フクロウをペットにしたい!費用や餌、お手入れなどの飼い方について
フクロウは愛らしい外見から、近年ではペットとして飼育する方も増えているようです。
ただ、フクロウは他の鳥類とは違った特性が多くありますので、世話が大変さと言われています。
そこで今回は、フクロウを飼育する際の、費用や餌、お手入れ方法などについて説明したいと思います。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
フクロウってペットとして飼えるの!?
フクロウは日本でペットとして飼育することが認められています。
ただし肉食性の猛禽類であるフクロウの飼育は簡単ではないと言われています。
事前にフクロウについての知識を深め、環境を整えておくことが大切です。
サイテス CITES (通称ワシントン条約)を知る
フクロウを飼育するための売買には、サイテスCITES(通称ワシントン条約)が関わってきます。
フクロウはサイテスⅡ類に含まれ、日本産のフクロウを捕獲、飼育することはできません。
海外から正規輸入されたフクロウ、またはそれらを繁殖させた個体のみ飼育が許されています。
例えば、怪我をしているフクロウを保護したとしても、関係省庁から許可を得ていなければ違法行為として処罰の対象となりますので注意が必要です。
フクロウの飼育の前に準備すること
夜行性で肉食の猛禽類であるフクロウを飼育するためには、様々な準備が必要です。
非常に大切なのがフクロウにストレスを与えない為の飼育環境と毎日の餌だと言われています。
フクロウの飼育で大変な事
フクロウを飼育するうえで大変なこととして、まずは餌の準備が挙げられます。
野生のフクロウが好む、小型の哺乳類や、鳥類などの生肉を毎日与えなくてはなりません。
また、一口大に捌くなど、ある程度処理が必要だと言われています。
フクロウの飼育に必要なもの
「ケージ」
フクロウの飼育には、フクロウ用の「ケージ」や場合によってはフクロウ専用の部屋などが必要になるそうです。
フクロウの体の大きさを考慮して、動き回ることができる大きさのケージを用意するといいでしょう。
フクロウ専用のケージはなかなか売っていないそうですの、犬や猫のケージを利用するのも良いです。
ただ、ずっとケージの中に入れておくと、運動不足になりますから、ケージから出して自由に運動させることも大切だそうです。
「止まり木」
フクロウは鳥類ですので、「止まり木」や乗ることのできる台のようなものが必要だと言われています。
1日の大半を止まり木で過ごすことも多いそうです。
「水飲み容器」
「水飲み容器」は常に用意しておくと良いでしょう。
「水浴び容器」
「水浴び容器」は自由にする時間に用意する場合が多いようです。
「ヒーター」
フクロウは寒さに弱いので、「ヒーター」も必要だとされています。
冬場は人間が寒さを感じない程度に暖かい温度を保つように注意しましょう。
「皮手袋」
フクロウの爪は鋭いですので、世話をする時の厚めのを用意しておいた方が良いそうです。
フクロウの性格
猛禽類であるフクロウは基本的に人に懐くことはないようですが、攻撃的な性格ではないので、むやみに驚かしたり、過度のストレスを与えない限り、人を襲うことはないそうです。
ただ、鋭い爪やくちばしをもっていますので、動きの予測できない子供や他のペットと一緒に飼育する場合には注意したほうが良いでしょう。
また、大きな音や振動のある部屋はフクロウに飼育には向いていませんので、フクロウのために静かな部屋を用意したほうが良いようです。
ペットとして飼えるフクロウの種類と値段
●モリフクロウ 25~30万円程
全長36~45㎝程、一般的なフクロウで体色は灰褐色から茶褐色、性格はおっとりして人懐っこいと言われる
●メンフクロウ 15~25万円程
全長23~44㎝程、お面のようなハート形の顔が特徴、環境適応力が高く、飼いやすいと言われる、繁殖力が高いので比較的安価で入手できる
●シロフクロウ 30~40万円程
全長38~46㎝程、ハリーポッターに登場した白いフクロウ、飛翔能力が高く羽根が固いのが特徴、暑さに弱いので注意が必要
●コキンメフクロウ 15~30万円
全長21~23㎝程、小柄で丸みのある体が特徴、非常に活発で運動量が多い、攻撃的な面があるので注意が必要
フクロウの寿命
フクロウの平均寿命は小型の個体で10~15年位、中型や大型の個体で20~30年位生きることもあると言われています。
長生きする動物ですから、最後まで責任をもって飼育することが大切です。
フクロウの餌
フクロウは他の動物を捕食する肉食性の鳥類ですから、主に肉を与えるそうです。
ただ、市販の肉では血抜きされているため、栄養が不足してしまうそうですので、生の動物の肉が好ましいとされています。
特に、ウズラ、ラット、ヒヨコなどを好んで食べるようです。
ペットショップで冷凍の物が市販されていますので、利用すると良いでしょう。
また、フクロウの餌の適量は、一般的に小型の個体で体重の15%程、大型の個体で10%程と言われています。
個体の大きさに合わせて、量を調節してあげましょう。
またフクロウは、消化できなかった毛や骨の塊であるペリットと呼ばれる塊を定期的に吐き出すそうです。
見た目は粘土のようで匂いもないそうです。フクロウの健康をチェックするものでもありますので、何日も出ない場合は注意が必要だと言われています。
一ヶ月の餌代は!?
