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トウネンの夏羽と冬羽の特徴や鳴き声・生態について

トウネンという名前を聞いたことがある人は少ないかもしれません。

しかし、いつの間にか浜辺などで見かけていることが多い鳥ではないでしょうか。

そんな、トウネンの、特徴や生態について説明していきます。


トウネンの名前の由来

トウネン 名前 由来

トウネンは、体の小さい事から、もともとは当年子と書いて、トウネゴと呼ばれたり、トウネゴシギと呼ばれていました

この理由は、その年に生まれた子のように小さい事から、このように呼ばれていたそうです。

しかし、体の小ささだけでなく、とても良く動きまわって、餌を探すので、この姿が子供のように活発に動く事を連想させるため、トウネゴと呼ばれ、現在のトウネンに変わったと言われています。

漢字表記・英語名・学名

トウネンの漢字表記は、名前の由来で少し触れましたが、当年子から、「当年」と書かれます。

英語名ではRed-necked Stintと書かれ、学名では、Calidris ruficollisと表記されます。

発音は「カリドゥリス ルフィコッリス」で、赤い首の斑点のあるキジという意味のようです。

トウネンの特徴

トウネン 特徴

小柄なキジであるトウネンは、どのような特徴があるのでしょうか。

大きさや見た目について説明していきます。

トウネンの大きさ

トウネンの体長は、全長約15cmと、スズメとほぼ同じ大きさをしています。

キジの中では、最も小さい種類のひとつになります。

このため、名前の由来のように、小さい子供のようだと表現されます。

体重は2047gです。

個体によって、差があります。

トウネンの見た目の色・特徴

トウネンのプロポーションは、胴長で短足です。

小柄で背が低いうえに、足より後ろ側が長いです。

嘴は、短く少し太めで、先端が丸く見えます。足は黒色をしています。

腹から下部分が白色をしています。

上部分は、褐色と黒色のまだら模様のように見えます。

トウネンの夏羽と冬羽

トウネン 夏羽 冬羽

トウネンは、夏羽と冬羽の色が多少異なり、その特徴が分かれます。

夏羽では、頭部はほぼ均一に赤褐色に染まります

また、肩羽と三列風切の縁が赤褐色になります。

ただし、三列風切の羽が生えかわるのが遅く、日本にいるトウネンは、冬羽である灰色のままの個体も見かける事があるそうです。

雨覆には、夏羽の時期でも、冬羽を多く残すことがあり、灰色をしていることがあります。

冬羽になると、色の違いは、何度か触れていますが、赤褐色よりも灰色になります

また、羽には細かい軸斑が有り、頭部には細かい斑が出てきます。

>>夏場と冬場がある「アマサギ」の特徴や生態、鳴き声についてはこちら♪

アマサギの特徴や生態・鳴き声について

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トウネンの寿命

トウネン 寿命

野鳥でしかも渡り鳥となると、その寿命を観察する事はとても難しくなります。

野鳥では、ある程度生きると、生きるための知識と経験が身につき、寿命も飛躍的に延びるといわれます。

トウネンの仲間であるキジの寿命は10年と言われています。

ただし、キジの体長は70cm程あるため、トウネンの寿命は、それよりもはるかに短いのではないでしょうか。

トウネンの生態

トウネン 生態

トウネンの特徴はわかっていただけたと思います。

そこで、トウネンはどのような生活を送っているのでしょうか。

トウネンの食べ物や行動の仕方、繁殖期について詳しく説明していきます。

昆虫や甲殻類を食べる

トウネンは、浜辺や磯、河口など水のある場所で生活していることが多いです。

このため、餌となるものは、干潟の小動物や昆虫、カニなどの甲殻類を食べます。

ただし、泳いで餌を捕る事は無く、足が届く範囲の浅い場所で餌を探します。

内陸部での個体数は少ないようですが、内陸では、昆虫なども餌として食べるようです。

群れで行動する

トウネンは群れで行動することが多いです。

数羽から、時には100羽を越すほどの群れをつくり、行動することもあります。

