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ハクガンの特徴や生態・鳴き声について

ハクガンは、カモ目カモ科マガン属に分類される鳥類とされ、日本に飛来するハクガンは数羽程度と言われている、とても希少な鳥のようです。

過去には、日本への飛来種は絶滅したと言われるほどでしたが、現在では少しずつではあるものの、増加傾向にあると言われています。

他の種類のマガン、ヒシクイなどに混ざって飛来してくるハクガンですが、見た目が異なる為、区別はとてもしやすいようです。

そんなハクガンの生態や特徴について調べてみました。


ハクガンの名前の由来

ハクガン 名前 由来

ハクガンの名前の由来は、白いガンの仲間であることから付いたようです。

鳥の名前の多くはその見た目や体毛の色から付けられることが多く、ハクガンもまた、そのセオリーに則った命名をされていると言えるでしょう。

ハクガンの漢字表記・英名・学名

漢字では「白雁」、学名はAnser caerulescens、英語も漢字表記と同じく、白いガンを表すSnow Gooseのようです。

ハクガンの特徴

ハクガン 特徴

ハクガンの特徴は何といってもその見た目でしょう。

全身が真っ白で翼の先端一部分だけが黒い姿をしており、その見た目から飛び立つ姿を「天使の舞」と評されることもあるほど、綺麗な白い鳥のようです。

その綺麗な姿のため、江戸時代には度々絵画に登場し、舞い降りる姿がまるで雪のようだと言われていたほど、白と黒のコントラストが特徴的な美しい鳥だと言えるでしょう。

ハクガンの大きさ

全長は60から90センチ程度、翼を広げると130から170センチにもなる大きな鳥のようです。

体重は2.5キログラム程だと言われています。

ハクチョウよりも小さく、マガンと同程度の大きさだと言えるでしょう。

ハクガンの見た目の特徴や色・模様

全身の羽衣が白く、羽根の先端部分、初列風切りが黒いようです。

クチバシは赤紫色やピンク色、後肢はピンク色をしているとされています。

個体の中には、胴体や翼の羽衣が淡い青い色をしたものや、上面が青で、下面が白色といった混合型なども存在しており、全身真っ白な個体を白色型、淡い青色の個体を青色型、混在している個体を中間型と呼んで区別しているようです。

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ハクガンの寿命

ハクガン 寿命

寿命は野生化において10年程度だと言われています。

飼育下においては25年以上、生存したという記録が残っているようです。

ハクガンの生態

ハクガン 生態

ハクガンは、湖沼や河川、内湾などに生息して、水生植物などを食べるとされています。

また、とても警戒心が強とされ、100メートル程度近づいただけで飛び立ってしまうほどと言われています。

江戸時代、明治時代など古い時代には、数百羽のハクガンが群れを成して飛来してきた記録があるようですが、現在では個体数が少なく、ハクガンだけではなく、ほかのカモ類、ハクチョウ類などに交じって飛来してくることが多いようです。

ほかのカモ類は褐色の鳥が多く、ハクガンはとても目立つようです。

食性が植物食

ハクガンは、主に池や沼などに生えている草の葉や、水生植物の根や茎などをエサとして食べているようです。

水田地帯では稲から落ちた穂などをついばむ姿も見かけられるようです。

まれに昆虫や貝類などを食べることもあるようです。

渡りを行う

ハクガンは北方の寒い土地から南下して越冬し、春にかけて北方へ戻っていく鳥だとされています。

この時、他の多くのカモ類やハクチョウ類などと一緒に混ざって飛来することが多いようです。

明治時代には数百の群れで飛来してきたとする記録が残っているようです。

>>渡り鳥「サシバ」の特徴や鳴き声、生態について

渡り鳥「サシバ」の特徴や鳴き声・生態について

繁殖期

繁殖期は5月~6月とされ、北米と北東アジアの北極海沿岸で繁殖し、1度に4,5個の卵を産むと言われています。

ツンドラ地帯の水辺に自分の羽毛を敷いて皿型の巣を作り、卵を産み、20~30日程度、抱卵するようです。

抱卵はメスだけが行うようです。

大きなコロニーをつくることもあると言われています。

卵からかえったヒナは、なんと24時間以内に自力で泳げるようになり、またエサも自分でとることが出来るようになると言われています。

そのまま巣立ちするというわけではなく、最初の冬は親鳥と一緒に行動するとされています。

成鳥になるまで巣で育つ他の鳥とは異なるようです。

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ハクガンの生息地・分布

ハクガン 生息地

ハクガンは、カナダ北部、アラスカ州、ウランゲリ島、シベリア東部で繁殖し、冬になると北アメリカ大陸西部やアジアなどへ南下し越冬すると言われています。

日本の江戸時代には絵画などに多くその姿を残していることなどから、多くのハクガンが日本に越冬していたことが分かっているようですが、繁殖地での乱獲、放牧などによる巣や卵の破壊、越冬地での乱獲などで数が激減、20世紀初頭にはアジアまで南下する個体は、一時絶滅したとも言われています。

1990年代に入り、各国で保護活動が始まり、2000年代に入ってからは、アジア圏での越冬個体数は増加の傾向にあるようです。

北米の一部では繁殖地での増加によって、繁殖地の減少が観測されており、期間限定で狩猟の復活を試みているようです。

日本においては飛来数が増えてきているものの、未だ各都道府県において絶滅危惧種に登録されている希少種となっているようです。

ハクガンの鳴き声

ハクガン 鳴き声

ハクガンの鳴き声は、ガンやカモと同じく「グァ」と短く鳴くことが多いようです。

餌を食べるときには「フュイ」、「キュイ」などの可愛らしい声で鳴くこともあるようです。

鳴き声の種類・意味

鳥の鳴き声には繁殖期に多く見られる「さえずり」という鳴き方と、普段のコミュニケーションなどで使われる「地鳴き」に大きく分けられるようです。

ハクガンはさえずりも地鳴きもそれほど区別することなく利用しているようです。

まとめ

ハクガン まとめ

日本では幻の鳥とも呼ばれていたハクガンについて調べてみました。

今回の記事を纏めると、

☑その白い姿からハクガンと呼ばれている

☑大きさは最大90センチにもなる

☑全身が白い個体の他、淡い青色をした青色型などがいる

☑寿命は10年前後、飼育下では25年以上

☑植物食だが稀に昆虫なども食べる

☑繁殖地では大きなコロニーを作ることもある

☑ヒナは卵からかえってすぐに泳ぐことが出来る

☑鳴き声はガンやカモと似ている

などと言うことが分かりました。

ハクガンの綺麗ない白い姿は、繁殖地の極寒の世界、白い雪の世界で目立たないように白い姿をしていると言われています。

ハクチョウにも勝るとも劣らないその姿を見かけたら、近づいてしまうと逃げてしまう恐れがある為、そっと遠くから写真に納めることをお勧めします。

>>日本固有種の希少な鳥「アカヒゲ」の生態や特徴についてはこちら♪

日本固有種のアカヒゲ!生態や特徴、鳴き声は?

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