ミヤマホオジロの特徴や生態・鳴き声について
ミヤマホオジロという鳥を見たことはあるでしょうか?
日本では冬季に本州中部以西や四国、九州などで見ることができ、東日本で冬を越すミヤマホオジロは数少ないと言われています。
愛鳥家でも初めて撮影したという人が多いほどミヤマホオジロは、日本では少なく珍しい鳥です。
ホオジロという鳥は沢山いますが、ミヤマホオジロはどのような鳥なのでしょうか?
特徴や生態、鳴き声についてご紹介します!
この記事でどんなことが知りたいですか!?
ミヤマホオジロの名前の由来
ミヤマホオジロを漢字で表すと「深山頬白」となるそうです。
「ミヤマ」は、漢字で「深山」となるので山奥という意味と思う人もいるようですが「遠隔地」を指すそうです。
昔は、朝鮮半島での繁殖は確認されていましたが、日本では確認されていなかったため、それが名前の由来になっているそうです。
英語名・学名
・学名:Emberiza elegans Temminck,1836 → 「優雅で上品で洗練されたホオジロ」
・英名:Yellow-throated bunting → 「喉が黄色いホオジロ」
ミヤマホオジロの特徴
ミヤマホオジロは、冬鳥として全国を渡り歩き西日本で多く見かけることができ、東日本では少ない鳥なので東日本の愛鳥家にとっては珍しい鳥と思う人も多いようです。
大きさ
全長約15~16cmなのでスズメくらいの大きさで翼を広げると約21cmになります。
見た目の模様・特徴
ミヤマホオジロは、スズメ目ホオジロ科の鳥類の一種です。
派手な顔を持っていますが、体はスズメに似ているそうです。
興奮すると頭の冠羽が立ち、ファンキーな見た目に、眼の上は鮮やかな黄色、くちばしの付け根から後頭部は黒い線が入っているのが特徴です。
オスメスの違い
<オス>
冠羽が発達しやすく、腹部は白い毛で覆われています。
眼の上にある眉上の斑紋や喉は黄色、胸の部分には三角形の黒い斑紋が入っているのが特徴です。
<メス>
喉から胸部にかけて薄い褐色で、腹部はくすんだような白色をしています。
オスに比べるとメスは地味です。
そのため、ミヤマホオジロと姿が似ているカシラダカと間違えてしまう人も居るようです。
ミヤマホオジロの寿命
鳥の寿命は種類によって違うと言われています。
野生の鳥は多く調べるのは大変なので詳しくはわかっていません。
平均寿命は、スズメで1年3か月、シジュウカラで1年8か月、ツバメで1年1か月と大変短いそうです。
小鳥の多くは、春の産まれて次の年の春までは生き延びることができません。
1年生き延びることができた鳥は、さまざまな経験を積んで、数年から10年以上生きているという記録もあります。
長生きしている鳥の例としてカモメの仲間で30年という記録もあるそうです。
ミヤマホオジロの生態
ミヤマホオジロは、どのような行動をとるのでしょうか?
少ない鳥だからこそどのようなものを食べるのか、どのような性格の鳥なのか気になりますよね?!
ミヤマホオジロの生態についてご紹介します!
混群を作る事がある
ミヤマホオジロは、繁殖期以外は少ない群れで行動しますが、ホオジロやカシラダカなどと混群を作ることもあるそうです。
ミヤマホオジロは、黄色い冠羽を持っているので混群を作っても目立つので、群れの中で目立つ鳥が居たらチェックしてみてください。
警戒心が強い
ミヤマホオジロは、臆病な性格をしています。
そのため、数羽から十数羽で行動をし、1羽で居ることは少ないようです。
警戒心が強い鳥なので、広い草地や農作地の中心部などではほとんど見ることができず、地上でも危険を感じるとすぐに飛んで行ってしまいます。
食性
雑食で昆虫やクモ類を食べますが、その他にイネ科やタデ科の植物の種子を食べることもあるそうです。
地上で食べ物を採ります。
ミヤマホオジロの生息地
ミヤマホオジロは、ユーラシア大陸東部、ロシア南東部、日本でも見ることができます。
夏には、中国や朝鮮半島で繁殖を行い、冬は中国南部や日本、台湾へ渡り冬を越すと言われています。
日本では、冬鳥として特に本州中部以西、四国、九州へと渡って、平地の林や公園などに住んでいるそうです。
ミヤマホオジロは、繁殖地であるロシアで5~6月には繁殖を行い、1度に4~5個の卵を産むと言われています。
巣の材料としてコケの動物の毛を組み合わせて皿状にし、草の根元や樹上などに作ります。
ミヤマホオジロの鳴き声
鳴き声の種類、意味
ミヤマホオジロは、「チッチッ」と地鳴きをするそうです。
オスは、繁殖期になると「チー、チュチュリ、チュルル、チィチュリ、チチ」と鳴きます。
ミヤマホオジロとカシラダカの識別方法
特にミヤマホオジロのメスは、カシラダカと似ているため間違われやすいそうです。
カシラダカは白いあご線があり、その下にもう1本黒い線が入っています。
ミヤマホオジロのメスには、黒い線は入っておらずあごの淡色が喉の淡色部分と混ざり合って1体となっているためミヤマホオジロにあご線というものはありません。
ミヤマホオジロの淡色の部分には黄色い毛も生えています。
カシラダカは、腰から上尾筒は赤褐色で淡色の鱗状模様、頭の後ろ側には白斑があるようです。
ミヤマホオジロが減少してきている!?
日本で冬を越すこともあるミヤマホオジロは、2004年に国際自然保護連合により絶滅のおそれがある野生生物としてレッドリストに登録されています。
埼玉県、山梨県、静岡県は準絶滅危惧種、滋賀県では希少種に指定されています。
まとめ
ミヤマホオジロは、日本でも見られる場所は限られているので、見たことがある人は少ないようです。
東日本では、見ることが少ないので東日本の愛鳥家によると珍しい鳥だそうです。
今回ご紹介したミヤマホオジロについてもう一度ご紹介します!
☑エレガントな鳥ですが、興奮すると冠羽が立ちファンキーな部分もある
☑全長約15cmとスズメと同じくらいの大きさ
☑スズメ目ホオジロ科の一種
☑オスは胸に黒い三角形の斑紋が入っているのが特徴
☑寿命は詳しくはわかっていませんが1年生き残れる鳥は少ない
☑カシラダカなどと混群を作ることもある
☑ミヤマホオジロは臆病な性格
☑昆虫やクモ類を食べる
☑日本でも冬を越すことがある
☑ミヤマホオジロは減少の危機にある
ミヤマホオジロは、一部の地域では準絶滅危惧種や希少種に指定されていることがわかりました。
ミヤマホオジロの寿命については載っておらず、鳥の平均的な寿命しかわかっていませんが、鳥たちは生まれても残念ながら次の年まで生き残れる数はとても少ないそうです。
少ない数ながら生き残った鳥たちはいろんな経験を積んで長生きしてほしいですね!
エレガントな容姿を持ち少ないですが、日本でも見ることができるミヤマホオジロを一度は見てみたいですね。