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ヒレンジャクの生態や鳴き声・キレンジャクとの違いについて

ヒレンジャク この記事は約 7 分で読めます。

ヒレンジャクは「冠羽」とよばれる先端がとがった頭頂部の長い羽毛が特徴的で、日本では平安時代の昔から、その特徴的な愛らしい姿、鈴の音のような軽やかで澄んだ鳴き声で親しまれてきた鳥のひとつと言われています。

日本では越冬の為、アジア北部から冬鳥として渡ってくる渡り鳥の一種とされています。

キレンジャクという別の鳥と姿かたちがそっくりで、一緒に混群して越冬してくることもあるようです。

そんなヒレンジャクの生態や鳴き声について調べてみました。


ヒレンジャクの名前の由来

ヒレンジャク 名前 由来

ヒレンジャクは、姿かたち、鳴き声が似ているキレンジャクと共に知られており、当時は区別されることなく、平安時代には「連雀(れんじゃく)」や「唐雀(からすずみ)」として呼ばれていたようです。

江戸時代に入ってから、尾羽の先の色で区別が付けられるようになり、尾羽の先端が赤(緋)色の連雀を緋連雀(ひれんじゃく)、黄色の連雀を黄連雀(きれんじゃく)といって呼び分けるようになったと言われています。

また、ヒレンジャクもキレンジャクも、尾羽の数が12枚であることから「十二紅」「十二黄」と言う漢名でも記されていることもあるようです。

また、ヤドリギ(古名:ほや)を好んで食べる姿から、「ほやどり」とも呼ばれる場合もあるようです。

ヒレンジャクの漢字表記・英語名・学名

学名は「Bombycilla japonica」、漢字表記は「緋連雀」、英語では「Japanese waxwing」と表されるようです。

英語の「waxwing」は、同じレンジャク属のキレンジャクやヒメレンジャクの次列風切の先端にある赤い蝋状の突起物から付けられたとされていますが、ヒレンジャクはこの蝋状の突起物はないようです。

