ノビタキのオスメスそれぞれの特徴や夏羽と冬羽について
皆様は「ノビタキ」という名前の鳥をご存知でしょうか。
スズメほどの大きさでとても色合いが美しい鳥類なのですが、日本では見られる時期が決まっています。
ノビタキは性別により全く違う色合いをしているうえ、時期によって色合いが異なります。
ですので、バードウォッチングを楽しみにしていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
今回はノビタキのオスとメスのそれぞれの特徴や、夏羽と冬羽についてご紹介します。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
ノビタキの名前の由来
ノビタキの名前の由来は、野原によくいるヒタキ類ということであるそうです。
ノビタキがなぜ野原によくいるのかというと、主食である昆虫類を捕まえるためだそうですよ!
ノビタキの漢字表記・英語名・学名
ノビタキの学名は「Saxicola torquatus」です。
漢字表記は「野鶲」で、鶲(ひたき)という漢字にはあまり馴染みがありませんが、ヒタキ科の鳥類には鶲という文字が多く使われています。
英語名は「Stonechat」とされており、そのまま「ノビタキ」という意味です。
ノビタキの特徴
ノビタキはスズメ目ヒタキ科(ツグミ科)ノビタキ属に分類される渡り鳥です。
ノビタキは13cmほどの小さい鳥類で、とても色彩に特徴のある種類の鳥ですよ。
オスとメスでは色が違い、特にオスの夏と冬の色の差が印象的です。
>>同じヒタキ科の仲間「オガワコマドリ」の生態や特徴、鳴き声についてはこちら♪
ノビタキの大きさ
ヒタキ科の鳥類は300種類ほどあり、大きさは9cm~22cmまでと様々ですが、ノビタキは中間とも言える全長13cmほどの大きさです。
翼開長すると21cmほどになり、小型の鳥類に分類されています。
身近な鳥類で例えるとスズメが15cmとされているので、スズメよりも少し小さい大きさと考えて頂ければわかりやすいと思います。
ノビタキの見た目の特徴・色・模様
ノビタキはオスとメスで色が異なります。
共通した見た目の特徴としては、オスとメス共、夏羽の翼に白斑が見られます。
オスの白斑の方が大きく、メスは小さめです。
色もオスとメス共に夏羽・冬羽がありますよ。
オスの場合、冬はスズメのような見た目になりますが、夏は全然違う印象です。
ノビタキの夏羽冬羽の違い
ノビタキの夏羽と冬羽の違いをオスメス別に調べてみました。
オス
夏羽は、頭全体、背、尾が真っ黒で、黒い翼に白の白斑が目立ち、とても綺麗です。
首の一部とお腹部分は白く、胸部分にはオレンジ色のグラデーションがかかります。
冬羽は、全体的に濃い茶色、目元と尾は黒く、翼の一部にも黒が入ります。
夏羽は白かったお腹が、全体的にオレンジ色になり、首元の一部に白が混じる形になります。
翼の白斑はなくなります。
メス
メスの夏羽はオスのように黒くはなく、全体的に濃い茶色です。
喉とお腹は白色で、胸部分にオスと同じようにオレンジ色が入りますが、メスの場合は色が薄いですよ。
白い白斑はオスのものより小さめです。
冬羽は、全体的に薄めの茶色になり、夏羽の頃白かったお腹はオレンジ色に変化します。
首元には白色のネックレスのような模様が現れ、これはメスの特徴でもあります。
翼の白斑はオスと同じく、消えます。
ノビタキの幼鳥の特徴
ノビタキの幼鳥はメスの夏羽に近いですが、翼の色合いがメスの成鳥にくらべ、はっきりと濃く、胸のオレンジ色も濃いめだという特徴があります。
ノビタキの寿命
ノビタキの寿命としては、残念ながら詳しい記述がありませんでした。
しかし、同じような大きさで鳥類の分類も同じであるスズメの寿命は、野生のものだと1年半、最長のもので6年ほどなのであるそうです。
ですので、1~2年半ほどであると推定してもいいのではないでしょうか。
ノビタキの生態
ノビタキの繁殖期は5~7月、一夫一妻制で協力してヒナを育てます。
ノビタキの食性は主に昆虫類ですが、個体によって好みが違うとされており、様々なものを食べる雑食性です。
