エゾビタキの特徴や生態・鳴き声についてのまとめ。
日本でも、趣味として注目されているバードウォッチング。
山林に立ち入らなくても公園などでも観察できる鳥もいるため、その人気は高まっています。
今回ご紹介する鳥は、渡りの途中で日本に立ち寄ってくれる「旅鳥」と呼ばれる鳥です。
渡りをする際に、休息と栄養補給のために日本に立ち寄る彼らは、出会える期間がとても短い鳥たちです。
そんな珍しい出会いを求めてバードウォッチングをする方もいるかもしれませんね。
今回は、そんな旅鳥の仲間である、エゾビタキについて調べてみました。
是非いつ、どこで出会えるのかをチェックしてください。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
エゾビタキの名前の由来
まずはエゾビタキの名前について見ていきましょう。
その名のとおり、蝦夷の鶲という意味です。
旅鳥として春と秋の渡りのときに通過することが多いです。
蝦夷に飛来したことで蝦夷と名前がついていると言われていますが、通常色々な場所で観ることができるようです。
漢字表記・英名・学名
エゾビタキは感じで表記すると、「蝦夷鶲」と書きます。
学名はMuscicapa griseistictaといい、英語ではgriseistictaと表記します。
また、木の枝から空中を飛んでいる虫を追って舞うように捕らえる姿から、「flycatcher(フライキャッチャー」とも呼ばれているそうです。
エゾビタキの特徴
ここでは、エゾビタキの見た目の特徴についてご案内いたします。
大きさや色や模様等を見て言いましょう。
良く似た仲間がいるので、彼らの特徴を良く知り、見分けられると野鳥通になれるかもしれません。
大きさ
エゾビタキは全長はおよそ15センチで、スズメよりも少し小さいです。
同じサメビタキ属の仲間である、サメビタキやコサメビタキよりは一回り大きいです。
ちなみに、スズメの大きさは成体でおよそ20センチですので、それよりも小さいとなると、かなり小柄なのが想像しやすいかもしれません。
見た目の特徴や模様
エゾビタキは、背中は灰褐色をしており、お腹の面は白い体羽で覆われているのが特徴です。
そして、暗褐色の縦じまがはっきりと並んでいます。
尾羽は背中よりも色あいがやや暗めで、翼は黒がかった褐色をしています。
翼はサメビタキやコサメビタキと比べて長いです。
眼の周囲の羽毛は、ややくすんだ白色をしており、脚は黒いです。
同じ仲間であるサメビタキやコサメビタキと非常によく似ていますが、エゾビタキの分かり易い特徴は胸の縦しまの模様です。
この模様があることで、他の種類と判別することができます。
オスメスの違い
オスとメスは同じ色をしています。
ぱっと見て見分けるのは難しいでしょう。
鳥は求愛のためにオスがさえずることが多いので、つがいのエゾビタキを見つけたら、さえずっているほうがオスである可能性は高いかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
エゾビタキの寿命
エゾビタキのような、スズメ目の小鳥の寿命は、平均して1.5年~2年と言われています。
渡りをおこなう野鳥の寿命については、生まれて巣立った後にすぐ群れに紛れてしまいますので、野生の同じ個体を継続して観察することが難しく、実はあまり研究が進んでいないとも言われています。
エゾビタキの生態
ここからは、エゾビタキの生態について詳しくみていきましょう。
生息地や食べ物、繁殖について調べました。
渡りを行う
エゾビタキは繁殖地と冬を越えるための土地を行き来するために、日本を通過する旅鳥です。
日本に立ち寄るときは低い山地や平地の林などで見かけることができ、市街地や公園でも観察できる事があるようです。
日本へは通過の途中で立ち寄るため、観察できる期間は短いです。
日本で栄養補給と休養を充分にとって、東南アジアなどにわたるためのエネルギーを蓄えているのです。
エゾビタキが日本を通過するのは秋ごろなので、バードウォッチングを行うのであれば、9~10月ごろがおすすめと言われています。
単独か小さな群れで生活する
エゾビタキは単独、またはつがいで行動することができますが、小さな群れを作って生活をすることもあるようです。
昆虫類等を主食とする
エゾビタキの食性は動物食で、昆虫を主に食べます。
木から弧を描いて飛び立ち、空中で獲物を捕食します。
飛んでいる虫も捕食できる器用さをもっています。
この行動が、フライングキャッチャーと呼ばれる由来なのです。
繁殖期
エゾビタキの繁殖期は夏ごろで、シベリア南部やサハリン、カムチャツカ南部などで繁殖すると言われています。
日本を通過する秋ごろには、夏に生まれた幼鳥を連れていることがあり、幼鳥を休ませるために日本に長くとどまっていると言われています。
エゾビタキの生息地・分布
エゾビタキは、平地や山地の、開けた明るい林を好んで生息します。
日本では繁殖せず、渡りの途中で通過するところを観察できる旅鳥です。
エゾビタキの幼鳥
先ほども紹介したように、エゾビタキはシベリア南部などで繁殖を行い、日本へは幼鳥を連れて旅鳥として訪れます。
幼鳥は親と比べてまだ飛び慣れておらず、体力も親には及ばないので、充分に栄養と休息をとる必要があります。
エゾビタキの鳴き声
エゾビタキはツィーツィーと聞こえる鳴き声で鳴きます。
こちらの動画で、エゾビタキの鳴き声を聴くことができます。
エゾビタキの鳴き声はとても小さく、聴きとることが難しいと言われています。
静かな林などで、聞こえることがあるかもしれません。
鳴き声の種類と意味
鳥の鳴き声には大きく分けて地鳴きとさえずりと呼ばれる鳴き方をします。
鳥が鳴き声を発するのは、縄張り内や仲間たちの間で合図やメッセージを送るためです。
また、巣のまわりの縄張りの確認や、メスへの求愛などでさえずることもあります。
まとめ
今回は、エゾビタキについてご案内いたしました。
調べたことを振り返ってみましょう。
・サメビタキの仲間たちとよく似ているが、特徴的なのは縦縞模様である。
・エゾビタキはシベリアから東南アジアなどへ渡りをする鳥で、日本へは休息のために立ち寄る。
・動物色を好み、飛んでいる虫に向かって飛び上がって捕食をする。
・日本では繁殖を行わず、シベリア等で生まれた幼鳥を連れて飛来することがある。
・エゾビタキはツィーツィーと鳴くが、鳴き声は小さい。
いかがでしたか?渡りをする途中で日本へ立ち寄ってくれるのはなんだか嬉しいですよね。
日本で十分に休息をとってもらっている間、是非バードウォッチングしてみましょう。
小さな鳴き声が聞こえ、連れている幼鳥も一緒に出会えたらラッキーかもしれません。