フクロウの生態や鳴き声・生息地・日本での種類等について
フクロウは鳥類の中でも特に知名度が高く、愛らしい外見からペットとしても人気があります。
ただ、詳しい生態についてはまだまだ知られていないこともあるようです。
今回はそんなフクロウの生態や特徴について説明したいと思います。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
フクロウの名前の由来
フクロウの名前の由来には様々な説があり、毛が膨れた鳥であることに由来する説、鳴き声に由来する説、昼隠居(ひるかくろふ)から転じたと言う説などがあるそうです。
漢字表記・英語名・学名
フクロウの漢字表記は「梟」、英語名はUral owl、学名はStrix uralensisと表記します。
フクロウの特徴
フクロウは鳥網フクロウ目フクロウ科フクロウ属に属される鳥です。
フクロウの大きさ
フクロウの大きさは全長50~62㎝、翼の開帳時は94~110㎝、尾の長さは22~25㎝、ハシボソガラスと同じくらいの大きさだと言われています。
体重はオスが500~950g、メスが570~1300gだそうです。
フクロウの見た目の特徴や模様・色
フクロウはオスメス同色、体色は上面は褐色で濃褐色、灰色、白色の斑紋があり、下面は白色で褐色の縦縞があります。
顔は灰褐色で、尾羽には褐色の横斑、翼下面は淡褐色で黒色の縦縞があります。
外見は平たいお面のような顔にハート形の顔磐、頭部は丸くて大きく、翼は短く幅広い、尾羽は12枚あり、やや扇形をしています。
フクロウの目の構造
フクロウの目は、他種の鳥類が頭部の側面にあるのに対し、人間と同じように頭部の前面に横に並んでいます。
目は大きく、夜行性のため暗闇でもよく見えるように眼球が大きく発達しているそうです。
また、眼球と瞼の間に半透明の瞬膜があり、日中は眼球を覆って保護しています。
角膜は大きく盛り上がり、網膜細胞が発達しているそうです。
フクロウの耳の位置
フクロウの耳は目の横にあり、顔盤の羽毛に隠れているため外からは見えないそうです。
また、左右の耳は大きさが異なり、位置も上下にずれているため、左右の耳に入ってくる音のわずかなずれから、音源の位置の方向と距離を立体的に認識できると言われています。
首が280度回る
フクロウは、目で遠近感をつかめる範囲は60~78度と広いのですが、視野は約110度と狭く、これを補うために頸が上下左右に約180度回り、真後ろを見ることができるそうです。
また体を動かすことなく首だけで約280度回すことができると言われています。
フクロウの寿命
フクロウの寿命は小型の個体で10年ほど、中型~大型の個体で20年以上と、鳥類の中でも長寿だと言われています。
フクロウの生態
フクロウとは夜行性の猛禽類で、日本では4亜種が生息しています。
里山や森などを好みますが、都会の神社や公園などで見かけることもあるそうです。
生態系の頂点にいる鳥
フクロウは小型の哺乳類から中型の鳥類、カラスを襲うこともある夜行性の生態系の頂点にいる鳥類と言われています。
夜行性
フクロウは日中は暗い林の中で休息し、夕暮れから活動を始めると言われています。
また翼に備える羽には音を消す効果があり、無音無気配で空を飛ぶことができるそうです。
単独、またはつがいで行動する
フクロウは単独またはつがいで行動すると言われています。
つがいになると年間を通しともに行動し、生涯に及ぶと言われています。
縄張りについては詳しくはわかっていないそうです。
聴覚が発達している
フクロウの発達した顔盤は小さな音を聞き取るアンテナとしての機能があるため聴覚が発達しており、音によって獲物の位置を特定することができるそうです。
目の感度が人間の10~100倍ある
フクロウの目は人間の10倍から100倍の感度があると言われています。
フクロウの食性は肉食
