ケイマフリの鳴き声や特徴・生態について
皆さんはケイマフリという名前の鳥をご存じですか?狭い範囲にしか生息していない、希少な鳥のようですよ。
北海道などで見ることができる、海鳥になるようです。
ここではケイマフリの鳴き声や特徴・生態についてご紹介します。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
ケイマフリの名前の由来
ケイマフリの名前の由来は、アイヌ語の「ケマフレ」からきているようです。
「ケマフレ」は「赤い足」を意味しているそうですよ。
ケイマフリの漢字表記・英語名・学名
ケイマフリの漢字表記ですが、なんと漢字表記が無いようです。珍しいですね。
英語名は「Spectacled Guillemot」となるようです。
「眼鏡をかけたウミバト」というような意味があるようです。
また、学名は「Cepphus carbo」となり、「炭のように黒いケップス」という意味があるそうです。
「ケップス」はエチオピアの神話の王様のことだそうです。
ケイマフリの特徴
ケイマフリはチドリ目ウミスズメ科の鳥になります。
ケイマフリは海の上で過ごすことが多いので、足には水かきが付いています。
全身が黒く、足はとてもきれいな赤色をしています。目の周りは白く縁どられ、まるで眼鏡をかけているようにも見えます。
ケイマフリの大きさ
ケイマフリの大きさは39~41cmほどになります。
ハトより少し大きいくらいでしょうか。翼開長は67~71cmほどになるようです。
ケイマフリの見た目の特徴や色・模様
ケイマフリは全身が黒く、目のまわりから目じりにかけてが白くなっています。
一番の特徴は脚で、鮮やかな赤色をしています。
くちばしは黒色をしていますが、口を開けると鮮やかな赤色が見えるそうです。
ケイマフリの夏羽と冬羽の違い
全身が黒いのは夏羽になり、冬羽になると、目のまわりの白い部分が小さくなり、アイリングとなるようです。
上面、尾羽、翼は灰褐色になります。
喉から胸にかけて白くなり、淡褐色の小班が散在します。
また、足の赤色も少し黒みがかるようです。
>>同じウミスズメ科の鳥「ツノメドリ」の特徴や鳴き声、生態についてはこちら♪
ケイマフリの寿命
ケイマフリの寿命は調べても詳しくはわかりませんでした。
ですが、基本的に海鳥の寿命は体の大きさの割には長寿と言われており、さらに、子育てを出来る年齢になるには3~4年かかると言われているそうなので、なかなか長生きな鳥なのかもしれません。
ケイマフリの生態
ケイマフリは海上で過ごすことの多い鳥で、餌の魚を捕るために、海へ潜ることがあるようです。
日本へ来るのは繁殖期である夏だけになるようですが、冬になると遠くへ移動する、というわけでもないようで、日本では留鳥となるようです。
繁殖を行う場所が海に面した断崖であることや、主食がイカナゴであることで、繁殖する場所が限定されてしまっているため、数が減少傾向にあるようです。
そのため、環境省RDB絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。
空も飛べて海も泳げる
ケイマフリは空も飛べて海も泳げる、ちょっと珍しい鳥です。
餌を探すために海中に潜水することができます。
泳ぎ方は、まるで飛んでいるときのように翼を動かして泳ぐそうです。
潜水能力はとても高く、ときには70mも潜ることがあるそうですよ。
ただ、潜水するために体が重くなっているので、飛ぶときには水面をけるように助走してから飛び立つようです。
冬は小さな群れで生活する
繁殖期はペアや単独で行動していますが、冬になると繁殖地周辺の海上で、小さな群れを作り生活をしているようです。
冬になると日本ではほとんど姿を見なくなるようですが、まれに網走から羅臼周辺の流氷のない水域で観察されることがあるようです。
主に魚類を食べる
ケイマフリは主に魚類を食べて生活をしています。
餌の9割近くはイカナゴになるようで、その他カジカ類やギンポ類、イカ類や甲殻類などを食べるようです。
餌を食べるのは波の穏やかな海上で、餌を捕るときは海中に潜水をします。
短い羽を上手に使って海中を泳ぎ、時にはヒラメを捕まえてくることもあるようです。
>>魚類を食べる鳥「オオハム」の生態や特徴、鳴き声についてはこちら♪
繁殖期
ケイマフリの繁殖期は3~8月になるようです。
海に面した断崖の隙間や穴で繁殖を行います。
巣材は使わないそうですよ。
産卵数は2個が多く、抱卵はオスメス交代で行います。
抱卵後、約30日で孵化し、孵化したヒナは真っ黒いヒヨコの様に見えるそうです。
オスメス交代でヒナにイカナゴなどの餌を運びます。
約40日で巣立ちをしますが、人目につかないように非常に警戒して巣立ちが行われるため、巣立ちを見ることは稀なようです。
陸上に上がるのはこの繁殖期の時期くらいで、歩く姿はペンギンと同じようにペタペタと歩くそうです。
ケイマフリの生息地・分布
ケイマフリはカムチャッカ半島東岸からオホーツク海、日本海北部など狭い地域に分布しています。
日本では北海道の天売島や知床半島のウトロ周辺、積丹半島などの限られた場所で繁殖が確認されているようです。
日本内の全繁殖数が700羽と言われているようですが、繁殖地の消失など個体数が減少してきているようです。
世界的にみても減少傾向にあるようです。
繁殖期には海に面した断崖で繁殖を行う姿が目撃されていますが、繁殖期以外の生息場所についてはまだよく分かっていないようです。
ケイマフリの鳴き声
ケイマフリの鳴き声は「ピィー」や「ピッピッピッ」とよく通る声で鳴くようです。
鳴き声の種類・意味
「ピッピッピッ」はオスが求愛するときに出す鳴き声の様です。
ケイマフリは求愛ディスプレイをするようで、水面でオスとメスが向かい合い、オスが「ピッピッピッ」と鳴きながらくちばしを斜め上にあげる、という行動をするそうです。
ケイマフリは鳴き声が美しく、「海のカナリア」とも呼ばれているそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ここではケイマフリの鳴き声や特徴・生態についてご紹介しました。ここでご紹介したことは、
☑ケイマフリの名前の由来はアイヌ語の「ケマフレ(赤い足)」
☑全身が黒く、足はとてもきれいな赤色で、目のまわりが白く縁どられている
☑ケイマフリの大きさは39~41cmほど
☑ケイマフリには夏羽と冬羽がある
☑ケイマフリは空も飛べて海も泳げる
☑冬は海上で小さな群れで生活している
☑主に魚類を食べ、その9割は「イカナゴ」
☑ケイマフリの繁殖期は3~8月で、海に面した断崖で繁殖する
☑抱卵、育雛共にオスメス両方が行う
☑ケイマフリはカムチャッカ半島東岸からオホーツク海、日本海北部などに分布
☑ケイマフリの鳴き声は「ピィー」や「ピッピッピッ」
です。
日本で見られるのはほとんどが夏の繁殖期になるケイマフリ。まだまだ謎の多い鳥のようです。
絶滅危惧種に指定されてしまっていますが、日本での個体数が増えるといいですね。