シラコバトの生息地や特徴・鳴き声について
公園や街の通りなどでよくハトを見かけますよね。
一般的に「ハト」といえば、グレーのハトを思い浮かべます。
公園でパンくずなどを与えた事がある方もいるでしょう。
今回ご紹介するのは、そんなハトの仲間の「シラコバト」です。
シラコバトはハトですが、日本での生息地が限られている珍しいハトです。
この記事では、シラコバトの名前の由来や見た目の特徴、食べ物や生息地についてなどを順番にご紹介いたしますので、よく見かけるハトに比べて何が違うのか見比べながら、ご覧ください。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
シラコバトの名前の由来
シラコバトは、ハト目ハト科に分類される鳥類のなかまです。
シラバト、ノバトなどとも呼ばれています。
名前の由来は、白い身体と、小柄で細身な見た目であると考えられます。
シラコバトの漢字表記・英語名・学名
シラコバトは、漢字で表記すると「白子鳩」と書きます。
「白い小さなハト」という意味だと言われています。
英語名は、Eurasian Collared Doveと表記します。
英語名は、直訳すると「ユーラシアの襟付きのハト」という意味です。
後述しますが、首元に襟のような黒い模様があることから、この名前がついたと考えられます。
学名は「Streptopelia decaocto」です。
シラコバトの特徴
ここからは、シラコバトの特徴についてご案内いたします。
大きさや見た目の特徴や色、模様などをご紹介します。
シラコバトの大きさ
シラコバトの大きさは、全長約33センチです。
一般的に日本の公園でよく見かけるグレーのハトよりやや小ぶりです。
シラコバトの見た目の特徴や色・模様
シラコバトはオスとメスは同色で、素人ではなかなか見分けがつけられません。
見分ける必要がある場合は、専門家に見てもらうと良いでしょう。
全身が白または灰褐色で、背と尾に向かって褐色みが増していくグラデーションのような色合いをしています。
この色でオスとメスを見分けるわけではありませんので、注意しましょう。
英語名の由来にもなっている、襟のような模様が首元にあるのが特徴的です。
全体的にやや細身で、頭部がすっきりとして見えます。
首は細く長く見えます。
シラコバトの寿命
シラコバトは野生で10年ほど生きると言われていますが、野生は危険も多いために寿命をまっとうする前にケガなどをしてしまう場合があります。
30年飼育したという例もあるそうです。
ですが、野生のハトを勝手に捕まえたり、駆除したりすることは鳥獣保護法違反となるおそれがあります。
また、シラコバトは天然記念物に指定されていますので、許可を得ている保護団体以外は、飼育することはできません。
シラコバトの生態
ここからは、シラコバトの生態についてみていきましょう。
何を食べるのか、渡りをするのか、どんな生活をしているのか等について順番にご紹介いたします。
草の種子や木の実を食べる
シラコバトは主に草花の種子や木の実を食べます。
毎日、およそきまった時間に餌を獲る場所へとやってきて、採餌をおこないます。
餌は植物質のものが中心で、畜舎にいるものは穀類を与えられています。
野外では野草や野菜類、種子を主に食べるとされています。
畜舎以外の場所では、耕作地や河川敷、田んぼ,耕作地沿いの道路などを歩き回り、餌を探していることもあります。
また、人の家の近くまで餌を食べるために集まることもあるようです。
渡りを行わない
シラコバトは渡りを行いません。
生息地に周年生息している留鳥です。
中には、他の地域から飛来したシラコバトが定着している例もありますが、これは渡りではなく、移住であると考えられています。
>>留鳥の「タマシギ」の鳴き声や生態、特徴についてはこちら♪
普段はつがいで生活する
シラコバトは普段はつがいで生活する生き物です。
つがいで飛び回っている様子がよく観察されています。
繁殖期
繁殖期になると、メスは「ポポーポゥ」と聞こえる声で鳴き、求愛します。
巣は草木や細い木の枝等を集めてお椀型のものを作り、その中に卵を産んで繁殖します。
卵は綺麗な白色をしています。
シラコバトは絶滅危惧IB類に分類されており、日本では自然公園などでの保護活動が続いています。
シラコバトの生息地・分布
シラコバトの生息地は、主にユーラシア大陸や、北アフリカです。
ユーラシア大陸に分布していることが、英語名の由来にもなっていますね。
日本に生息するシラコバトの個体は、江戸時代に観賞用として移入された個体が放されてしまい野生化したものといわれていますが、もともと日本に生息していただろうという説もあると言われています。
日本の生息している区域は、関東地方北東部が主です。
一時期は埼玉県東部にまで生息地が狭められていましたが、、1956年に、シラコバトは国の天然記念物に指定され、保護活動が続けられています。
その成果もああって、最近は群馬県南部でもシラコバトの生息が確認されました。
またこれとは別の件で、朝鮮半島から飛来したと考えられる個体が山口県萩市の見島で観察されたという記録が残っています。
シラコバトは埼玉県のシンボルとして愛されていて、埼玉県にまつわるキャラクターのモチーフにもなっています。
また、埼玉の自然公園では、積極的な保護活動と、観察記録の公開が行われています。
シラコバトの鳴き声
シラコバトは、「ポッ、ポー、ポ」と2音目が長い3拍子で鳴くことが多いです。
縄張りの確認や求愛行動中のディスプレイ飛翔時などには、「ウー!」という声で鳴くこともあるそうです。
シラコバトの鳴き声は、こちらの動画で確認することができます。
つがいの仲良しな姿に癒されますね。
よく聞くと、「ポッ、ポーウ ポ.ー」と聞こえます。
これがシラコバトの鳴き声です。
鳴き声の種類・意味
鳥の鳴き声には大きく二種類があり、主に仲間同士の合図や意思疎通に使われる地鳴きや、求愛行動やなわばり確認などに使われるさえずり等があります。
シラコバトの鳴き方で特徴的なのは、先ほどご紹介した、ディスプレイ飛翔時の「ウー!」という鳴き声でしょう。
この鳴き方は繁殖期にみられ、求愛のために行われていると考えられています。
まとめ
今回はシラコバトについて調べたことをご紹介いたしました。簡単に内容を振り返ってみましょう。
☑シラコバトはハトの仲間で、白や灰色の身体をしているのが特徴的です。
☑シラコバトは主に草花の種子や木の実を食べる。人の家の近くまで餌を食べにくることもある。
☑渡りを行わず、生息地で周年過ごしている。
☑つがいで行動し、求愛する際は飛翔しながら鳴く、ディスプレイと呼ばれる行動をする。
☑シラコバトの生息地はユーラシア大陸や北アフリカが中心。日本には移入されたという説と、もともと生息していたという説がある。
☑絶滅危惧種に指定されており、保護活動が進んでいる。
いかがでしたか?
このように、天然記念物に指定されている鳥は、皆で守って行かないといけませんね。
ですが、保護されているいないにかかわらず、生き物は大切にしなければなりません。