フクロウの食性は肉食で、主にネズミ類、小型哺乳類、鳥類などを採食するそうです。
特に、地上を匍匐潜行するネズミ類やモモンガなど、フクロウと活動時間帯が同じ夜行性である生物を好むと言われています。
狩猟方法は、まず下枝の少ない林の枝の上などで監視し、獲物を見つけると羽音を立てずに下降し、翼を背上に立てながら両脚を伸ばして獲物の方へ突き出し、4本の指を十字形に開いてつかみ、握りつぶすように捕食するそうです。
また、両生類や爬虫類、昆虫類などを採食することもあるようです。
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フクロウの生息地・分布
フクロウはユーラシア大陸の中、高緯度地方に分布しているそうです。
日本では、北海道から本州、四国、九州にかけてみられ、個体数は少ないが普通に見かけることのできる留鳥であると言われています。
低地、低山帯から亜高山帯にかけての様々な樹林に住み、特に大きな樹木のある落葉広葉樹林や針広混交林を好むそうです。
また、農耕地や草原、濃密に茂った針葉樹林などでも見られることがあるそうです。
日本に生息しているフクロウの種類
日本にはエゾフクロウ、フクロウ、モミヤマフクロウ、キュウシュウフクロウの4亜種が生息しており、北の亜種ほど体色が白く、南の亜種ほど暗い色合いをしているそうです。
フクロウの繁殖期
フクロウの繁殖期は3月から5月頃で、一夫一妻で行われます。
オスは1月から2月頃の求愛期から、盛んにさえずり始め、つがいになると営巣を始めるそうです。
巣作り
フクロウの巣は樹洞やカラスなど他種の古巣、また壁の穴や地上にある洞穴、巣箱などを利用することもあるそうです。
巣材はあまり使うことはなく、枯れ葉を敷く程度だとされています。
産卵~孵化~子育て
フクロウの1巣卵数は3~4個、抱卵はメスのみで行い、かなり長時間抱卵を続け、雛は27~32日間ほどで孵化するそうです。
その間オスはメスにエサを届け、育雛中も続けるそうです。
巣立ち
育雛中はオスの運んだエサをメスがむしって雛に与え、30~34日で巣立つと言われています。
また巣立ち始めてから、雛がすべて巣立つのに、2~3日かかると言われています。
フクロウの鳴き声
フクロウの鳴き声は大きく、数キロメートル先まで聞こえることがあると言われています。
また、フクロウのオスは犬が吠えるような低い声で、十数秒おきに物悲しく泣くことがあり、不吉な鳥だと言われていたこともあるそうです。
鳴き声の種類と意味
フクロウのオスのさえずりは、「ゴッホウ ゴロッケ ゴゥホウ」 とよく通る透き通った声で鳴き、メスはあまり響かない低くかすれた声で鳴くと言われています。
地鳴きはオスが、「ホッホッホッホッ」、メスは鋭く濁った声で「ギャーギャー」と鳴くそうです。
フクロウとミミズクの違い
フクロウと同じフクロウ目であるミミズクは間違われることが多いと言われています。
目立つ違いは、耳のように見える飾り羽である羽角があるのがミミズクで、ないのがフクロウと言うところで見分けることができるそうです。
まとめ
☑フクロウは全長50㎝程で、ハシボソガラスと同じくらいの大きさ
☑夜行性のため、目と耳が発達している、視野を補うために首が回る
☑食性は肉食、小型の哺乳類や鳥類を好む
☑日中は暗い森の中にいるため、人目に付きにくい
☑一夫一妻で生涯過ごす、繁殖期に営巣せず、他の種の古巣や洞穴を利用する
☑ミミズクとの違いは羽角があるかないか
フクロウは愛らしい外見とは違い、肉食でカラスさえ襲うこともあるそうです。
繁殖期に巣に近づくと襲われることがあるようですよ。
薄暗い神社の森などでは見かけることもできるそうですが、繁殖期にはあまり近づかないように注意しましょう。
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