オシドリの生態や鳴き声・英語ので呼び方や特徴について
オシドリと聞くとどんなことを連想するでしょうか。
仲の良い夫婦、いつも離れないつがい、きれいな鳥。
画像や動画などを見てもやはりこんな連想をします。
つがいの水鳥が池の中を仲良く泳ぎ回っている風景は、美しく癒されるものですが、オシドリはどんな鳥なのでしょうか。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
オシドリの名前の由来
オシドリは夫婦仲のよい象徴になっています。
いつ見てもつがいが仲良く泳ぎ回っている様子は、ほほえましいものがあります。
オシドリの漢字表記・英語名・学名
漢字表記 「鴛鴦(おしどり)」
英語名 「Mandarin duck」
学名 「Aixgalericulata」
「鴛鴦」きれいな漢字ですが、鳥という字はありません。
最初の「鴛」をオス、「鴦」をメスというそうです。
英語名のMandarinは北京の官吏、役人という意味と、公用語という意味があるそうです。
Mandarin orangeはみかんですが、マンダリンという中国原産のオレンジがあります。
どちらもオリエンタルムードたっぷりな意味があり、オシドリの風貌を見ていると確かに東洋を彷彿とさせる模様です。
オシドリの特徴
オシドリは短距離の移動を季節ごとに繰り返して生息する鳥です。
ときおり、海外からの渡り鳥が紛れているという報告もあります。
繁殖期には、つがいがいつも同一場所にいます。
オシドリの大きさ・重さ
オスとメスで少し違います。
オスは45~48㎝。メスは41㎝ぐらいです。
翼を広げた大きさは68㎝~74㎝です。
体重は0.6㎏がオス、メスは0.5㎏。
メスはオスよりも小さめです。
オシドリの見た目の色・模様・特徴
繁殖期のオスは冠羽と呼ばれる後頭と頬から頸にかけての羽が伸び、翼の先の風切羽が銀杏のような形になります。
紫や橙色の美しい縞の模様が体全体に出てきます。
繁殖期は夏なので、夏の間中、このきれいな羽で過ごし冬の非繁殖期の生え変わりまでそのままです。
非繁殖期にはくちばしは赤いままですが、メスの地味な灰褐色と同じような色になります。
メスは地味な灰褐色で、胸には白い斑点模様が、目の後ろには白い線模様があります。
カモ科の鳥らしい丸っこいかわいい姿態です。
オシドリのオスメスの違い
オシドリのオスメスの違いは見た目にはっきりと分かります。
これは繁殖期にオスがきれいな羽に生え変わるからですが、非繁殖期にも嘴はオスが赤い色をしています。
体格もオスがやや大きいです。
オシドリの寿命
寿命は10年~20年です。
オシドリの生態
オシドリは水辺の近くの木の洞に巣を作ります。
水から上がり果実や種子を食べるため、木の枝に留まることもあります。
開けた水面には出ないで、水辺の木陰にいることが多いようです。
繁殖期ではない厳冬期には、数十羽から数百羽の群れを作って生息します。
渡り鳥ではありませんが、漂鳥(ひょうちょう)と言い、短距離の移動を季節ごとに繰り返す鳥です。
繁殖期とそうでない非繁殖期には違う所に生息します。
食性は雑食性
餌は、昆虫やミミズ、陸生の貝類などです。
シイ、カシ、ミズナラなどのドングリを好んで食べます。
水の上だけでなく、森の中を餌を探して歩き回ることもあります。
水の上でも陸上でも、餌を探しています。
求愛ディスプレイをする
求愛ディスプレイとは繁殖期にオスがメスに対して優位さを見せて、パートナーとなることです。
オシドリの場合、群れの中ではオスの方が数が多くより力の強いもの、より美しいものでないと、パートナーになれません。
求愛ディスプレイは水の上では頭を上下に動かしたり、水に嘴を繰り返しつけたりしてメスの気を引きます。
羽を広げ、体を大きく見せるように水上に飛び上がるようにします。
陸上では胸を膨らませたり、メスの毛づくろいをしたりします。
また、敵に襲われたときはメスを守るため亡くなったフリをして敵の目をそらし、メスを逃がしたりします。
この自己犠牲にはちょっと心を打たれます。
繁殖期
繁殖期は4~7月で抱卵はメスのみで行うため、天敵に襲われることの少ない高木に巣を作ります。
卵は9~12個を産み、期間は28~30日です。
ヒナは孵化してすぐに高木の巣から飛び降ります。
羽が小さいため飛ぶことはできないので、飛び降りるというよりは、落ちるという感じです。
羽は40~45日くらいで生え、飛翔できるようになります。
このようにたくましいヒナですので、オスは育雛を手伝いません。
メスが産卵すると、メスから離れオス同士寄り集まってブラブラしています。
求愛中の世話焼きはどうしたのか、と思うくらいの変化ですね。
オシドリの生息地
オシドリは漂鳥で、日本での生息地は夏と冬では変わります。
夏の繁殖期には北海道や本州では北の方に生息し、冬は西日本より南の方に移動します。
冬には都会の中でも大きな湖沼がある場所で、100羽ほどの大きな群れを作ります。
冬に兵庫県の方に移動するときには、繁殖期のままの羽で飛んでくるらしく、美しいオシドリが見られるようです。
オシドリは東アジアに生息する鳥で、日本国内で移動しますが、時には海外のオシドリが渡ってくるという報告もあります。
オシドリの鳴き声
オスの鳴き声
メスの鳴き声
鳴き声の種類・意味
YouTubeでの動画では、オスの鳴き声はメスがいなくなった時に探し回る声です。
「ピューイピューイ」「ウィップ」、
あまり鳴かない鳥ですが、メスは「クァッ」「キュイ」と低い声で鳴きます。
春から夏にかけての繁殖期の間にだけ鳴くものが多いようです。
オシドリの天敵
猛禽類が一番の天敵です。
都会や地方都市の堀や湖で冬を越すオシドリが多いですが、都会でもオオタカなどの猛禽類が増えています。
まとめ
美しく、優雅なオシドリを単純に渡り鳥だと思って見ていたのですが、漂鳥(ひょうちょう)という鳥がいると知りました。
日本や東アジアにだけ生息する鳥ということも、この機会に分かりました。
レッドデータではないのですが、地域によっては少なくなってしまった所もあるようです。
また水の上ではなく高い木の上に巣を作ったり、孵化したばかりのヒナが自力で飛び降りたりとイメージ通りでない生態が面白いと思いました。
オスも全く育雛を手伝わず、ブラブラと手持ち無沙汰にオスばかり集まっているというのも、イメージとは違います。
こんなに身近な鳥なのにまだまだ分からないこともあるのですね。