渡り鳥「ダイサギ」の夏羽冬羽や特徴、生態について
川や水田などの水辺でよく見かけるシラサギの中でも、最大級の鳥であるダイサギは、翼を広げて飛ぶ姿が圧倒されるほど大きな鳥です。
真っ白な体をゆっくりと動かし、鳴くこともほとんどないと言われています。
同じシラサギ類であるチュウサギと似ているので、単体でいると間違われることも多いようです。
今回の記事では、そんなダイサギの特徴や生態について説明したいと思います。
この記事でどんなことが知りたいですか!?
ダイサギの名前の由来
ダイサギを含むサギ類には多くの種類がいますが、体色が白く、頸と脚が長いサギを総称してシラサギと呼び、ダイサギはその一種であり最大種だと言われています。
そのシラサギの中で日本に生息するのは3種で、大きさによってダイサギ、チュウサギ、コサギと区別しているそうです。
漢字表記・英語名・学名
ダイサギの漢字表記は大鷺、英語名はGreat Egret、学名はArdea albaと表記します。
ちなみにチュウサギは中鷺、コサギは小鷺と漢字表記するそうです。
ダイサギの特徴
ダイサギはペリカン目サギ科に属する、野鳥の中でも最大級の大きな鳥だと言われています。
また、日本に生息するシラサギはダイサギ、チュウサギ、コサギの3種で、ダイサギは2種と比べて個体数が圧倒的に少ないそうです。
飛ぶときにはゆっくりと羽ばたき、脚は伸ばしますが、頸を縮めて飛ぶのが特徴だそうです。
ダイサギの大きさ
ダイサギは大きさが全長90㎝、翼を広げると130㎝にもなるそうです。
日本ではアオサギと並んで最大級の鳥の一種だと言われています。
ダイサギの見た目の特徴や模様・色
ダイサギの体色はオスメス同色で、全体が白色の羽毛で覆われているそうです。
脚と首、くちばしが特に長く、足は全体が黒色をしているそうです。
ダイサギの夏羽と冬羽の違い
ダイサギは夏と冬では体色や外見が変わると言われています。
夏はくちばしが黒くなり、足の付け根がわずかに黄色くなるそうです。
胸や背中に長い飾り毛が現れ、目の先は緑色に近くなるようです。
この目先が緑がかかるのは繁殖期に現れる婚姻色だと言われています。
冬は飾り毛がなくなり、くちばしが黄色に変わるそうです。
ダイサギの寿命
野生のダイサギは15年ほど生きると言われています。
ただし、ダイサギを含むシラサギ類の雛は羽毛が生えそろうまでの2~3週間の間の巣の中でお互いを攻撃し合うため、弱い個体は生き残れないことが多いそうです。
ダイサギの生態
ダイサギは主に群れで生活し、繁殖も群れで行うと言われています。
群れで生活をする
ダイサギは1年を通じて群れで行動し、朝になると餌場に移動し、個々の縄張りを持つと言われています。
また、繁殖も集団で行うことがあるそうです。
「サギヤマ」と呼ばれる集団の繁殖地を作る
ダイサギは他のサギ類とともに混生して、集団でコロニーを作り繁殖活動をすることで知られているそうです。
その集団の繁殖地はサギヤマと呼ばれており、中にはチュウサギ、コサギ、ゴイサギ、アマサギ、アオサギなどが含まれているそうです。
主に魚類を採食する
ダイサギは身体に水がつかない程度の水の中をゆっくりと歩き、魚類を捕食する姿がよく見かけられているようです。
主に魚類を好みますが、カエルなどの両生類やエビやザリガニなどの甲殻類、さらにはネズミなどの小型の哺乳類も食べると言われています。
エサとなるものを見つけると、いつもはS字型に曲げられている首を瞬間的に伸ばし、くちばしではさみ取ったり、魚が大きい場合は鋭く尖ったくちばしを突き刺したりして捕らえるそうです。
求愛ディスプレイをする
ダイサギは繁殖期になると、メスに飾り羽を見せつけるような行動をとるそうで、求愛のディスプレイだと言われています。
繁殖期
ダイサギの繁殖期は4月から9月で、年に1回、一夫一妻制で繁殖活動をすると言われています。
平地から丘隆のマツ林や雑木林、竹林などの木の上に営巣し、一巣卵数は3~5個、2日おきに1卵ずつ産卵すると言われています。
オスとメスが交代で25~26日間抱卵し、孵化した雛は20日ほどで巣立ち、さらに20日ほどで飛び立つことができるようになるそうです。
ダイサギの生息地・分布
ダイサギは世界中の熱帯、温帯で繁殖すると言われています。
日本では、夏に渡来するため、夏鳥として知られているそうです。
関東地方から九州地方までの各地で繁殖するそうですが、シラサギ類3種の中では最も分布域が狭いそうです。
冬場になるとほとんどが南の暖かい地方へ移動すると言われています。
主に、見通しの良い川やその周辺、水田、湖や沼、干潟などの水に近い環境で生活し、水の中をゆったりと歩いたり、エサを待ってじっと立っている姿がよく見かけられているそうです。
ダイサギの鳴き声
鳴き声の種類や意味
ダイサギは成鳥になると、繁殖期以外に鳴くことはあまりなく、飛び立つときにしわがれた声で「ガァ」、「グァ」と鳴く程度だと言われています。
ただし、繁殖期には「グァ」、「ゴァ」とやかましく鳴きたてることが多いそうです。
また、採食のための縄張りに、他のダイサギが侵入してくると「ガガガ…」、「ガァァァ」などと鳴きながら激しく威嚇し、追い払うことがあるようです。
また、雛の時には「ジャアジャア」、「ジェッジェッ」と鳴くそうです。
ダイサギ、チュウサギ、コサギの特徴の違い
ダイサギはチュウサギと間違われることが多いようですが、ダイサギの方が体長が大きく、くちばしも長いそうです。
また目の下の口角の切れ込みが、目より後ろに食い込んでいると言う特徴で見分けることができるようです。
また、ダイサギは体長も大きく動きも常にゆったりとしていますが、コサギはシラサギの中でも一番体長が小さく50~60㎝位で、動きも素早くちょこちょことよく動き回ると言われています。
また、夏と冬でくちばしの色が変わるダイサギとは違い、一年を通してくちばしの色は黒色だそうです。
まとめ
それでは、ここで今回の記事のおさらいをしたいと思います。
・ダイサギはシラサギ3種の一種で、全長90㎝の最大種
・シラサギ三種を大きさによって区別するために、ダイサギと名付けられる
・真っ白の体色、黒く長い脚、夏と冬で変わるくちばしの色が特徴
・食性は主に魚類を好み、繁殖は他のサギ類とともに集団で行う
・繁殖期以外に鳴くことはあまりなく、常にゆったりと行動する
水辺に単体でいるシラサギを見かけることがよくあると思いますが、ダイサギは数が少ないそうですから、チュウサギやコサギなのかもしれませんね。特徴を見極めて、よく観察して見分けたいですね。