ヨタカってどんな鳥!?生息地や鳴き声について
今回ご紹介するのは、ヨタカという「鷹」です。大きくて強そうな鷹にも、意外な天敵や弱点があります。
今回は、そんなヨタカの生態や特徴、名前の由来について見ていきましょう。
また、絶滅が危惧されている鳥ですので、彼らのことをよく知り、守っていけるようにしましょう。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
ヨタカの名前の由来
ヨタカは、鳥網ヨタカ目ヨタカ科ヨタカ属に分類される鳥類です。
ここでは、ヨタカの名前の由来について見ていきましょう。感じではどう書くのかや、英語名や学名についてもご紹介します。
ヨタカの漢字表記・英語名・学名
ヨタカは、漢字で書くと「夜鷹」となります。
夜の鷹という意味で、これが名前の由来であると言われています。
英語ではGrey nightjarと表記し、学名はCaprimulgus indicusといいます。
ヨタカの特徴
ここからは、ヨタカの特徴についてご案内いたします。
大きさや見た目の色などの特徴、オスとメスの違い等もご紹介します。
ヨタカの大きさ
まず、ヨタカの大きさは、全長29センチメートルです。
翼は大型で、先端がとがっているのが特徴です。
ヨタカの見た目の模様や色・特徴
全身の羽の色は暗い褐色をしており、褐色をベースに黒色、赤色、灰色などが混ざっていて、複雑な斑模様が入っています。
この身体の色は樹の幹や落ち葉の色合いとよく似ており、背景に溶け込む保護色になると言われています。
頭部は大きく扁平な形をしており、虹彩は暗褐色で目は黒く見えます。
口は大きいですが、嘴は小さく、幅が広いのが特徴です。
ヨタカのオスメスの違い
ヨタカのオスとメスを見分けるときは頭部を見ます。
オスの成鳥は、頭部の側面や初列の風切りや尾羽に、白い斑模様が入っています。
メスの斑模様は暗褐色をしており、尾羽には斑紋がないか、目立ちません。
ヨタカの寿命
ヨタカの寿命は、およそ10年くらいであると言われています。
これは野生化での数字ですので、保護下にあるともっと長くなる可能性があります。
野生の鳥は、寿命をまっとうする前に、事故にあったり、天敵にやられてしまうおそれもあります。
ヨタカの生態
ここからは、ヨタカの生態について見ていきましょう。
何を食べていて、いつ行動するのかや、繁殖期について詳しくご紹介します。
主に昆虫を食べる
ヨタカは主に動物食で、昆虫を食べます。
口を大きく開けながら飛び回り、獲物を捕獲し、食べます。
夜行性
ヨタカは、「夜鷹」と漢字で書くように、夜を中心に活動する鳥です。
繁殖期
繁殖の形態は卵生で、落ち葉の上等に1回に1~2個の卵を産みます。
木の枝に巣を作らないのが特徴的ですね。
木の伐採跡などに巣を作ることが多いようです。
主にメスが卵を抱いていて、その期間はおよそ20日と言われています。
卵を守っている間や子育てを行っている間は、天敵に見つからないように、あまり動こうとしません。
雛も目立たないようにあまり鳴かないです。
とても賢いですね。
雛が餌をねだる時は、嘴をひっぱるのだそうです。
夜になるとオスが交代して抱卵したり、子育てをするようです。
雛に餌をやるときは、喉にある袋に虫を溜めてもってきて、雛に与えます。
雛は最初は黄色い色をしているが、すぐに親鳥に似た、茶褐色になっていきます。
ヨタカの生息地・分布
ヨタカの生息地はとても広範囲で、日本の他、中華人民共和国東部、ネパール、大韓民国、フィリピン、ブータン、ブルネイ、ミャンマー、ロシア南東部、パキスタン、パラオ、バングラデシュ、朝鮮民主主義人民共和国、インド、インドネシア、カンボジア、スリランカ、タイ王国などに生息が確認されています。
ヨタカの鳴き声
ヨタカは、「キョキョキョ」等と、単調で特徴的な鳴き方をしています。
ヨタカの姿は景色に溶け込んでいて見つけにくいですが、鳴き声を耳にしたことがある人はいるでしょう。
特徴的なこの鳴き声は、古くから「キュウリキザミ」や「ナマスタタキ」といった別名の由来ともなっているようです。
こちらの動画で、ヨタカの鳴き声を聴くことができます。
昔の人はこの音を、まな板を叩くような音に例えて、「キュウリキザミ」といった名前をつけたのだと予想できますね。
鳴き声の種類・意味
ヨタカは、仲間同士や雛への合図に使う「地鳴き」のほかに、相手を威嚇して鳴くことがあります。
抱卵している時や子育て中に敵が近づくと翼を大きく広げて自分の姿を大きく見せ、大きな声をあげて威嚇することがあります。
また、自分より大きな敵や天敵に襲われ命の危険を感じたときにも、大きな声を上げて威嚇します。
ヨタカの天敵
ヨタカの天敵はハヤブサです。
ハヤブサはヨタカを捕食するのです。
それ以外にもヨタカは地面で卵を育てるので、猫や犬、イタチなどの地面の上を移動する動物も天敵になります。
また、大型の蛇や鷹なども、抱卵中のヨタカや卵、雛たちにとっては危険な存在です。
それでも、ヨタカは敵に見つかりにくい地面の上での子育てを選ぶのです。
ヨタカも大型の鳥ですので、木の上で育てるほうが、敵に見つかり易いと言えるのかもしれません。
準絶滅危惧種に指定されたヨタカ
ヨタカはいま、準絶滅危惧種として、絶滅が心配されている動物のひとつです。
日本で数が減ってきている理由としては、ペットとして流入した猫たちが野生化してしまい、野良猫が増加したことが原因なのではないかと言われています。
猫は、地面で子育てをするヨタカにとって天敵ですので、猫が増えるということは、ヨタカの卵や雛が生き残れる可能性が減ってしまうことになります。
また、ヨタカ以外の鳥にも言えることですが、近年の経済成長や開発による森林の伐採等が、ヨタカが過ごせる環境を減らしてしまっていると言われています。
豊かな自然の一部であるヨタカを守るためにも、良い自然を保存していきたいですね。
また、ペットを野生に逃がしてしまうという行為は、その周囲の生態系を乱してしまうことになりますので、最後まで責任をもって、飼育しましょう。
まとめ
今回はヨタカについてご紹介いたしました。調べたことをまとめてみましょう。
☑ヨタカは全体的に茶褐色をしており、暗い茶色の色合いが、樹や落ち葉によく溶け込んで、保護色となっている。
☑大きさは29センチ、翼は大きく、先がとがっている。
☑寿命は10年ほどで、大型の鳥だけでなく、地面を歩く犬や猫なども天敵となる。
☑ヨタカは地面に落ち葉で巣を作って子育てをするのが特徴。木の上よりも敵に見つかりにくいからだと考えられている。
☑ヨタカは準絶滅危惧種として、個体数の減少が心配されている鳥。
いかがでしたか?ヨタカのような強そうな鳥にも天敵がいるのは意外でした。
さらには人間が放したペットによって数が減少しているというのは悲しいですね。
環境を守り、ヨタカだけでなく、色んな生き物の生態を守りましょう。