渡りの時期になると、数万羽の大群にもなることがあるそうです。

繁殖期

トウネンの繁殖期は57月頃で、一夫一妻制です。

1つの巣に産卵される卵の数は34で、オスとメスが抱卵を行います。

孵化すると、メスが子育てを行うようです。

繁殖地は亜寒帯のツンドラ地帯で、山麓や谷間、丘などに巣を作ります。

繁殖期になると、オスのフライトディスプレイが行われ、地上1215mの高さで、上昇と下降を繰り返すスイッチバック型と呼ばれる飛び方を行うそうです。

>>フライトディスプレイを行う「クサシギ」の鳴き声や生態、特徴についてはこちら♪

クサシギの鳴き声や生態・特徴について

トウネンの幼鳥の特徴

トウネン 幼鳥 特徴

トウネンの幼鳥は、眉斑が薄く、顔のメリハリの少ない個体が多いそうです。

上背にあるV字の模様は、幼鳥ではほとんど不明瞭で、明瞭な幼鳥は稀なようです。

肩羽には、縁の赤味が少し強めで、軸斑は太いものが多いです。

また、雨覆と三列風切の、羽縁と軸斑のコントラストがぼんやりとしていて、少ないため、はっきりとした模様には見えないことが多いそうです。

全体的に、固体差が大きいため、幼鳥の中にも、はっきりとした模様を持つものもいるそうです。

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トウネンの生息地・分布

トウネン 生息地

トウネンは渡り鳥で、繁殖期の部分で少しふれましたが、夏の間はシベリアの北東部やアラスカの北西部のツンドラ地帯で繁殖します。

冬になると、東南アジアからオーストラリアやニュージーランドなどの地域で越冬します。

日本で見られる季節は、春と秋で、渡りの途中に立ち寄ることが多く、旅鳥とされています。

小型のキジの中では、最も多く見ることができます。

生息地としては、餌のところで紹介しましたが、干潟や水田、湿地帯といった、水がある場所に現れることが多いです。

ただし、泳ぐ事はしないため、足のつく範囲を歩き回ることが多いです。

トウネンの鳴き声

トウネンの鳴き声を紹介します。

とても小さな声で、良く聞いていないと聞き逃してしまうほど、短い発声ですね。

鳴き声の種類・意味

トウネンは、とても小さな声で「ピッ」や「チュ」と鳴きます。

歌を歌うような鳴き方ではなく、音が出てしまうような感じで鳴きます。

トウネンとミユビシキの違い

トウネン ミユビシキ

トウネンにとても良く似た野鳥にミユビシキという鳥がいます。

それぞれ単独で見つけたら、その違いがとてもわかり難いのですが、まず、体長の違いは、トウネンは約15cmとお伝えしましたが、ミユビシキは約20cmと、トウネンに比べると大きいです。

この他に、体色ですが、トウネンが褐色なのに対し、ミユビシキは、白色をしています。

また、翼角が黒っぽい色をしているのがミユビシキです。

足の指のもトウネンとミユビシキとは異なります。

一緒にいると、その違いははっきりとわかります。

まとめ

トウネン まとめ

名前を聞いただけでは、思い浮かばないかもしれないトウネンですが、もしかしたら、1度は見かけているかもと思っていただけたと思います。

では、トウネンの記事について、まとめていきます。

☑トウネンの名前の由来は、その年に生まれたような、小さな事から名付けられている。

☑大きさは約15cmで、良く見かけるスズメと、ほぼ同じ大きさの渡り鳥。

☑浜辺や磯、河口、干潟など、水のある浅瀬で見ることができる。

☑餌は、昆虫や甲殻類を嘴で捕って食べる。

☑普段は群れで生活し、数十羽から、百数羽と個体数の多い群れを作る。

☑繁殖期は57月頃で、ツンドラ地帯で繁殖活動を行う。

☑とても良く似た鳥にミユビシキという野鳥がいて、単独で見つけると区別が難しいが、比べてみると、その違いがはっきりする。

トウネンについて、どんな野鳥かわかってもらえたと思います。

そして、「見たことあるかも」と感じた人も多いのではないでしょうか。

もし、見たことがない人は、春か秋に浜辺へ行ってみてください。

きっと見つけることができるのではないでしょうか。

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