると「ピューイピューイ」などとかわいらしい鳴き声で鳴くようです。

オナガの天敵

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オナガの天敵はカラス、ワシタカ類、フクロウなどの大型肉食鳥になるようです。

特に育雛期のオナガは凶暴になり、カラスを集団で追い出すこともよくあるようです。

また、カラスの被害を減らすためにツミの近くに巣を作ったりもしますが、そのツミ自体にも襲われてしまう事があるようです。

オナガを保護する場合の注意点

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繁殖期になるとオナガの巣立ち雛や巣から落ちたヒナを見かけることもあるかと思います。

巣から落ちた場合は保護した方がいいのですが、巣立ち雛の場合は近くに必ず親鳥がいるので、絶対にもちかえらないようにしてください

猫などが届かないような高い場所において、その場を離れるようにしましょう。

明らかに怪我をしている場合は、タオルなどで包み、保温しながら最寄りの野鳥保護センターに連れて行ってあげてください。

まとめ

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いかがでしたでしょうか?野鳥のオナガについてご紹介しました。オナガの生態や特徴、生息地についてのまとめは、

□オナガは群れを作って生活し、餌はカラスと同じ雑食
□オナガの生息地は本州の福井県以東、神奈川県以北
□どうして西日本からいなくなったのかは詳しくは分からない
□オナガの大きさは34~39cmほどで、重さは70gほど
□濃紺の頭と灰青色の羽と尾羽が特徴的
□オスとメスで同じ色をしている
□育雛はヘルパーも交えて行われる
□鳴き声にはいくつかあり、意味も違う
□オナガの天敵はワシタカ類やフクロウなど、都市部ではカラスになる

でした。西日本の方は残念ながらなかなか見る機会がないかもしれませんが、東日本では比較的よく見かけることもあるようなので、オナガを観察してみるとおもしろいかもしれませんね。

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