ヒレンジャクの特徴

ヒレンジャク 特徴

ヒレンジャクの特徴と言えば、トサカのように立派な冠羽、額から冠羽にかけて伸びる帯模様、赤褐色みを帯びた顔など、少し派手な風貌が有名な鳥のようです。

ヒレンジャクの大きさ

体長はおよそ18センチ、翼を広げると30センチ前後になると言われています。

ヒレンジャクの見た目の特徴や色・模様

全体的に赤みを帯びた褐色をしており、頭の部分に冠羽を有し、額から冠羽にかけて帯状の模様があるようです。

眼や首の周りが黒く、腹部は少し黄色みを帯びているとされています。

尾羽は灰黒色で、先端部分が赤みをおびえているようです。

尾羽の数は12枚あり、漢名の「十二紅」の由来ともなっているようです。

初列風切は黒褐色で、外弁は灰色をしているようです。

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ヒレンジャクのオスメスの違い

レンジャク属の雌雄は同色であり、見分けることは難しいと言われています。

見分け方は、オスの初列風切には白斑があるようですが、メスは外弁にのみ白斑があると言われています。

ヒレンジャクの寿命

ヒレンジャク 寿命

ヒレンジャクの寿命はおよそ2年とされているようです。

ヒレンジャクの生態

ヒレンジャク 生態

ヒレンジャクはよく群れで行動するようです。

繁殖はアジア北部の寒い地域で行い、冬になると南下して越冬すると言われています。

越冬地の日本などでは、主に果実類、特にヤドリギの果実を好んで食べると言われています。

その他、ヤツデやネズミモチなどの果実を食べるとされています。

繁殖地では果実類よりも昆虫を食べて過ごしていると言われています。

日本などに飛来する冬の非繁殖期には主に果実類、ネズミモチ、イボタノキ、ニシキギ、ヤドリギ、ノイバラ、ヤツデなどを食するが、繁殖期である夏の間は昆虫食である。

ヒレンジャクは基本的に数羽から数十羽の群れで行動するが、稀に100羽以上の大群となることもある。

また、しばしばキレンジャクとの混群もみられる。

鳴き声は甲高く「ヒーヒー」「チリチリ」などと鳴くが、囀りはない。

巣は、樹上に小枝を用いたお椀状のものを作り、その中には草や苔などを敷く。

卵の数は56

群れで生活する

ヒレンジャクは連雀と呼ばれるぐらい、群れでの生活を好むようです。

基本的には数羽から十数羽で行動するようですが、場所によっては数百羽の大群で行動することもあるようです。

また、同じレンジャク属のキレンジャクと一緒になって群れを組んでいることもしばしばあるようです。

>>群れで行動する「キンクロハジロ」の名前の由来や鳴き声、生態についてはこちら♪

渡り鳥キンクロハジロの名前の由来や鳴き声・生態について

ヤドリギが大好き

ヒレンジャクが大好きなヤドリギとは、落葉樹に寄生して成長する植物とされ、秋ごろから1センチ程度の木の実をつけるようです。

この木の実をヒレンジャクは好んで食べると言われています。

ヤドリギの木の実には粘着性の成分が含まれており、ヒレンジャクが消化できなかった種は粘り気のある成分によって数珠繋ぎで排出され、ヤドリギは別の落葉樹に寄生して、そこからまた成長すると言われています。

ヒレンジャクとヤドリギは共生の関係にあると言っても良いでしょう。

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繁殖期

ヒレンジャクは繁殖期になるとウスリー川と呼ばれるユーラシア大陸北部の地域でのみ繁殖活動を行うと言われています。

繁殖地域は限定的のようですが、その繁殖習性についてはあまりよく知られていないとされています。

ヒレンジャクの生息地・分布

ヒレンジャク 生息地

ヒレンジャクはユーラシア大陸北部のシベリア東部、ウスリー川流域で繁殖すると言われています。

冬を迎えるころには日本、朝鮮半島、中国南部や台湾なっどに飛来して越冬するとされています。

越冬は不規則であるとされ、まったく飛来してこない年もあれば、越冬地で1年間を通して観察される年もあると言われています。

日本では11月から翌年の5月ごろまで観察することができるようです。

西日本に多く飛来するとされ、北海道などの寒い地域ではあまり見かけることはないようです。

ヒレンジャクは昨今のウスリー川周辺の急激な環境の変化のため、その繁殖数を年々減らしており、絶滅が危惧されていると言われています。

>>主に西日本で見られる「コイカル」の特徴や生態、鳴き声についてはこちら♪

コイカルの特徴や生態・鳴き声について

ヒレンジャクの鳴き声

「チリチリ」「リリリリリ」といった甲高い声で鳴くと言われています。

その音色は鈴の音のように軽やかで澄んでいるとされ、昔から風情のある鳥だと言われているようです。

鳴き声の種類・意味

鳥の鳴き声には繁殖期に異性へのアピールを行う「さえずり」と、普段の仲間同士でのコミュニケーションで使われる「地鳴き」などがあるとされています。

ヒレンジャクについては、さえずりも地鳴きも違いはないようです。

ヒレンジャクとキレンジャクの違い

ヒレンジャク キレンジャク 違い

同じレンジャク属のヒレンジャクとキレンジャクはとてもそっくりで、見分けが付きにくいと言われています。

また、良く混群して飛来してくるため、同じ種類に間違えられることも多々あるようです。

ヒレンジャクとキレンジャクの違いは、尾羽の色の違いが一番分かりやすいと言えるでしょう。

尾羽の先が緋(赤)色の鳥がヒレンジャク、黄色の鳥がキレンジャクと覚えておくと良いでしょう。

まとめ

ヒレンジャク まとめ

日本人にとって馴染みの深いヒレンジャクについて調べてみました。今回の記事を纏めると、

☑ヒレンジャクは冠羽が特徴的

☑レンジャクと呼ばれるほど群れが好き

☑ヤドリギの実が大好き

☑キレンジャクという同じレンジャク属にそっくり

☑繁殖地では昆虫を食べることも

☑ヒレンジャクの鳴き声は鈴の音のようで風情がある

☑キレンジャクとの違いは尾羽の先端の色で見分ける

などが言えるでしょう。

ヒレンジャクは主に西日本で見かけることが出来るようです。

西日本でヤドリギを見付けたら、近くにヒレンジャクがいないか探してみると良いでしょう。

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