カワウによる被害や駆除対策方法
川辺でよく見ることのできるカワウですが、個体数が年々増加し色々な被害をもたらしているようです。
全国各地で様々な駆除対策が実施されていますが、個体数の減少にはつながっていないようです。
そこで、今回の記事では、カワウによる被害や駆除対策方法について説明したいと思います。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
カワウの個体数は年々増加している!?
カワウは、昭和の時代に農薬や重金属等の影響により河川が汚染され、繁殖能力が低下し個体数が三千羽まで激減し絶滅が危惧されたことがあるそうです。
その後、農薬の使用条件の規制などにより水質が改善されたことで餌となる魚が増え、次第にコロニーや、個体数も増加したとされています。
現在では、関東地方だけでも2万羽を超えるカワウが生息すると言われており、年々その数は増えているようです。
カワウが狩猟鳥に指定された!
カワウは昭和の時代に水質の悪化によって個体数が激減し、狩猟してはいけない鳥として保護されていたとされています。
しかし年々個体数が激増し、被害が拡大したため2007年6月1日以降、狩猟鳥に指定され、狩猟可能な期間と区域であれば、特別な許可なく捕獲ができるようになったそうです。
ただし、カワウはあまり利用価値がないと言われているため、ハンターが積極的に狩猟することは期待できないと考えられています。
カワウによる色々な被害
カワウの個体数の増加とともに、色々な被害が確認されていると言われています。
水産の被害
カワウは魚食性の鳥で、一羽が一日に食べる量は500gにもなるそうです。
他の魚食性に鳥に比べ、カワウは集団で飛来し大量に捕食するため被害が大きくなると言われています。
カワウは特にアユを好むそうで、養殖や放流されているものも被害を受けているようです。
生態系の被害
カワウは営巣時に、生木の枝を折り取るため、コロニーでは樹木の枯死が広い範囲で起こることが多いと言われています。
また、真っ白い多量の糞によって、コロニーや採食場所で水害、土壌汚染、悪臭、景観の悪化などを招いているそうです。
さらに、糞が植物の葉を覆うために、光合成が阻害され植物が枯れてしまうこともあるようです。
カワウの駆除対策方法
カワウの被害に対して、様々な対策がとられているようですが、個体数の減少にはつながっていないと言われています。
猟銃による捕獲
銃器による捕獲や追い払いは、他の方法よりも高い効果が期待できると言われています。
定期的に続けることにより、さらに効果が増すそうです。
また、空気銃による捕獲は群れの拡散を最小限に抑えることができるため、捕獲効率が良いとされ、実施している自治体もあるそうです。
ただし、銃器は使用できる場所や時間が限られており、カワウが飛来する場所や時間で使用できるとは限らないそうです。
さらに、カワウは警戒心が強く、銃器の射程距離内に入らないことも多いようです。
テグスを張る
養殖場や野池のカワウの防除には、テグスが使われることが多いようです。
テグスを格子状に張り、防鳥網で完全に覆い、さらに池の周囲をネットなどで囲うと効果があると言われています。
テグスだけでは効果が低いため、目の細かい網やネットとの併用で効果が上がるようですが、防鳥網は破られることもあるようですので、定期的な交換が必要だと言われています。
かかしで追い払う
カワウの被害対策として、かかしを設置すると言う方法があります。
ただし、かかしのような設置型防除具は労力はかかりませんが、単純な刺激にはカワウは短期間で慣れてしまい、単に置いただけでは大きな効果は期待できないと言われています。
そのため、かかしを防除具として使用する場合には、花火や銃器による追い払いなど他の防除方法と組み合わせたり、かかしの設置場所や服装をこまめに変えるなどの工夫の必要があると考えられています。
ロケット花火で追い払う
ロケット花火による威嚇で、カワウを追い払うと言う方法もあるそうです。
ただし、花火を行うと一旦ほとんどのカワウは逃げますが、時間がたつと再び戻ることが多いそうですので、こまめに行う必要があるようです。
また、花火の使用に関しては、騒音などの問題があるため、事前に警察や周辺住民に説明し、了承を得てから行うほうが良いと言われています。
釣り針による捕獲
カワウに近づくことなく捕獲する方法として、釣り針を使用した捕獲方法があるそうです。
高額な器材も必要なく、安価で簡単な捕獲方法だと言われています。
ただし、仕掛けの形状や設置場所、カワウの飛来状況などによって、捕獲数がかなり変わるそうですし、法定猟具として認められていないため、あくまでも調査研究目的での使用に限られるそうです。
ドライアイスをかける
ドライアイスをかける方法は、カワウの抱卵後期に巣の中へドライアイスを投入する方法です。
カワウの孵化を抑制し繁殖成功率を下げる狙いがあるとされています。
ただし、カワウの営巣木は樹高が高いものが多く、巣に届かないこともあるようです。
また、カワウは繁殖期が長く一年に2~3回繁殖する個体もいると言われていますので、そのコロニーの繁殖期と、ドライアイス法の実施時期である抱卵後期がいつ頃なのかを事前に良く調べることが必要だと言われています。
さらに、ドライアイス法であっても、カワウの卵を捕獲する県知事の許可申請が必要だそうですか、時期を合わせて事前の申請が必要になるそうです。
反射板による対策
反射板とは、アユの迷入や流下防止のために設置されている、アルミ板をいくつも皮の中に吊り下げたもので、これをカワウの防除に使用する方法も行われているようです。
ただし、どの程度の効果があるかはまだ分かっていないそうです。
忌避テープによる対策
カラス防除のために市販されている黄色い忌避テープを、カワウの防除に川に5mおきくらいに設置する方法も行われているそうです。
忌避テープはマイナスイオンを発生させるため効果が高いと言われていますが、どの程度の効果があるのかはまだ不明だそうです。
まとめ
☑カワウは年々増加し、水産や生態系に被害をもたらしている
☑狩猟鳥に指定されたため、制限付きで狩猟が認められている
☑猟銃による捕獲が一番効果的とされている
☑テグス、かかし、花火、ドライアイス、反射板など各地で様々な対策を実施しているが効果はあまりないようである
各地で様々な対策を試みているようですが、なかなか効果がないようです。
カワウが一番警戒するのは人間だと言われていますが、毎日行うと言うのは難しいそうです。
色々な対策を組み合わせて行うのが、今のところ有効なようです。