アオジの特徴や生態、生息地について!減少しているの!?
高原に住む代表的な野鳥であるアオジは、その体色から自然に溶け込むのが上手な鳥として知られています。
もともと人の目につかないように隠れる習性のある鳥ですが、今では個体数が減少し、さらに見ることができなくなっているようです。
今回の記事では、そんな貴重なアオジの生態や特徴などについて説明したいと思います。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
アオジの名前の由来
アオジは薄い黄色から緑色の体色を持った鳥ですが、日本では古くは緑色も青色に含まれていたため「アオ」のついた名前になったと言われています。
アオジの特徴
アオジはススメ目ホオジロ科に属し、キアオジ、ノドグロアオジ、シマアオジ、ノジコなどの仲間です。
足が細く胴体が大きいので、全体的にずんぐりとした外見が特徴ですが、黄色から緑色の体色がホオジロ科の仲間であるノジコとよく似ていて、素人では見分けるのが難しいと言われています。
アオジは目の周りが黒く、ノジコは白いアイリングがはっきりしているところで見分けるそうです。
アオジの大きさや重さ
アオジの大きさは全長14~16㎝位、体重は16~25g位、スズメとほぼ同じかやや大きいと言われています。
アオジの見た目の色や模様
アオジは薄い黄色から緑色で全体的に暗い色合いの体色をしていますが、オスとメスでは違う体色をしています。
アオジのオスメスの違い
オス
・頭が深緑色で首からお腹にかけて黄色い
・翼は赤茶色で胸や脇に黒い縦じま
・目の回りからくちばしにかけては黒く、精悍な顔つき
メス
・全体が暗い赤茶色、スズメとよく似た色合いをしている
・目の後方とあご付近に黄色い線がある
>>ホオジロ科の取り「ユキホオジロ」の生態や特徴、鳴き声についてはこちら♪
アオジの生態
アオジはとても警戒心が強く、長く観察するのが難しいと言われています。
普段は集団行動、繁殖期は単独行動
繁殖期でない普段のアオジは、少数のグループを形成し集団で行動しているそうです。
5~7月の繁殖期になると、オスは固有の縄張りを持つため、集団を離れて単独で行動するようになると言われています。
繁殖は、地表や低木の木の上に植物の茎や葉を組み合わせたお椀上の巣を作り行います。
1回に3~5個の卵を産みメスが托卵し14~15日ほどで孵化、雛は孵化してから12~13日ほどで巣立つそうです。
草や木の枝等にすぐ隠れる
アオジはとても警戒心が強く、用心深い性格だと言われており、草むらや葉が生い茂る小枝に隠れる習性があります。
体色が暗い色合いをしているのも、森の木々に紛れて身を守るための進化だと言われており、人前に姿を見せることはなかなかないそうです。
食性は雑食
主食は植物の種子などですが、時には小さな昆虫を食べることもある雑食性です。地上に降りて採食します。
アオジの生息地
アオジは主にアジアの寒冷地や山地などに生息しています。
渡り区分としては漂鳥(ひょうちょう)で、一つの地域で季節的に移動するそうです。
夏は山地で繁殖し、冬は暖かいところに移動して越冬すると言われています。
日本では初夏のころに東北地方や北海道の山地の明るい林や低木林で繁殖するそうです。
冬になるとインドシナ半島やインド南部、日本では積雪のない地方である本州の西部以南へ渡り、低い木のある草地や藪、林などやや薄暗い所を好んで冬を越すそうです。
また、冬の時期は樹木の高い所にとまることはあまりなく、地上付近を移動するそうで、河川敷や公園の植え込みなどでみられることもあるようです。
アオジの鳴き声
アオジの普段の鳴き声である地鳴きはとても地味だと言われており、高く鋭い声で「チッチッチッ」「ピリョリッ」と鳴きます。
繁殖や縄張りの主張のための鳴き声であるさえずりは、とても可愛らしく小鳥らしいと言われ、ホオジロに似た高く細い声で「キョ、キョピキョ」「キョロ、キョロ、ピッ」とゆるやかなテンポでまるで歌っているかのように鳴くそうです。
アオジの地鳴き
アオジの地鳴きは「チッ、チッ、チ」 と言う一声で地味ですが、とても印象的な鳴き声だと言われています。
アオジのさえずり
アオジのオスは縄張りの主張のために、木の上の高い所で大きくさえずるそうです。
クロジとアオジの違いって何!??
クロジのオスは灰黒色でアオジと見間違うことはないのですが、メスは見分けがつきにくいと言われています。
アオジのメスのほうがやや黄色味を帯びていると言うところで見分けることができるそうです。
また、地鳴きの声がよく似ていると言われ、アオジの方がやや濁った声で鳴くそうです。
アオジは減少している
アオジはまだ全国的に見ることができると言われていますが、神奈川県や奈良県などのいくつかの県ではレッドデータ(絶滅の懸念がある動物のリスト)に載る絶滅危惧種として指定されているそうです。
また、全国的にも個体数は年々減少していると言われています。
妖怪の「送り雀」の正体はアオジ!?
和歌山県や奈良県では「送り雀」という名で伝わる妖怪がいるそうです。
夜遅く山道を歩いていると現れると言い伝えられており、「チチチチ…」と言う鳴き声が聞こえてくるそうです。
鳴き声の後にはオオカミが現れ、転ぶと襲われてしまうので注意して歩かなければならなかったそうです。
この「送り雀」の正体がアオジであると言う説があり、アオジの印象的な鳴き声から結び付けられたのではないかと言われているようです。
>>ホオジロ科の仲間の「ホオジロ」の特徴や生態についてはこちら♪
まとめ
黄色いお腹が特徴の可愛らしい小鳥であるアオジですが、今ではなかなか見ることが難しくなっているようですね。
では、今回の記事をおさらいしてみましょう。
☑体長16㎝位で薄い黄色から緑色の体色
☑警戒心が強く、繁殖期は単独行動、雑食性
☑日本では初夏のころの繁殖期は寒冷地、越冬は温暖な地へ移動する
☑地鳴き地味な「チッチッチ」と言う声、さえすりは歌っているような声
☑個体数は減少しており、絶滅危惧種に指定しているところもある
☑アオジの可愛らしいさえずりの声が聞けなくなってしまうのは寂しいですよね。
冬場に積雪のない温暖な土地であれば住宅地でみれることもあるそうですから、よく注意してみてみたいですね。