越冬のために渡りを行い、高地や草原に立ち寄ります。
餌を取るためにフライングキャッチを行い、一瞬で餌を捕食する姿は、まるでハンターのようです。
一夫一妻制
ノビタキは一夫一妻制で協力してヒナを育てます。
ノビタキは高い場所に巣を作り、卵を温めるのはメスの役割、餌を運ぶのはオスとメス両方で行うなど協力して子育てを行います。
食性は雑食性
ノビタキの食性は、主に昆虫類です。
コガネムシやハチ、カメムシなど様々な種類の虫を捕食します。
個体によって好みが違うそうで、ハチばかりを捕食する、イモムシばかりを捕食する個体などもあるそうですよ。
他には小型の爬虫類や、木の実なども好んで食べるそうです。
渡りを行う
寒冷地に住むノビタキは、越冬のために渡りを行います。
日本では、夏の時期は北海道や本州中部以北、九州の草原や高原で繁殖します。
春や秋の本州中部以南では、平地や畑、水田などでも渡り鳥として訪れる姿を見ることができます。
フライングキャッチを行う
イモムシなどの場合、歩いていきついばむこともありますが、フライングキャッチを行うこともあります。
普段は高い木の枝などに止まっていますが、捕食の時は低い木の枝に移り、飛び出すようにして虫を捕食します。
>>フライングキャッチを行う「キビタキ」の特徴や生態、鳴き声についてはこちら♪
繁殖期
ノビタキの繁殖期は5~7月の間です。
北海道の草原や本州では高原にて繁殖を行いますよ。
少しのスペースでも有効利用し、木の枝などにコップ型の巣を作ります。
1度に産む卵の数は2~6個で、産卵後2週間ほどで孵化します。
ノビタキの生息地
ノビタキの生息地はユーラシア大陸の北部~中部、西部にて繁殖しており、冬の寒さが厳しい北部に生息しているノビタキは越冬するために南下します。
北部以外で暮らしているノビタキは南下する必要がないため、一年を通して観測することができますよ。
ノビタキの鳴き声
動画の種類・意味
高い木の枝にとまり、4~8月頃の繁殖期前後まで、澄んだ美しい声でさえずります。
「フィフィフィロフィーフィーフィー」「チューピーピーチッ」など、様々なバリエーションに富んでいます。
さえずりは一回の鳴き声が長いことも特徴です。
地鳴きの場合は低く短い声で「ヂッヂッ」と鳴きますよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はノビタキのオスとメスのそれぞれの特徴や、夏羽と冬羽についてご紹介しました。
今回ご紹介したことは
☑ノビタキの名前の由来は、野原によくいるヒタキ類ということ
☑ノビタキの学名は「Saxicola torquatus」、漢字表記は「野鶲」、英語名は「Stonechat」
☑スズメ目ヒタキ科(ツグミ科)ノビタキ属に分類される渡り鳥
☑ノビタキの大きさは全長13cm、翼開長すると21cm
☑オスとメスで色が異なる
☑オスの夏羽は黒と白のコントラストが綺麗だが、冬にはスズメのような色合いに変わる
☑メスの夏羽はオスの冬羽と同じような色合いで、冬にはさらに色が薄く変化する
☑翼の白斑はオスの方が大きく、胸のオレンジ色もオスの色が強い傾向にある
☑ノビタキの推定寿命は1~2年半
☑一夫一妻制で協力してヒナを育てる
☑ノビタキの食性は、主に昆虫類、小型の爬虫類、木の実なども好んで食べる
☑寒冷地に住むノビタキは、越冬のために渡りを行う
☑日本では、夏の時期は北海道や本州中部以北、九州の草原や高原で繁殖する
☑1度に産む卵の数は2~6個で、産卵後2週間ほどで孵化する
☑ノビタキの生息地はユーラシア大陸の北部、中部~西部にて繁殖
☑4~8月頃の繁殖期前後まで、澄んだ美しい声でさえずる声を聞くことができる
以上のことがわかりました。
ノビタキはオスとメスで全く姿が異なり、季節によっても姿を変える美しい鳥です。
特に夏のオスの姿は印象的で、鳴き声も美しいノビタキ。
一度は実際に鳴き声や姿を見てみたいものですね!
>>ノビタキの卵を托卵してくれる「カッコウ」の鳴き声や生態についてはこちら♪