フクロウの毎月の餌代は、小型の個体で5000円程、大型の個体で10000円程かかると言われています。
また、健康維持のためのサプリメントなども必要になることがあるようです。
餌のあげ方
フクロウの餌の与え方は、まず慣れるまでは適量の餌をケージの中に置いておく置き餌から始めるのが一般的なようです。
食べやすいように一口大に捌いてから置いておきましょう。
慣れてきたらピンセットで餌をつまんで与え、さらに慣れてきたら手の上において与えることもできるそうです。
焦らずに、時間をかけて慣らしていくと良いそうです。
フクロウのお手入れ
飼育されているフクロウは、定期的にお手入れをしてあげることも必要だと言われています。
クチバシやツメのお手入れ
フクロウは鋭い爪とくちばしを持っており、野生であれば自然にすり減りますが飼育下ではすり減ることがありませんので、定期的なお手入れが必要になるそうです。
慣れている方なら自宅でも可能ですが、フクロウに負担を与えることもあるそうですので、定期的に獣医師などのプロに頼んでお手入れしてもらうほうが良いでしょう。
換羽
フクロウは年に1回程度羽が生え変わり、これを換羽と言うそうです。
換羽は数か月にかけて行われ、通常よりも多くのエネルギーが必要となると言われています。
そのため栄養が足りなくなったりすると、換羽ができなくなることもありますので注意が必要です。
水遊び
フクロウに限らず鳥類は毎日水浴びをします。
洗面器などに水を張っておいておけば、自分から水に入って水浴びをしますので、常に用意して置くと良いでしょう。
フクロウの糞の種類・頻度・臭い
フクロウには普通の糞と盲腸糞と言う2つの糞の種類があると言われています。
普通の糞
フクロウは肉食性ですが、通常の糞はそれほど臭いは強くないと言われています。
鳥類はすぐに飛び立てるよう、体を常に軽くしておくために1日に何度も排出しますので、新聞紙などでカバーすると良いでしょう。
盲腸糞
フクロウには盲腸が2つあり、そこから排出される盲腸糞はものすごい異臭がするそうです。
また粘り気もあるため、衣服などにつかないように注意が必要だと言われています。
盲腸糞は一日に一度、または二度ほど排出されるそうです。
フクロウを飼育する際の注意点
他にもフクロウを飼育するためには注意しなけれないけない点があります。
ロストに気をつける
フクロウに限らず鳥類は、少しでも窓が開いていれば外に逃げ出してしまいます。
これを「ロスト」と呼びますが、慣れている個体でも、好奇心から外に出てしまうことはありますので、注意しましょう。
獣医師やアドバイザーを見つけておく
ペットとしても人気が出てきているフクロウですが、まだまだ珍しいペットであることには変わりありません。
犬や猫の哺乳類とは違い、フクロウは鳥類ですので、フクロウを診ることのできる獣医師やアドバイザーなどのプロは少ないそうです。
事前に鳥類を専門に見てくれる獣医師やフクロウの飼育に詳しいアドバイザーを探しておくのも、フクロウを飼育するうえで重要なことだと言われています。
フクロウを扱うペットショップなどで相談するのも良いでしょう。
鳴き声が気にならない環境で育てる
フクロウは鳴き声が非常に大きいと言われています。
また、簡単にしつけできるような生物ではありませんので、鳴き声を止めることはできないようです。
飼育する際には、部屋の防音性なども考慮して、他の人に迷惑をかけないようにしましょう。
外敵に気をつける
フクロウを屋外で飼育したり、屋外に連れ出したりする場合には、外敵からフクロウを守る対策も必要だと言われています。
蛇や猫、イタチなどに襲われる危険があるそうです。
また、フクロウは人気が高く、高価なため盗難の被害にあうこともあるそうです。
特に夜間は注意が必要ですので、十分に対策をとるようにしましょう。
まとめ
☑日本産のフクロウは飼育不可、海外からの正規輸入された個体のみ飼育可能
☑フクロウは肉食、餌はラットや、ウズラなどの生肉をさばいて与える
☑フクロウは夜行性、静かな環境が必要
☑専用のケージ、止まり木、水飲み容器、水浴び容器、ヒーター、皮手袋などを準備
☑フクロウの個体は高価で、餌代は5000円~10000円、他にお手入れ代などもかかる
☑フクロウは鳥類の中でも長寿
☑ロストや鳴き声に注意、フクロウに詳しい獣医師などを探しておく
見た目は愛らしいフクロウですが、飼育するとなると想像以上に大変なことが多いようです。
餌やりは毎日必ず行わなくていけないですし、フクロウは比較的長寿な鳥ですから、場合によっては10年以上も行うことになります。
フクロウの特性をよく理解し、生涯大切に毎日世話ができるかをよく考えてから飼育することをお勧めします。